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家電王中村 剛監修

食器洗い乾燥機の省エネ術

食器洗い乾燥機は「家事ラク」の代表格ともいえる家電。便利なことはもちろん、うまく使えば手洗いよりも水道光熱費を大きくカットすることができます。

省エネ術
1

食器は「まとめ洗い」で
ラクをしつつ省エネしよう

手洗い 食洗機 水道量も含めると食洗機のほうが省エネ

実践する時のポイント

  • ・食洗機のほうが手洗いよりも水道光熱費はおトク
  • ・ある程度の食器を溜めて「まとめ洗い」を

食器洗い乾燥機(以下、食洗機)は電気料金がかかるため、手洗いのほうが経済的と思われがちです。確かに、電気のことだけを考えればその通りですが、水道料金も含めた光熱費では食洗機を使ったほうがコストは下がります。

食洗機は決まった量のお湯を循環させて洗浄やすすぎを行うため、手洗いよりも節水することが可能。余計な洗剤も使わずに済み、トータルで考えると省エネかつ経済的といえます。

ちなみに、食洗機を使った場合と、手洗い(夏の冷房期間以外はお湯を使用)を比較すると、前者のほうが水道光熱費を年間約6470円も下げることができます(※1)。また、エコキュートと併用すると、より省エネ効果は高まります。エコキュートがあるお宅は、ぜひ食洗機の導入を検討してみてください。

ただし、だからといって1〜2枚のお皿を洗う時でも食洗機を毎回使っていると、消費電力量が増大してしまいます。使ったお皿が少ない場合は、ひとまず水につけておくなどして、ある程度の食器が溜まってから「まとめ洗い」をするといいでしょう。

CHECK!

食洗機には専用洗剤が必要

食洗機には「専用洗剤」が必要です。この理由は、水をポンプで循環させて洗うため、泡立たせず、酵素力でたんぱく質などの食べ残しを分解することが必要だからです。手洗い用の食器用洗剤を使うと故障の原因になります。これを面倒に感じる人も多いと思いますが、今はドラッグストア等でも販売されていますし、手軽に手に入れることができます。

省エネ術
2

「乾燥機能」を使わなくても
余熱だけですぐに乾く

洗浄後はフタを開けて自然乾燥を 乾燥機能はコスト高

実践する時のポイント

  • ・基本的に乾燥機能は使わず、洗浄後はフタを開けて自然乾燥
  • ・凸凹がある食器は、洗浄後に軽くお湯を落とす

食洗機で最も多くの電力を消費するのは、じつは「乾燥機能」です。そのため、基本的に乾燥機能は使わず、洗浄後は自然乾燥させることで電気料金を大きくカットできます。

そもそも、食洗機は高温のお湯で洗浄とすすぎを行うため、洗浄終了後にフタを開けておくだけで、余熱により短時間で食器が乾くようになっています。なお、お茶碗など凹凸がある食器の場合は、洗浄後に少し揺すっておきましょう。凹みに溜まったお湯が落ち、乾きやすくなります。

ちなみに、洗浄には約60℃、すすぎには約80℃のお湯を使うため、汚れを落とすだけでなく除菌もできます。食器を清潔な状態に保つことができ、安心して食事を楽しめるのもポイントです。

省エネな選び方って?

食器洗い乾燥機選びの
ポイントをチェック!

食洗機は家事の時間と手間を大幅に軽減してくれる家電ですが、じつは日本ではあまり普及していません。内閣府の消費動向調査によれば、2024年3月末時点での普及率は37.3%(二人以上の世帯)(※2)。欧米に比べると、かなり低い数字です。

その理由として「食洗機では十分に汚れが落ちない」「結局、下洗いが必要」「たくさんの水を使う」といったマイナスイメージが挙げられますが、今の食洗機は大きく性能が向上し、ご飯粒やソースがこびりついた食器、油でギトギトのお皿も下洗いなしできれいにしてくれます。購入をご検討の場合は、ぜひ「機器選びのポイント」もチェックしてみましょう。

「食器洗い乾燥機選びのポイント」
をチェックする
家電王
中村 剛 なかむら つよし

2002年に「TVチャンピオン」のスーパー家電通選手権で優勝。現在は家電王として動画「くらしのラボ」をFacebookとYouTubeで毎週配信中!