新潟本社

能登半島地震による柏崎刈羽原子力発電所の影響について

「令和6年能登半島地震」により亡くなられた方に、心から哀悼の意を表します。
また、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
このたびの地震による柏崎刈羽原子力発電所の状況についてお知らせいたします。
また、柏崎刈羽原子力発電所が実施している地震への対策についてもご説明いたします。

【能登半島地震を受けた柏崎刈羽原子力発電所の状況について】

「令和6年能登半島地震」により最大震度5強(柏崎市、刈羽村)を記録しましたが、設備の異常や液状化等の被害、外部への放射能の影響は確認されていません。今回の地震で新たな知見が得られれば、当発電所の対策にしっかりと反映してまいります。

2,3,4,6,7号機において、使用済燃料プールの水の溢れを確認しましたが、2007年に発生した中越沖地震の教訓を踏まえ、使用済燃料プールがある原子炉建屋オペレーティングフロアの貫通部等の止水処理を実施しており、オペレーティングフロア(管理区域)外への漏えいはありませんでした。また、使用済燃料プールおよび燃料に影響はありませんでした。

その他、詳しい状況についてはこちら

【柏崎刈羽原子力発電所の地震対策について】

2007年の中越沖地震が、それまで設計の前提としていた地震動を大きく超える地震であったことから、あらためて、発電所周辺の海域や陸域の地質・断層に関する丁寧な調査をもとに、将来にわたって備えるべき基準地震動を定め、それに対して、各号機の重要な設備の耐震安全性評価を実施しました。
この評価に基づき、排気筒や変圧器基礎などの屋外設備の強化、原子炉建屋屋根や屋内の配管の補強など必要な耐震強化工事を実施しています。
また、福島第一原子力発電所の事故の教訓や海外の知見などを踏まえ、2013年に国が定めた新しい基準に適合するよう、耐震評価・工事を行っています。

対策の詳細はこちら

【柏崎刈羽原子力発電所の津波対策、電源の多重化について】

福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、発電所の到達が想定される最も規模の大きい津波高さ約7~8mに対して、海抜約15mの防潮堤を設置するとともに、非常用ディーゼル発電機がある建屋の入り口を水密扉にするなど浸水防止対策を行っています。

対策の詳細はこちら

また、万が一、非常用ディーゼル発電機が使えない際の対策として、発電所高台に、速やかに電源供給が可能な空冷式ガスタービン発電機車や機動性のある多数の電源車を配備するなど電源の多重化・多様化をはかっています。

対策の詳細はこちら

【ご質問にお答えします】

A 中越沖地震の震源断層である海域の「F-B断層による地震(マグニチュード7.0)」や陸域の「長岡平野西縁断層帯による地震(マグニチュード8.1)」を想定しています。(能登半島地震のマグニチュードは7.6)
耐震設計の詳細はこちら

A 柏崎刈羽原子力発電所に襲来する津波の高さは、最大でも約7~8mを想定していますが、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、その倍の高さである15mの防潮堤を設置しています。
また、それでも建屋内に水が入った場合に備えて、建屋内には水密扉などの止水対策を施しています。
対策の詳細はこちら

A 万が一、外部電源が使用できない場合は、各号機に3台ある非常用ディーゼル発電機を使用して、使用済燃料プール等の冷却設備を動かすことができます。また、各号機に電気を融通できるようにもしています。
さらに、非常用ディーゼル発電機が使用できない場合に備えて、発電所高台に速やかに電源供給が可能な空冷式ガスタービン発電機車や機動性のある多数の電源車を配備しています。
対策の詳細はこちら

A 中越沖地震の際に、3号機の所内変圧器とタービン建屋をつなぐケーブル部の基礎が沈下したことにより変圧器から絶縁油が漏れ、変圧器とケーブルの接続部分で発生したショートにより火災が発生しました。
この対策として、変圧器の基礎と同様に、ケーブル部の基礎も岩盤まで杭を入れるとともに、基礎盤を変圧器と一体化しました。また、変圧器基礎固定部の強化等の耐震対策もおこなっています。加えて防油堤を補修するとともに防油シートを敷設するなど油漏れ対策も実施しています。
油漏れ対策の詳細はこちら

A 中越沖地震後の対策、また新規制基準対応の安全対策として、構内各所で地盤改良などの液状化対策工事を実施してきました。
今回の地震において、発電所ではこれまでの点検の結果、構内で液状化被害(道路の段差・亀裂、構造物への影響等)は確認されておりません。

A柏崎刈羽原子力発電所周辺では詳細な地質調査により、敷地内および敷地近傍(半径5km程度)には活断層はないと評価しています。このため、発電所において能登半島地震のような地盤の隆起が生じる可能性は極めて低いと考えます。
なお、基礎地盤の安定性評価および津波の評価においては、敷地周辺に分布する断層による隆起・沈降を考慮した上で耐震設計や津波時の取水性について問題がないことを確認しており、原子力規制庁の審査においてご確認いただいております。

A柏崎刈羽原子力発電所では、水や食料などの物資が無補給の場合でも、最低7日間、発電所の運営ができる体制を整えています。

Aひび割れについては、建屋等にひび割れがあったものではなく、表面を綺麗に仕上げるための化粧モルタルが剥がれたものであり、耐震性や機能に影響が無いことを確認しています。
また、地下水の滲みだしについては、雨や雪が多い時期には、経年劣化による極めて細かなひび等から滲みだすことがあり、都度、補修を行っております。
地震後のパトロールは、通常より範囲を拡げ実施するため、このような軽微な不適合をいくつか確認しておりますが、発電所運営に影響を与えるような設備の損傷やトラブルは確認されておりません。

以 上

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