環境・社会・ガバナンス(ESG)情報

コーポレート・ガバナンス
ESG担当役員メッセージ

ESG担当役員メッセージ

昨今のウクライナ情勢による燃料調達価格への影響や国内の再生可能エネルギー電源比率の増加に伴い、世界のエネルギーを取り巻く環境は一変しました。各国とも自国のエネルギー確保に鎬を削り、それまでのエネルギー政策の見直しを迫られています。
そのなかで、2030年に向けたSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた動きや、パリ協定を踏まえたESG(環境・社会・企業統治)投資の伸びは、ウクライナ情勢をはじめとする混沌とした世界情勢を反映し、先行き不透明な見方もありますが、これまで右肩上がりの成長を遂げてきています。
TEPCOグループは、長年に渡り首都圏を中心にエネルギー事業を担ってまいりましたが、今後どのような社会情勢であっても電力の安定供給を確保し、カーボンニュートラルとレジリエンス向上を軸とした新しい価値を社会・お客さまに提供していくことで企業価値の向上と社会的価値の創造に努めてまいります。

カーボンニュートラルに向けた取り組み

TEPCOグループは、「2030年度にお客さまに販売する電力由来のCO2排出量を2013年度比で50%削減」という目標を掲げているなかで、2021年に公表した第四次総合特別事業計画(四次総特)において「2050年にカーボンニュートラルを目指す」ことを明記しました。
また2022年4月には「長期的な安定供給とカーボンニュートラルの両立に向けた事業構造変革について」を発表し、供給側の再生可能エネルギー主力電源化を進めていくと同時に、需要側でもお客さまの設備やエネルギーの使用状況にまで入り込み、再エネ電源や蓄電池等の設備サービス事業を主軸としたビジネスモデルへ大きく変換することで、新たな企業価値の創造に挑戦してまいります。

レジリエンス向上への取り組み

近年、各地で発生する自然災害による被害が激甚化するなか、TEPCOグループでは国や自治体等との連携を強化し、グループの総力をあげて防災体制、対策を見直してきました。
当社供給設備においては、高経年設備更新を着実に実行するとともに、ドローンやDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した、災害発生時の正確な情報発信・早期復旧に資する仕組みを構築してまいります。
併せて社会全体のレジリエンス力強化の為、再エネ等を中心とする自前電源の確保や蓄電池の設置、電動車両を使ったV2Xなどのご提案に加え、お客さまの施設が災害時における地域のエネルギー供給拠点として活用されることも想定した取り組みもお客さまとともに進めてまいります。

積極的な情報開示と対話の促進

これまではE(環境)の情報開示に重点を置いてきましたが、今後はS(社会)とG(ガバナンス)の透明性もいっそう高めていく必要があります。ステークホルダーの皆さまからのご要望やIFRSのサステナビリティ開示基準を参考に、EだけでなくSとGにおいても取り組みと情報開示を進めてまいります。
ESGの取り組みを全社的に強化していくためには、その取り組みがステークホルダーの皆さまにどう評価されているのかを的確に把握することが重要です。お客さまをはじめさまざまなステークホルダーの皆さまとのエンゲージメントを通じて、共通の目的や目標を見つけていくことで、win-winの関係を築くことができると思っています。また、いただいたご指摘やご意見をしっかりと受けとめることで、社内の意思決定によい影響をもたらし、より効果的な戦略や行動をとることができます。組織全体でこの姿勢で取り組むことが企業業績という結果に現れ、企業価値の向上につながると考えています。
ESG評価機関のスコア等、当社グループへの評価がわかる客観的なデータに基づき、課題を見つけ出して、取り組みをさらに強化してまいります。

2024年10月
代表執行役副社長
山口 裕之