宅内IoT機器を活用した電気火災の予兆検知に関する研究の開始について
2023年6月7日
習志野市
東京電力パワーグリッド株式会社
国立大学法人静岡大学
国立大学法人長岡技術科学大学
千葉県習志野市(以下、習志野市)、東京電力パワーグリッド株式会社(以下、東電PG)、国立大学法人静岡大学(以下、静岡大学)、国立大学法人長岡技術科学大学(以下、長岡技科大学)は、本日、「宅内IoT機器を活用した電気火災予兆検知の研究に関する協定」(以下、本研究)を締結いたしました。
本研究は、総務省消防庁の「令和5年度消防防災科学技術研究推進制度」※1に東電PGが研究代表機関として応募し採択を受けたものであり、電気火災の一因とされる「トラッキング現象」※2を対象とした電気火災予兆検知技術の実用化が目的です。2023年6月~2025年3月の2年間、習志野市をフィールドとして長期継続的なデータ収集を行い、電力データの活用による宅内電気火災予兆検知技術の実現に向け取組みます。
習志野市は、本件研究のフィールド提供と東電PGが実施するモニター募集や住民説明会の支援を行います。また、電気火災の予防について、消防目線からの助言を実施します。
東電PGは、習志野市内で50軒を目標にモニターを募集し、モニター宅の分電盤に電力センサー機能を有する「宅内IoT機器」※3を設置、トラッキング予兆として発生する細かい放電現象などの電流波形データを取得・分析をします。なお、トラッキングの予兆を検知した際は、技術員を派遣し、原因を特定・取り除くことで、電気火災の未然防止について検証します。
静岡大学は、東電PGが収集したデータなどから、トラッキング現象の理論構築に関する助言を行います。
長岡技科大学は、静岡大学が構築した理論に基づき、トラッキング現象の検出方法および取得した波形データを伝送する際の効率化に関する助言を行います。
習志野市ならびに東電PG、静岡大学、長岡技科大学の4者は、本研究を通じ、宅内IoT機器を活用した電気火災予兆検知技術を実用化し、電気火災予兆検知技術による減災の実現を目指してまいります。
- ※1 消防防災分野の研究開発における競争的資金制度で、消防庁の重点研究開発目標の達成や重要施策の推進のため、消防研究センターにおける直接研究や消防庁の調査検討事業に資する研究開発課題を委託するもの
- ※2 電気コンセントのプラグ間にホコリが溜まり、空気中の湿気を吸収することで、漏電し発火する現象
- ※3 分電盤から高精細な電流情報を取得するとともに、LTE通信網を通じサーバーに向けて、取得した情報を伝送する機能を有する機器
以 上