米国における電力系統向け蓄電池ソリューション事業への参画について
~国内の電力会社として初、先進的な調整力市場を有する米国PJMに参画~
2017年12月8日
東京電力ホールディングス株式会社
東京電力パワーグリッド株式会社
東京電力ホールディングス株式会社(以下、「東電HD」)は、本日、PJM※1管内の米国オハイオ州に展開する蓄電池プロジェクトへ出資し、持ち分50%を取得しました。
本プロジェクトは、Renewable Energy Systems Americas社(最高経営責任者:グラハム・リード氏、本社:米国コロラド州、以下「RESアメリカ社」)が、蓄電池(中国BYD社製)を活用したソリューション事業としてPJM管内の電力系統運用者向けに調整力※2を提供しているものです。
今回の出資により、東電HDは、海外の電力市場における蓄電池を活用した調整力提供事業に日本の電力会社として初めて参画します。
RESアメリカ社は、世界有数の再生可能エネルギーの開発・建設業者、蓄電池プレーヤーである英国RES社の米国子会社であり、北米(米国・カナダ)で風力・太陽光の開発・建設事業および蓄電池ソリューション事業を展開しています。蓄電池の活用にあたり、同社は、実績のある自社開発の制御ソフトウェアにより、蓄電池の充放電を遠隔で制御・監視することで系統の安定化に寄与しています。
東電HDは、今回の参画により、PJMが運用する調整力市場において、系統運用事業者でもあるPJMから周波数調整シグナルを受け、蓄電池の充放電による周波数調整サービスを日々提供し、対価を受け取るという一連の運営に携わります。
日本国内では、2016年より一般送配電事業者による調整力の公募を開始しており、2020年を目途に、調整力の調達や取引を行う市場の創設が検討されています。調整力市場の整備に伴い、国内においても蓄電池の充放電により電力系統へ調整力を提供するソリューション事業の発展が期待されます。
東電HDは、この事業参画を通し、東京電力パワーグリッド株式会社と協働し、先進的な調整力市場における調達や事業のノウハウを獲得して国内の来たるべき市場創設に備えます。さらに、海外の他地域においても新たなビジネス機会の創出・拡大に挑戦してまいります。
以 上
※1 PJM:米国東海岸の電力市場運営者および独立系統運用機関で、制御エリアは、ペンシルバニア、ニュージャージー、メリーランド、デラウェア、バージニア、オハイオ、ウエストバージニアなど各州と、ワシントンD.C.にわたる。正式名称を、PJM Interconnection, L.L.C. という。
※2 調整力:電力の需給調整、周波数調整等に用いる電力
参考
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