カーボンニュートラル戦略
ZEBへの取り組み
地球温暖化対策のため、我が国は2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。東京電力グループは経済産業省 資源エネルギー庁等が取り組む「ZEB(ネット・ゼロ・ エネルギー・ビル)」の実現・普及に貢献するため、様々な取り組みを行っています。
ZEBとは?
Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼びます。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーを減らし、創エネによって使う分のエネルギーを創ることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができます。
建物のエネルギー消費量をゼロにするには、大幅な省エネルギーと、大量の創エネルギーが必要です。そこで、ゼロエネルギーの達成状況に応じて、4段階のZEBシリーズが定義されています。
ZEB化のメリットは、「光熱費の削減」「不動産価値の向上」「環境への取り組み、参加意識の向上」「快適性・生産性の向上」に寄与すると考えられています。
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出典:経済産業省資源エネルギー庁
「平成30年度ZEBロードマップフォローアップ委員会とりまとめ」(平成31年3月)をもとに当社作成
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出典:経済産業省資源エネルギー庁
「平成30年度ZEBロードマップフォローアップ委員会とりまとめ」(平成31年3月)
建物のエネルギー消費量を減らすためのさまざまな技術を適切に組み合わせて導入することで、ZEBを実現することができます。このZEBを実現するための技術は、消費するエネルギーを減らすための技術(省エネ技術)とエネルギーを創るための技術(創エネ技術)に分けられます。
実際にZEBを実現する場合には、
- パッシブ技術によってエネルギーの需要を減らし、
- どうしても必要となる需要についてはアクティブ技術によってエネルギーを無駄なく使用し、
- そのエネルギーを創エネ技術によって賄うといったステップで検討することが重要です。
また、建物の運用段階では、どこにエネルギーの無駄が発生しているか、どのように効率的に設備を運用するかなど、エネルギーをマネジメントする技術(エネマネ技術)も重要です。このエネマネ技術によって継続的なエネルギー消費量の削減を図ることができます。
このような省エネ技術・創エネ技術・エネマネ技術を導入するためにはもちろん初期投資が必要になりますが、ZEBを実現するような建物に対しては、国による補助事業が実施されています。
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東京電力グループにおけるZEBへの取り組みと目標
東京電力グループでは2020年3月に弊社既存事務所である東尾久ビルにおいて設備機器を中心に改修し、2022年8月に「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」による「ZEB Ready」を取得しています。
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BELS(建築物省エネルギー性能表示制度):
『建築物の省エネ性能表示のガイドライン』に基づき住宅を含めた建築物の評価が可能なものとして、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が運営主体となり、第三者機関が建築物の省エネルギー性能の評価及び表示を公正かつ適確に実施することを目的とし運営される制度です。
実績一覧
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受注実績(コンサルティング)
2022年度 2023年度 大規模(2,000㎡以上) 1件 4件 中規模(300㎡以上2,000㎡未満) 0件 0件 小規模(300㎡未満) 0件 0件 -
受注実績(設計)
2022年度 2023年度 大規模(2,000㎡以上) 0件 0件 中規模(300㎡以上2,000㎡未満) 0件 0件 小規模(300㎡未満) 0件 0件 -
東尾久ビルZEB改修工事に伴うコンサルティング/東京電力ホールディングス
令和5年度 空気調和・衛生工学会 第12回特別賞リニューアル賞受賞ZEB Ready(BEI=0.50) 工事 改修 用途 事務所等 階数 地上9階 地下1階 延床面積 5,693㎡ 竣工年月 1980年2月 改修年月 2020年3月(築40年経過時) 設計一次エネルギー消費量 641MJ/㎡ 基準一次エネルギー消費量 1,304MJ/㎡ 本施設の導入技術 詳細はこちら(751KB)
ZEBプランナー認定
当社は2023年1月に(一社)環境共創イニシアチブが登録・公表を行うZEBプランナーに認定されました。
ZEBの早期普及は我が国のエネルギー需給の改善の切り札となる社会的便益が高い施策とされています。2021年10月に定められた「第6次エネルギー基本計画」においては「2030年度以降に新築される建築物についてZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」事が示されています。
環境共創イニシアチブは政府の委託を受け、更なるZEBの普及と実現を目指す事業者への支援を目的に、2022年度よりZEBプランナー制度を「ZEBプランナー(フェーズ2)」と名称に改め、登録事業者に高い目標を求めることとし公募をしました。当社はこれに申請し、これまでの実績から登録事業者に認定されました。
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ZEBプランナー:
「ZEBプランナー」は、「ZEB設計ガイドライン」や「ZEBや省エネ建築物を設計するための技術や設計知見」を活用して、一般に向けて広くZEB実現に向けた相談窓口を有し、業務支援(建築設計、設備設計、設計施工、省エネ設計、コンサルティング等)を行い、その活動を公表する事業者と定められています。(一社)環境共創イニシアチブがこれを登録、公表しています。ZEBプランナーは、ZEBの導入を検討しているオーナーに対して、ZEB実現に向けたプランニングを実施しています。なお、環境省および経済産業省が実施しているZEBの補助事業についてはZEBプランナーの関与が必須となっています。
目標
保有する自社建物の新築・改修時のZEBに取り組むと共に、お客様所有建物の設計及びコンサルティングに取り組みZEBの普及に貢献いたします。
2025年度ZEB活動目標 | 設計及びコンサルティングする建築物のうち50%以上のZEB認証取得 |
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