新潟本社

地震対策

柏崎刈羽原子力発電所は、新潟県中越沖地震が設計の前提とした地震動を大きく超える地震であったことから、あらためて、徹底的な地質調査と地震に関する最新の知見をもとに、将来にわたって備えるべき大地震(基準地震動)を定め、各プラント上の安全上重要な設備ごとに基準地震動に対して安全が保たれるかについて評価(耐震安全性評価)し、必要な耐震強化工事を実施しています。
また、福島第一原子力発電所の事故の教訓や海外の知見などを踏まえ、2013年に国が定めた新しい規制基準に適合するよう、屋外設備・配管などの耐震評価・工事を進めています。

耐震設計(壊れないようにする)

原子力発電所の耐震設計は、安全上重要な施設の機能が失われず、地震の影響により周辺環境に著しい放射線被ばくのリスクを与えない耐震設計が求められています。

地震動の想定(想定外をなくす)

原子力発電所の耐震設計で発電所の敷地に想定する地震動(地震の揺れ)は、基準地震動Ssとして定義されます。基準地震動Ssは、プレート境界で発生する地震や内陸の活断層により発生する地震など、あらかじめ敷地周辺で具体的に想定される地震動(敷地ごとに震源を特定して策定する地震動)を評価したうえで、敷地近傍において特定の震源によらず念のために想定するものとして、震源と活断層を関連付けることが困難な過去の地震について得られた観測記録などをもとに想定される地震動(震源を特定せずに策定する地震動)をあわせて評価して策定されます。

耐震強化工事

配管サポートなどの追加・強化

建屋内の配管・電線管などのサポート(支え)を1プラントあたり1400~3000箇所で追加や強化をしました。

原子炉建屋の屋根トラスの強化

建屋の屋根を支えるトラス(鉄骨構造)に、補強用の鋼材を追加するなどの強化を行いました。

排気筒の強化

建屋内の換気などを行う排気筒について、周囲の柱を追加したり、振動減衰用ダンパーを取り付けました。

原子炉建屋・天井クレーンの強化

原子炉のふた開け作業などに用いる天井クレーン本体が脱落しないよう、走行レール支持部に補強材を取り付けるとともに、脱線防止金具の大型化を行いました。

開閉所設備の耐震強化

外部からの電源を受電する設備を強化しています。引留鉄構などの耐震強化を実施しています。

燃料取替機

天井クレーンと同様に燃料を取り替える際に用いる設備についても補強材を追加し、脱線防止金具の大型化や追加設置などを行いました。