廃炉プロジェクト全般

A1当社と国・関係機関が協力しつつ、総力を挙げて福島第一原子力発電所の廃炉を目指すプロジェクトです。

プロジェクト概要

A2福島第一原子力発電所では、廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議で決定される「東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に基づいて廃炉作業を進めています。2011年12月に決定した「中長期ロードマップ」は、廃炉作業の進展に伴って明らかになってきた現場の状況などを踏まえて、継続的な見直しを行っています。

廃炉に向けたロードマップ

A32011年3月11日、三陸沖の海底を中心にマグニチュード9.0の大地震が発生しました。その後、大津波が襲来し、電源設備等の重要な設備が浸水したことで、電源と注水・除熱機能を失いました。その結果、原子炉を冷やすことが出来ず、過酷な事故に至りました。事故から得られた教訓を基に、非常用電源や原子炉への注水手段を確保するなどの対策を行っています。

A4福島第一原子力発電所における廃炉・汚染水対策に関して、責任と権限の明確化や、意思決定の迅速化などをさらに進めるため、「福島第一廃炉推進カンパニー」を設置して、協力企業のみなさまをはじめとする、多くの方々のご協力を頂きながら廃炉作業に取り組んでいます。

プロジェクト体制

 

関連項目

 

廃炉作業の状況

A51号機から3号機は、電源喪失により、原子炉を冷やすことが出来ず、燃料が溶け、大量の水素が発生し、1、3、4号機の建屋が水素爆発に至りました。現在は、各号機とも安定冷却を継続しており、1~3号機の「使用済燃料プールからの燃料取り出し」や「燃料デブリの取り出し」等に向けて準備を進めています。

事故を起こした原子炉はどのような状態なの?

A6山側から海側に流れている地下水が、原子炉建屋等に流れ込み、建屋内に溜まっている放射性物質を含む水と混ざることなどで汚染水は増加します。汚染源に水を「近づけない」、汚染水を「漏らさない」、汚染源を「取り除く」の3つの基本方針にそって、地下水を安定的に制御するための、重層的な汚染水対策を進めています。

A7原子燃料は、原子炉で使用したのち、新しい燃料と交換します。この交換して取り出した燃料が使用済燃料です。取り出した使用済燃料は熱を発することから、安定して貯蔵を行うために使用済燃料プール等で冷却します。この使用済燃料等によるリスクを下げるため、事故を起こした原子炉建屋からの取り出しにむけて準備を進めています。

A8事故当時、1号機から3号機は稼働中だったため炉心に燃料が格納されていました。事故発生後、非常用電源が失われたことで炉心を冷やすことができなくなり、この燃料が過熱、燃料等が融解しました。その融解した燃料等が冷えて固まったものを燃料デブリと言います。現在は融解した炉心内部の状態を確認し、燃料デブリを取り出すために様々な調査を進めています。

A9福島第一原子力発電所では、事故の安定化および廃炉の推進のために、遠隔技術(ロボット)を活用しています。人に代わってロボットが原子炉建屋内の調査などを実施し、その後の作業計画に反映することで、被ばくなどの作業リスクの低減に寄与しています。また、オープンイノベーションプラットフォーム(TEPCO CUUSOO)で福島第一原子力発電所における現場ニーズを公開して、適用可能な知見や技術を広く募集する取り組みを行っています。得られた知見や技術は、福島第一原子力発電所の廃炉作業への活用はもとより、世界のあらゆる場面で活かせるように取り組みます。

関連項目

A10福島第一原子力発電所では、地域の皆さまはもとより、作業員や社員、周辺環境の安全確保を最優先に、放射性物質等によるリスク低減に取り組んでいます。事故当時は、敷地全体のエリアで防護服と全面マスクの着用が必要でしたが、今では敷地全体の96%のエリアで、一般服と防塵マスクでの作業が可能となっています。また、廃炉作業の加速化と信頼性向上を推進するため、衣食住などの労働環境の改善も進めています。

関連項目

A11廃炉作業に伴い発生する廃棄物は、放射線量に応じて分別し、福島第一原子力発電所の構内に保管しています。発電所構外への放射線の影響を低減するため、敷地境界線量への影響が高いガレキ等から優先的に建屋内保管に移行しており、可燃物は焼却、金属・コンクリートは減容するなど、可能な限り廃棄物の量を低減させています。

固体廃棄物貯蔵庫第9棟

固体廃棄物貯蔵庫第9棟

関連項目

公表資料

A12福島第一原子力発電所の廃炉作業の状況等は、ホームページやご説明の場等を通じてお知らせしています。具体的な作業内容等については、適宜、公表資料を作成してお示ししています。

関連項目

データ

A13地域・社会のみなさまに福島第一原子力発電所における放射能濃度の状況をご確認頂けるよう、敷地内や海洋などでは継続的なサンプリングを行って監視するとともに、その結果をお知らせしています。

関連項目

ビジュアルコンテンツ

A14廃炉作業の状況をお知らせする動画や、福島第一原子力発電所の見学を疑似体験できるコンテンツを作成するなど、みなさまに福島第一原子力発電所をもっと知って頂けるよう取り組んでいます。

福島第一原子力発電所に関する映像はあるの?

