重大事故を想定した対策
原子炉の炉心を損傷するような重大な事故に至った場合を想定し、原子炉格納容器の破損防止や放射性物質の環境への拡散抑制など対策を講じます。
原子炉建屋水素処理設備
水素を電気を使わずに触媒により処理し、水素濃度を低減する装置です。
格納容器頂部水張設備
炉心損傷などの重大な事故が発生した場合に、格納容器頂部外側に注水を行い、格納容器の頂部接合部の過熱・破損を防止することで、格納容器頂部からの水素などの漏えいを防止します。
<格納容器頂部水張り設備系統イメージ図>
新除熱システム(代替循環冷却系)
新除熱システムとは、格納容器内の圧力上昇および温度上昇を抑制し、格納容器ベント(排気)にできるだけ至らないようにするシステムです。原子炉などの冷却に用いられる残留熱除去系が使えなくなった場合を想定して、代替熱交換器車などの複数の設備を組み合わせて使用します。
新除熱システム(代替循環冷却系)系統イメージ図
フィルタベント設備
フィルタベント設備とは、燃料が損傷する重大事故が発生した場合に格納容器の圧力や温度を下げて加圧破損を防止し、大気中への放射性物質の放出を極力抑えるための緊急の排気設備です。原子炉格納容器ベントの際には、粒子状放射性物質の99.9%以上をフィルタ等で除去し、気体状の放射性よう素も98%以上を除去します。
フィルタベント設備
大容量放水車による放射性物質の拡散防止
原子炉または使用済燃料プール内の燃料が損傷し、原子炉建屋から放射性物質が放出するおそれがある場合、それを抑制する必要があります。大容量放水設備により、原子炉建屋上部に毎分2万リットルの放水を行い、放射性物質を敷地内に落とすことで放射性物質の敷地外への拡散を抑制します。
緊急時対応訓練
緊急時に対応する訓練をさまざまな条件で繰り返し実施しています。訓練では、一部で「ブラインド型訓練」(シナリオの詳細を事前に参加者に明かさずに行う訓練)を実施し、応用力や判断力を養っています。