画像・映像解析AI、異音検知AIで変電設備の異常診断を開始
~巡視時間を50%以上削減、約1300箇所の変電所へ導入~
2018年12月17日
東京電力パワーグリッド株式会社
株式会社NTTデータ
東京電力パワーグリッド株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子 禎則、以下:東京電力PG)と株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:本間 洋、以下:NTTデータ)は、画像・映像解析AI、異音検知AIによる変電設備異常診断ソリューションを導入します。
変電設備データを学習させたNTTデータの画像・映像解析AIにより、油入変圧器の漏油検知、外柵等の建物異常検知、アナログメーターの自動読み取りを行います。合わせて、異音検知AIを活用し、機器稼動音を学習することで、ベアリング等の損傷や劣化を判別・検知します。
両社は、2019年度より、本ソリューションを東京電力PG管轄内の約1300箇所の配電用変電所へ導入して、巡視時間の50%以上削減を目指します。
【背景】
昨今、経年設備の増加および労働人口減少が社会課題となっており、東京電力PGでも、約1300箇所の配電用変電所の設備保全効率化が課題となっていました。
NTTデータでは、さまざまな設備を保有・運営する業界に向け、保全計画から保守までの業務プロセスを統合した「デジタルメンテナンスソリューション」(※1)を展開しています。両社は2017年度に地下変電所、屋外変電所にて変電設備の異常診断実証試験を行い、巡視時間を50%以上削減できることを確認し、このたび導入を進めることとしました。
【変電設備異常診断ソリューションについて】
変電設備異常診断ソリューションは、変電所の油入変圧器、冷却ファンなどの電力設備を対象に、油入変圧器の漏油検知、外柵等の建物異常検知、アナログメーターの自動読み取り、冷却ファン等の異常音検知を行います。画像・映像解析AIは、Automagi株式会社のAIソリューション「AMY INSIGHT」(※2)をベースにNTTデータが開発を行っています。異音検知AIは、NTTデータの異音検知ソリューション「Monone®」(※3)を活用しています。
画像・映像解析AIの特長は、ディープラーニング(深層学習)技術と映像解析手法を組み合わせた診断を実現可能にしている点です。異音検知AIは、NTTグループの技術を活用し、異常音の事前学習なしに正常音の学習のみで異常音検知ができることが特長です。
【今後について】
今回の共同開発を通じて、東京電力PGは、電力設備の保全技術高度化と効率化を図り、託送料金低減を実現するとともに電力の安定供給に努めます。また、NTTデータは、本ソリューションの開発をはじめ、さまざまな分析モデルやロボティクス点検・作業などの技術を統合するとともに、多種多様なデータを活用するデジタルメンテナンスIoTプラットフォームアーキテクチャ(※4)を整備し、設備保全業務で同様の課題を抱える他電力会社やガス会社、鉄道会社等のインフラ業界へのサービス展開を目指します。
(※1)「デジタルメンテナンスソリューション」とはNTTデータが推進する保全業務向けソリューションです。
https://digital.nttdata.com/iot/solution/digital-maintenance.html
(※2)「AMY INSIGHT」とはAutomagiの深層学習(Deep Learning)技術を基盤とした画像・映像診断AIソリューションです。異常検知モニタリング、被写体判別、破損診断など、人間の視覚判断を自動化する技術を複数提供中です。
https://www.amy-ai.com/insight
(※3)「Monone®」とはNTTグループのAI「corevo®」構成技術の一つである異常音検出技術を活用し、稼動音を可視化・解析することで、予兆検知による保全業務品質向上/コスト最適化と稼動率向上を実現するNTTデータの製品です。
https://digital.nttdata.com/iot/solution/monone.html
(※4)「デジタルメンテナンスIoTプラットフォームアーキテクチャ」とは保全業務プロセスで必要となる各種企業内情報や、オープンデータ、フィールドでの各種センシングデータを統合的に蓄積・活用するためのアーキテクチャモデルです。
*「Monone®」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
*「corevo®」(http://www.ntt.co.jp/corevo/)は日本電信電話株式会社の商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
以 上