外気取入量の最適化による空調負荷・動力の低減
1.なぜ節電になるの?
夏期の外気温度は室内設定温度(クールビズで28℃)よりも高く、湿度も多い、いわゆる高温多湿の状態になっています。多くの施設では、冷房とともに室内の空気環境を維持するために、新鮮な外気を取り込み、換気も同時におこなっています。室内を冷房により快適に保つためには、室内換気用に取り込んだ外気も、エアコンや空調機などで冷やす必要があります。
したがって、「外気取入量を削減」することは、エアコンの運転頻度を軽減することにつながり、節電となります。
2.どうやってやるの?
設置されている換気設備によってはリモコンが設置してある場合があります。リモコンで風量を調整(弱-中-強など)できる場合は、設定を見直すことで簡単に外気取入量を削減できます。
セントラル方式の空調設備では、ダンパと呼ばれる風量調整装置の調整によって、外気取入量を削減することができます。
※セントラル空調方式:主に大型建物で採用される方式で、熱源設備、ポンプ、空調機などで構成されます。
3.注意することは?
外気を取り入れる主な理由は、室内の空気環境を維持する事です。「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法と呼ばれる)」では、室内の空気質基準としてCO2濃度を規定しており、その値は1000ppm以下です。外気取入量を削減する場合には、この基準を超えないよう、取入量を絞りすぎないようにすることが大切です。
一般的な建物では外気取入れを行うと当時に、建物内の空気を外に排出(排気)しています。外気取入量と排気量のバランスが著しく崩れると、隙間風の流入や扉の開閉の支障などの不具合が発生する可能性があります。これらが建物運用の支障となる場合には、外気取入削減量の見直しや、排気量の調整が必要となります。