福島第一原子力発電所の廃炉の現状と取組みをお伝えします

Vol.1 福島第一原子力発電所の廃炉の取組み(2022年8月14日)

Vol.2 福島第一原子力発電所のいま(2022年8月28日)

Vol.3 ALPS処理水とは(2022年9月4日)

Vol.4 多核種除去設備(ALPS)の浄化のしくみ(2022年9月10日)

Vol.5 ALPS処理水に含まれるトリチウムとは①(2022年9月25日)

Vol.6 ALPS処理水に含まれるトリチウムとは②(2022年10月2日)

Vol.7 ALPS処理水に含まれるトリチウムとは③(2022年10月23日)

Vol.8 ALPS処理水による海洋生物の飼育試験(2022年10月30日)

Vol.9 海域モニタリングの強化・拡充(2022年11月20日)

Vol.10 国際原子力機関(IAEA)による安全性の確認(2022年11月27日)

Vol.11 ALPS処理水放出に伴う人や環境への影響評価(2022年12月18日)

臨時号 廃炉の現状と取組み(2022年12月19日)

Vol.12 ALPS処理水の海洋放出にあたっての安全性確保①「設備・運用の全体像」(2023年1月22日)

Vol.13 ALPS処理水の海洋放出にあたっての安全性確保②「測定・確認用設備」(2023年1月29日)

Vol.14 ALPS処理水の海洋放出にあたっての安全性確保③「移送・希釈設備」(2023年2月19日)

Vol.15 ALPS処理水の海洋放出にあたっての安全性確保④「放水設備」(2023年2月26日)

Vol.16 ALPS処理水の海洋放出にあたっての安全性確保⑤「緊急時の対策」(2023年3月19日)

Vol.17 廃炉やALPS処理水に関するさまざまな情報を国内外へ発信(2023年3月26日)

臨時号 廃炉の現状と取組み(2023年3月27日)

Vol.18 ALPS処理水を用いた海洋生物の飼育試験の状況(2023年4月23日)

Vol.19 国際原子力機関(IAEA)による安全性の確認②(2023年4月30日)

Vol.20 ALPS処理水に含まれるトリチウムとは①(2023年5月28日)

Vol.21 ALPS処理水に含まれるトリチウムとは②(2023年6月4日)

Vol.22 放出する水のトリチウム濃度の監視(2023年6月18日)

Vol.23 国際原子力機関(IAEA)による安全性の確認③(2023年6月25日)

Vol.24 ALPS処理水の海洋放出にあたっての安全性確保「設備・運用の全体像」(2023年7月23日)

Vol.25 国際原子力機関(IAEA)による安全性の確認④(2023年7月30日)

Vol.26 ALPS処理水に含まれるトリチウムとは①(2023年8月20日)

Vol.27 ALPS処理水に含まれるトリチウムとは②(2023年8月27日)

Vol.28 多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出を開始いたしました(2023年9月17日)

Vol.29 ALPS処理水に関する情報発信①「処理水ポータルサイト」で海洋放出に関する様々なデータをご確認いただけます(2023年9月24日)

2023年10月 福島第一原子力発電所「周辺海域のモニタリング状況」のお知らせ(2023年10月15日)

Vol.30 ALPS処理水に関する情報発信②海洋放出前のALPS処理水を測定・評価する「測定・確認用設備」の状況について、ご覧いただける情報をお知らせします(2023年10月29日)

2023年11月 福島第一原子力発電所「周辺海域のモニタリング状況」のお知らせ(2023年11月12日)

Vol.31 ALPS処理水に関する情報発信③「希釈・放水設備」では、ALPS処理水や海水の移送流量、海水で希釈後の水のトリチウム濃度をリアルタイムでご覧いただけます(2023年11月26日)

2023年12月 福島第一原子力発電所「周辺海域のモニタリング状況」のお知らせ(2023年12月17日)

Vol.32 ALPS処理水に関する情報発信④「海域モニタリングの結果」では、海水や魚類などのモニタリング結果をご覧いただけます(2023年12月24日)

2024年1月 福島第一原子力発電所「周辺海域のモニタリング状況」のお知らせ(2024年1月14日)

Vol.33 これまで3回のALPS処理水の海洋放出は、計画通り、安全に行われています(2024年1月28日)

臨時号 1~3回目のALPS処理水の海洋放出実績(2024年1月29日)

2024年2月 福島第一原子力発電所「周辺海域のモニタリング状況」のお知らせ(2024年2月18日)

Vol.34 「包括的海域モニタリング閲覧システム(ORBS)」では、当社の他、関係省庁や自治体が公開した海域モニタリングのデータを地図上に集約し、一元的に閲覧いただけます(2024年2月25日)

2024年3月 福島第一原子力発電所「周辺海域のモニタリング状況」のお知らせ(2024年3月17日)