第8回 柏崎刈羽原子力発電所 核物質防護事案に係る改善措置評価委員会
1.日 時 2026年9月14日(月)9:00~11:35
2.場 所 柏崎刈羽原子力発電所 ビジターズハウス第二会議室
3.出席者
○柏崎刈羽原子力発電所 核物質防護事案に係る改善措置評価委員会
委員長 伊丹 俊彦
副委員長 大場 恭子
委員 新野 良子
委員 伊藤 聡子
委員 開沼 博
○東京電力ホールディングス株式会社
代表執行役社長 小早川 智明
原子力・立地本部長 福田 俊彦
柏崎刈羽原子力発電所長 稲垣 武之
柏崎刈羽原子力発電所セキュリティ管理部長 松坂 健二
原子力運営管理部長 菊川 浩
核物質防護モニタリング室長 大槻 雅久
4.議事概要
- (1)伊丹委員長、小早川社長の挨拶
- (2)第7回委員会以降の主な取組み状況と評価について
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- 〇大槻室長および稲垣所長より、配布資料に基づき説明
- (3)東電の取組みについての評価と提言
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「秘密情報の不適切な取扱い」及び「出入管理システムの一部機能喪失」について
- ○ 問題点を率直に提起し、組織全体で議論できる雰囲気や文化を醸成していく必要がある。そうした文化がなければ、問題を自部門だけで抱え込み、他部署や関係者と連携するといった、組織的な対応につなげることは難しい。
- ○ 責任者が「できない」と率直に言い出せなかったことは非常に大きな問題。社内においても、より早い段階で改善の必要性を検討し、改善に向けた議論を行う機会や場が設けられるべきだった。「何かあれば話してください」「そういう仕組みがあります」と繰り返し伝えていても、結局は話されないまま終わってしまうことがある。問題があるにもかかわらず問題として認識されていないものを、どのように問題化・把握し、みんなで改善できるようにするのかという点に、より力を入れていく必要がある。
- ○ 状況としては理解できる部分もあるが、認識のとおり、教育で得た知識が実際の行動と結びついていなかったことが原因。知識の習得だけでなく、適切な行動につながる教育のあり方を改めて検討してほしい。
- ○ 頭で理解していても、「これくらいなら大丈夫だろう」というゆるみがあったのではないか。暫定期間だったという考えだけでは不十分であり、トップ層含め、いかなる状況でもセキュリティを万全な状態に維持するという危機意識を持つ必要がある。
- ○ 改善に向けて担当者が努力しても、担当者だけが消耗し、結果として負担を抱え込んでしまう状況が繰り返されているのではないか。
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視点①発電所で働く人・組織の自律性
- ○ 自立とは、自己判断、自己管理、自己責任ができていること。現状、管理は比較的強い一方、自己責任が弱いのではないか。そもそも、自分の責任範囲だと認識していない、又は言い出す必要はない、あきらめているといった場合はないか。他部署との連携や横断的な対応をするために必要な対策を考えなくてはいけない。自部署では解決できない課題、未解決課題をどう解決するか考え・行動する人材をどう育てていくのかが、自立性という観点から見ても非常に重要。
- ○ 「言い出せない」組織では、内部脅威者への対処も困難である。普段から、おかしいと言い出せる組織、環境づくりが重要。お互いに関心を持ち、お互いに良い意味でおせっかいを焼ける組織は、より良くなっていく。最初に声を上げ、行動を起こすことは勇気が必要だが、その一歩が組織を変えることにつながる。そのような意識で取り組んでほしい。
- ○ 協力企業よりも自社社員の方がゆるみが生じやすい。これは、非常に根が深い問題であり、組織文化や人材マネジメントにも関わる課題である。ワンボイスの考え方自体は重要だが、「言われたことだけをやればよい」と受け止められる危険性もある。自分事として考え、上司から言われたことの先まで考えられる人材を育成していくことが重要で、そのための具体的な対策を講じることが求められる。 課題を率直に議論できる環境づくりは進んでおり、その点は評価できる。一方、セキュリティ問題への対応には、心理的安全性だけでなく、自分の意見が組織に反映されていると実感できる環境が重要であり、それが責任感の醸成にもつながる。組織そのものを良くしていくことが重要である。
