【掲載年月日:2020年8月27日】
「完熟桃」が出荷できない!?
桃農家の悩みを解決した、
通年食せる冷凍桃の誕生秘話
8月19日に取材
果皮が傷つきやすい繊細な桃は、出荷基準がとても厳しいのをご存知ですか? 輸送に耐えられないほど柔らかく完熟してしまった桃は、規格外となり出荷ができないのです。樹成り完熟した桃は、甘さが濃厚で絶品なのに販売できず、農家さんは泣く泣く諦めていました。その状況を知った冷凍桃考案者の「ももがある」代表取締役・齋藤由芙子さんは、行き場を失った美味しい桃に救いの手を差し伸べました。福島の農家さんが愛情込めて栽培した桃を、価値ある逸品に大変身させた、冷凍桃『ももふる』の秘密に一緒に迫りましょう!
完熟した桃の味を知ってほしい
こんにちは。こちらは冷凍桃『ももふる』が購入できる「ももがある」直営店ですね。ピンクで可愛いお店ですね。
ありがとうございます。ここは工場も隣接しているんですよ。
工場をのぞいたら、女性の姿をたくさん見ました。会社名の「ももがある」のようにガール(女性)が活躍しているんですね。
はい。「桃“ガール”」と「福島に桃“がある”」をかけているんですよ(笑)。
なるほど(笑)。ところで、どうして冷凍桃を作ろうと思ったんですか?
東日本大震災がきっかけで、改めて故郷の福島県の良さを知ることになり、やっぱり福島の桃が素晴らしいなと。桃は小さいころから気軽に食べていて、慣れ親しんでいたので美味しさも分かっていましたから。
本当に福島の桃は美味しいですよね!
それで桃農家さんに伺う機会があって、そのとき真っ赤に色づいた美味しそうな桃が、無造作に積んであったんです。話を聞くと、完熟してしまうと柔らかくなって出荷基準に満たないため、近所に配るか、安価でジュースにするしかないんだと聞いて。
え!完熟したら甘くて美味しいのに、出荷できないなんて!
本当にもったいないですよね。出荷できないなら美味しく加工できないか思い、とりあえず試作品を作るために市内の加工場を探しまわりました。
『ももふる』は偶然から生まれた奇跡
そこで試作品を作ったんですね。始めから冷凍桃と決めていたんですか?
実はこれが偶然の産物でした。試作品がなかなかうまくいかず、とりあえず桃を保存するために、加工場に設置されていた瞬間冷凍庫に入れたんです。次の日にそのまま食べてみたら、生の桃の良さが維持されていてとっても美味しくて。これだと思いました。
偶然発見したなんて、運命を感じちゃいますね。
その後、工場を引き取り本格的にスタートしました。始めはたくさん失敗しましたが、桃の生産者さんとたくさんコミュニケーションをとることで、福島の桃のことを深く知ることができ、今の商品に仕上がりました。
品種によって美味しさが違う
品種は何を使っているんですか?
基本は「あかつき」「まどか」「黄金桃」「川中島白桃」「ゆうぞら」「黄貴妃」「さくら白桃」の7種です。直営店では数に限りのある希少な品種も、タイミングが合えば買うことができるんですよ。
左から「あかつき」「まどか」「黄貴妃(おうきひ)」
では頂きます!「あかつき」は鉄板の美味しさですね。「まどか」は優しい味わい。「黄貴妃」はマンゴーみたいな風味で濃厚。味もギュッと凝縮されているみたいです。夏場には最高ですね。
品種によって味が違うのが、はっきり分かるでしょ。
本当ですね。収穫時期が違う品種でも、同時に食べ比べができるのは魅力ですよね。生果の桃の魅力はもちろんですが、加工することで通年楽しめるのは嬉しいですね。
そうなんです。生果の桃は限られた時期に楽しんで、それ以外はぜひ、『ももふる』で福島の桃を味わってもらいたいですね。
店舗情報
ももがある
〒960-8156 福島県福島市田沢字木曽内前6-8
電話番号:024-547-3888
営業時間:10:00~17:00(平日)
ホームページ:
https://momogaaru.co.jp/