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家電王中村 剛監修

省エネにつながる!

エアコンの機器選び

エアコンを選ぶ際には、機器そのものの性能はもちろん、使う部屋の広さや断熱性にも着目しましょう。ここでは、特に重要な3つの着目点を紹介。製品を比較する際の参考にしてください。

着目点
1

広さや断熱性など
部屋の特徴に合う機器選びを

畳数のめやす 冷房11から17畳(18から28平方メートル)暖房11から14畳(18から23平方メートル)

最も大事なポイントの一つが、使う部屋の広さと断熱性能に適した性能のエアコンを選ぶこと。それを判断する際に参考になるのが「適用畳数(広さ)」です。エアコンは製品ごとに、使う部屋の広さや構造、向きなどの条件による適用畳数、つまり「適切な畳数の目安」がカタログに記載されています。

注意したいのは「畳数の目安」の捉え方。冷房「11〜17畳」と書いてあるからといって、この範囲におさまる全ての部屋に適用しているわけではありません。この場合、気密性・断熱性が低い木造平屋南向き(和室)の場合は11畳、逆にそれらが高い鉄筋アパート南向き(洋室)の場合は17畳が目安ということになります。

そのため、例えば冷房「11〜17畳」とカタログに書いてある場合、「木造・平屋の17畳の和室」で使うと能力が足りません。適用畳数をチェックする際は広さだけでなく、使う部屋の断熱性なども加味する必要があります。また、冷房よりも暖房のほうが適用畳数の範囲は狭いため、冷房運転時だけで選んでしまうと、冬の暖房運転時に部屋がなかなか暖まらなくなってしまうので注意しましょう。

着目点
2

チェックすべき数値は
「APF」と「能力値の幅」

APF 通年エネルギー消費効率 高いほど省エネ 能力の可変範囲 幅が広いほど高性能

エアコンの性能をチェックする際には、カタログに記載されている2つの数値に注目しましょう。一つ目が「APF」という数値。「通年エネルギー消費効率」のことで、この数値が大きいほどエネルギーの消費効率が良い、つまり省エネに優れた機器ということになります。冷暖房能力とランニングコストに大きく影響する数値ですので、しっかり比較しましょう。

二つ目は、「運転能力を表す数値(出力の可変範囲)」です。

冷房 畳数のめやす 11から17畳(18から28平方メートル)能力(kW)4.0(0.5から5.4)消費電力(W)750(120から1400) 暖房 畳数のめやす 11から14畳(18から23平方メートル)能力(kW)5.0(0.4から11.8)消費電力(W)910(110から4000)

例えば、上のように「暖房:能力(kW)5.0(0.4〜11.8)」と記載されている場合、( )内に記載されている0.4〜11.8という数値が「エアコンの能力の可変範囲」を指しています。簡単に言うと、下限の数字が小さいほど「きめこまかい暖房」を行うことができ、上限の数字が大きいほど「強力な暖房」を行うことができます。つまり、この数値の幅が大きいものほど性能が良いエアコンといえます。上記のAPFとあわせて、こちらもチェックしましょう。

CHECK!

今後、エアコンの性能は
グングン上がる!?

省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)では、家電などの種類ごとに「省エネ基準」を定めています。2022年、家庭用エアコンの省エネ性能の目標基準が15年ぶりに改正され、メーカーに対して「2027年度までに現在より最大で約3割高い省エネ性能」を達成することが義務付けられました(※1)。これにより、エアコンの省エネ性能は今後さらに向上していくことが期待されます。

着目点
3

最新エアコン搭載の
テクノロジーにも注目

人や空間をセンシングして運転

最新のエアコンには様々なテクノロジーが搭載されています。

例えば、天候や住宅性能により異なる部屋の環境変化に合わせて、エアコンが運転パワーをコントロールしてくれる「パーソナライズ機能」。これにより、快適さを保ちながら冷暖房のムダをカットしてくれます。

また、その場所にいる一人ひとりの温度変化や行動を読み取り、それぞれが過ごしやすいよう送風をコントロールする機能など、センサーとAIを駆使したエアコンの開発に各メーカーが注力しています。

他にも、エアコン内部に付着したホコリを自動で除去し、面倒なメンテナンスにかかる手間を大幅に軽くしてくれる「自動フィルター掃除機能」も今では多くのエアコンに搭載されています。

まずは「適用畳数」や「APFの数値」、「運転能力の数値の幅」を比較して選ぶのが基本ですが、その上で、こうした快適性と省エネ効果を高める付加機能にも注目してみてはいかがでしょうか。

CHECK!

エアコンの買い替え時は
「秋口」がオススメ!

エアコンは夏に販売のピークを迎えます。そのため、夏が終わり設置工事などの繁忙期が沈静化した秋口以降のタイミングで買い替えを検討するのがオススメ。秋口から年末にかけては翌年度の新製品も徐々に発表されていくため、選択肢の幅も広がります。

家電別の機器選びの
ポイントをチェックする

家電王
中村 剛 なかむら つよし

2002年に「TVチャンピオン」のスーパー家電通選手権で優勝。現在は家電王として動画「くらしのラボ」をFacebookとYouTubeで毎週配信中!