- ○ 言い出せない雰囲気の改善に取り組んできていると感じるが、言い出せない雰囲気があるのか。仮にそうであるとすれば、言い出せない雰囲気を作り出さないためには、言い出せる仕組化と意識化をすることが必要。内部脅威者については、事例だけでなく本質的な理解も重要である。現場が脅威を具体的に想像し、自ら考えられるような仕組みや教育を進めてほしい。
- ○ 発電所全体を見るにあたっては、常に組織全体を俯瞰してみて頂きたい。組織には、意欲を持ちながらも役割を担えない、あるいは取組から取り残されたと感じる人もおり、それが思わぬ問題につながる可能性がある。改善を進める際には、そうしたリスクにも配慮してほしい。NHKなどの取組み状況の紹介や人材育成の必要性等、全体的によく整理されてきており取り組むべき事項が書かれてきていると感じる。また、東電から、本社はこれまで行ってきた支援・サポートの役割だけでなく、原子力本部としての役割をさらに主体的に取り組んでいきたいという話があったことについて評価している。
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視点②セーフティとセキュリティの持続的な均衡
- ○ これまで繁忙により十分に実施できていなかった課題を認識し、その改善に向けた人材育成や後継者育成の取組を始めていくことについて、資料の中で明確に示されたことは高く評価できる。トップリーダーだけを対象とした育成ではなく、多様な人材を対象とした育成があるはず。漏れなく取り組んでいただきたい。
- ○ 改善活動を進める上で重要なことは、後戻りしないこと。既存の取組みに加え、さらに一歩踏み込んだ工夫も必要ではないか。過去の失敗事例を分かりやすいストーリーや漫画形式にするなど、誰もが具体的にイメージできる形で伝えることが重要。
- ○ 安全やセキュリティは「良い状態が当たり前」であるため評価されにくい。そのため、脆弱性を発見し自ら改善した活動そのものを評価・アピールするなど、評価されにくい業務に携わる人たちのモチベーション向上につなげる取り組みの検討も必要ではないか。
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視点③“知りたいこと”“伝えたいこと”が伝わるコミュニケーション
- ○ なにを発信するかということに、貪欲になった方が良い。社会に対して何を伝えたいのか、広報とともに考えてほしい。
- ○ 言葉の整理が課題。専門的な情報が多く、内容が十分に伝わりにくい部分がある。
- ○ コミュニケーションブースについて、活動の目的が参加者に十分伝わっているのか。今後は、コミュニケーションブースで得られた意見や情報、傾向をフィードバックし、参加者と共有していくことも重要ではないか。
- ○ 東電の取組みに関する理解度は一様ではなく、中間層へのアプローチが重要。中間層が正しい情報を適切なタイミングで得ることにより理解が進む可能性があり、活動成果や分析結果を継続的に発信していくことが信頼向上につながるのではないか。小さな問題が積み重なった結果、大きな問題や事故が発生した段階で初めて地域に情報が伝わる構図となっており、情報公開の時系列の逆転も信頼形成を妨げる要因となっている。今後の研究・分析の進展に期待したい。
- ○ 言葉の線引きが必要ではないか。例えば、核物質防護上とか、内部脅威者を防ぐ、といった言葉の意味が住民に想像できるように分かりやすく説明する必要があるのではないか。
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全体評価・提言
- ○ 職員一人ひとりが改善の必要性を自ら認識し、「本当にこれでよいのか」と考える感度を高めることが重要である。そのためには、中間層が現場を把握し問題点を抽出したうえで、知識や経験、不適切事例を先輩が後輩に伝承するといった、組織全体で継承する文化の醸成が求められる。また、知識の習得にとどまらず、それを確実に行動へ結び付けていくための教育が必要である。
- ○ 「このくらいは大丈夫」という意識や、「おかしい」と問題を認識しても言い出せない雰囲気の有無について検証する必要がある。特に核物質防護については、暫定的な運用であっても妥協を許さず、常に万全を期す姿勢が求められる。
以 上











