福島第一原子力発電所の事故の教訓や海外の知見などを踏まえ、2013年に国が定めた新しい規制基準では、それぞれの発電所ごとに想定される津波のうち、最も規模の大きいものが「基準津波」として策定されていますが、基準津波の大きさや敷地の高さを考慮して、津波の影響が想定される安全上重要な機器の機能が確保されるように敷地の高さに応じて防潮堤や防潮壁などを設置したり、建屋の入り口を水密扉に取り換えるなどの浸水防止対策を行っています。
津波による浸水防止対策
津波による浸水防止対策として、海抜約15mの防潮堤などを設置しました。
発電所で想定している津波の高さは、平成25年7月に施行された新しい規制基準に示された考え方や趣旨を踏まえ、これまでの3.3mから発電所取水口前面で最高6.8m※(遡上は最高7.6m※)に見直しました。
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基準津波による評価値
想定を超える津波への対策
1~4号機側 防潮堤
発電所では、津波などによる敷地内への浸水や、建物への衝撃を防ぐため、海抜約15mの防潮堤を設置しています。
1~4号機側は、海抜5mの敷地に、深さ約20~50mの杭を打ち込んで基礎を作り、その上に高さ約10m(敷地の高さと合わせて海抜15m)の鉄筋コンクリート製の約1.5kmの堤防を設置しています。
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現在、地下深くの液状化対策について検討を進めています。
5~7号機側 防潮堤
発電所では、津波などによる敷地内への浸水や、建物への衝撃を防ぐため、海抜約15mの防潮堤を設置しています。
5~7号機は、海抜12mの敷地にセメントを混ぜて強度を増した土で高さ約3m(敷地の高さと合わせて海抜15m)の盛土による約1kmの堤防を築いています。
津波が防潮堤を超えた時の対策
防潮壁・防潮板
海抜5mの敷地に設置されている1~4号機側では、空気取り入れ口などから建屋内への浸水や津波による衝撃を防ぐため、原子炉建屋の周囲に海抜15mの高さの防潮壁や防潮板を設置しています。
重要な機器がある部屋への浸水防止対策
水密扉
発電所では、防潮堤や防潮壁など建屋の外で浸水を防ぐための対策を講じていますが、それでも原子炉建屋内が浸水した場合に備え、水密扉を設置しています。
水密扉は、緊急時に炉心を冷却する装置や非常用電源などが設置されている重要エリアへの浸水を防ぎます。
配管貫通部の止水処理
重要な機器がある建物内への浸水を防ぐため、配管やケーブルなどが壁を貫通している部分(配管貫通部)をシリコンゴム材で止水処理をしています。