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家電王中村 剛監修

エコキュートの省エネ術

家庭内での一次エネルギー消費量が最も多い「給湯」。省エネ性能に優れたエコキュートを上手に活用し、おトクかつ快適に暮らしましょう。

省エネ術
1

ガス給湯器から変更すると
大きな省エネに

エコキュートの仕組み図

実践する時のポイント

  • ・ガス給湯器→エコキュートで、一次エネルギーの消費量を大幅カット

家庭で使うエネルギーのうち、最も消費量が大きいのが「給湯」です。2022年度の家庭の用途別エネルギー消費では、全体の27.2%を給湯が占めているため、ここを対策することで大きな省エネ効果を生み出すことができます(※1)。

その点、エコキュートは省エネ性能に優れたシステム。空気の熱でお湯を沸かすヒートポンプ式を採用しているため、貴重な資源を無駄に消費しません。従来のガス給湯器と比較すると、一次エネルギー消費量を約28%も削減することができます(※2)。つまり、導入するだけでおトクかつ、地球環境にやさしい製品といえるでしょう。

家庭における用途別エネルギー消費内訳の変化 1973年度 1世帯あたり30,267MJ 暖房31.0% 給湯35.0% 厨房11.7% 動力・照明他20.6% 冷房1.6% 2022年度 1世帯あたり29,547MJ 暖房25.3% 給湯27.2% 厨房9.7% 動力・照明他34.4% 冷房3.4%

CHECK!

深夜料金の安いプランとの
組み合わせが◎

一般的なエコキュートは夜間の電力でお湯を沸かしているため、夜間電力が安い電気料金プランと好相性。お使いの機器と電力会社のプランを照らし合わせ、最も電気料金が安くなるプランを選びましょう。

省エネ術
2

状況に応じて設定を変え
「お湯切れ」を予防

追い焚きの仕組み図

実践する時のポイント

  • ・基本的には「おまかせモード」に設定
  • ・お湯切れが頻繁に起こる場合は設定の見直しを

エコキュートには最も効率よく運用できる「おまかせモード」が搭載されています。その家で使うお湯の量を日々学習し、適切な湯量を必要な温度で自動的に沸き上げてくれるため無駄がありません。

とはいえ、お湯の使用量は気候やライフスタイルの変化によっても異なります。もし、頻繁にお湯切れを起こして「沸き増し」が必要になることが増えた場合、その設定が現在の生活とマッチしていない可能性も。そんな時は、少し多めに湯を沸かす設定に切り替えましょう。また、急激に冷え込むなどして湯量が増えそうな時期だけ設定を変えると、沸き増しによる無駄な電気料金をカットできます。

さらに、泊まりの来客時など事前にお湯をたくさん使うことがわかっている場合も、「満タン」モードに設定しておくと安心。逆に、その日はもうお湯を使わない場合は「自動沸き増し機能」を停止しておくなど、状況に応じて湯量をコントロールすることがエコキュートの省エネのポイントです。

ちなみに、満タンモードでもお湯切れが頻繁に起きる場合は、お湯の使用量とタンクの容量が合っていない可能性も。その場合は、買い替えも視野に入れましょう。

省エネ術
3

ヒートポンプ(室外機)近くに
なるべく物を置かない

NG!

実践する時のポイント

  • ・周囲に物を置くと、熱をつくる効率が落ちてしまう

エコキュートは空気の熱を取り込んでお湯をつくるため、ヒートポンプの周囲に物があると効率が落ちてしまいます。室外にあるヒートポンプユニットの周辺は、スッキリときれいに整理しておきましょう。

CHECK!

省エネにつながる、
入浴時の「ひと工夫」

入浴時以外は浴槽のフタをしめ、浴槽から熱が逃げるのを防ぎましょう。また、無駄なお湯を使わないために、浴槽の水位を「浸かった時にちょうどよくなる高さ」に設定したり、シャワーヘッドを節水タイプのものに変更したりするのもオススメ。最近では、水圧をキープしつつ、水の使用量を1/3に減らせるシャワーヘッドなどもあります。

家電王
中村 剛 なかむら つよし

2002年に「TVチャンピオン」のスーパー家電通選手権で優勝。現在は家電王として動画「くらしのラボ」をFacebookとYouTubeで毎週配信中!