引越しにかかる費用が安い時期はいつ?繁忙期を避けるメリットとデメリット
引越しの繁忙期はいつ?混み合う時期はなぜ避けた方が良いのか
引越し費用は、移動距離や荷物の量、引越し時期などによって決まります。引越しの時期は、閑散期(オフシーズン)と繁忙期があり、繁忙期は閑散期の1.5倍〜2倍近くの費用がかかる場合もあります。
引越しの繁忙期は新生活に向けた3月・4月
まず、引越し件数の月次推移は国土交通省が発表している「令和4年度における大手引越事業者の月別引越件数」で確認できます。
引越しの繁忙期は3月〜4月で、閑散期は5月〜翌年2月ごろまでの間です。繁忙期に引越しすると「引越し費用が想定よりも増えてしまう」「希望日に合う引越し会社がみつらない」などのデメリットもあるので注意が必要です。
※出典:国土交通省/令和4年度における大手引越事業者の月別引越件数/https://www.mlit.go.jp/common/001447101.pdf
引越しの繁忙期を避けるメリットとデメリット。引越し費用が安くなる以外のポイントは?
ここまで引越しの繁忙期についてご紹介しました。では、繁忙期の引越しを避ければいいことばかりなのかと思いきや、物件探しや家電・家具の調達の面で不利なこともあるようです。繁忙期を避けて引越しをするメリットとデメリットについて解説します。
繁忙期を避けて、オフシーズンに引っ越すメリット
繁忙期を避けて、閑散期に引っ越すメリットをまとめました。
- ・引越しの料金が安い
- 引越しの閑散期にあたる5月〜翌年2月は、料金が安い時期です。ただ、GWやお盆などの長期休暇と重なる期間や、人事異動シーズンはやや料金が高くなる場合もあるので確認が必要です。
- ・引越し日程の希望が通りやすい
- 繁忙期は引越し会社から日程候補をいくつか提示してもらい、それに合わせて引越しを行わなければいけないケースもあります。引越し件数が少ない閑散期であれば、希望する日程や時間帯に引越しできる可能性が高くなります。閑散期の方が予約しやすくなるでしょう。
- ・不動産会社と余裕を持ってやり取りできる
- 繁忙期は不動産会社も忙しく、順番待ちになることが多くなるでしょう。閑散期であれば、店頭での待ち時間が短くなる可能性があることや、気になる物件が見つかった場合、他の人に先に契約されてしまう可能性も繁忙期よりは低く、選択肢を増やしながら納得いくまで物件探しをすることもできます。
以上が閑散期を避けるメリットになりますが、「繁忙期を避けるとすべてのメリットが期待できる」という訳ではありませんので注意してください。例えば、引越しは土曜日や日曜日・祝日に集中することが多いため、閑散期でも土曜日や日曜日・祝日予約は取りにくくなる可能性があるのと、平日と比べて、料金も割高です。
そのため「閑散期の平日」に引越しするというのが理想ですが、引越し会社、不動産会社によってもサービスはさまざま。複数の会社に見積りを依頼するなど、選択肢を広げましょう。
繁忙期を避けて、オフシーズンに引っ越すデメリット
一方で、閑散期に引っ越すデメリットもいくつかあるので確認しておきましょう。
- ・繁忙期に比べて出回る物件数が少なくなる
- オフシーズンは退去する人も少ないため、繁忙期と比べて空き物件も少なくなります。閑散期に残っている物件は、築年数が古い、駅から遠いなどの理由で、繁忙期に借り手が見つからなかった物件の可能性もあるので注意が必要です。
- ・家電や家具などの「新生活応援フェア」が使えない
- 春から新生活を始める人向けに、お得な家具や家電を販売する新生活フェア。閑散期の引越しではフェアで購入することが難しいため、繁忙期より家具や家電の購入費が高くなってしまうこともあります。
「引越しを機に家具・家電をすべて買い替える!」という場合は、購入時期を吟味した上で買い替え計画を立てると良いでしょう。
契約する月によって家賃が変動することがある?狙い目のタイミングはここ!
引越し費用だけではなく、「家賃」も時期によって変動することがあります。入居者が決まらない時期や空き室が多くなる時期には、家賃を下げて入居者を早く決めようとすることもあります。家賃が安くなる時期を把握しておきましょう。
比較的、家賃・初期費用が安くなる時期は5月・6月
不動産会社のサイトなどによれば、一般的には5月のGW明けから少しずつ、家賃の値下がりが始まると言われています。GWを過ぎると祝日や連休がなく、引越しする人が少なくなるためだと考えられます。また、3月〜4月の繁忙期に空室が埋まらなかった物件は、大家さんが家賃を下げることもあり、5月~6月は値下げされた物件に巡り合えるおすすめの時期です。
ただし、大幅な値下げは期待しないのが無難です。例えば、6万円の家賃が5万円になるケースは少ないでしょう。なぜなら、同じ建物に住んでいるのに、隣の人との賃料差が大きいと不平が出てしまうからです。
また、一般的に6月は一人暮らし向けの物件の空きが出やすい時期とも言われています。5月や6月に結婚するカップルが多く、ファミリー向けの物件に引っ越すためです。一方で、梅雨の時期の引越しは大変といったデメリットもあるため、ケースバイケースで考えることが大事でしょう。
最後に物件選びから入居までのスケジュールをおさらい
引越しの繁忙期を避けるためには、計画性が大事です。物件選びから入居までのスケジュールを立てて、狙ったタイミングで引越しできるようにしましょう。
<物件選びから入居までのスケジュール(目安)>
■入居から1ヵ月〜3ヶ月前
- ・情報収集
- 通勤・通学時間や街の雰囲気などから住む地域を選びましょう。会社の同僚や学校の友人など、実際に住んでいる人の声は参考になります。
- ・条件をまとめる
- 物件探しは予想以上に時間がかかるもの。住む上で大切にしたい条件を整理してみましょう。家賃や築年数、駅からの距離など優先順位をつけてみると、物件が絞れるようになります。
- ・不動産会社へ問い合わせ
- インターネットで見たい物件が決まったら、不動産会社へ問い合わせをしてみましょう。インターネットで見た物件と似た物件を紹介してくれることもあります。大手の不動産会社は扱っている物件数が多い、地域密着型の不動産会社は掘り出し物件が期待できる、というメリットがあります。
■入居から1ヶ月〜2週間前
- ・物件の下見
- 間取り図だけではわからない広さや日当たりなどをチェックしましょう。駅から物件までの環境や、ポストやゴミ置き場といった共用スペースが管理されているかも確認するポイントです。
■2週間前
- ・申し込み&入居審査
- 気に入った物件があったら申し込みをしましょう。支払い能力などの審査を通過したら契約することができます。本人確認書類や印鑑を持参しましょう。
■1週間〜2週間前
- ・契約をする
- 賃貸借契約書をよく読んでから契約しましょう。物件で禁止されていることや、解約の申し出の時期など大切なことが書かれています。また、契約には住民票の写し、保証人の印鑑証明書なども必要になります。
- ・引越し方法を決める
- 荷物が少ない場合は、家族や友人の協力で引っ越すこともできます。業者を利用する場合は見積もりを取りましょう。単身向けのパックや軽トラックの個人運送などさまざまな方法があります。
■1週間前
- ・荷造り
- 段ボールに詰める荷物は、一人で持てる重さを基本にしましょう。段ボールに何が入っているか、どの部屋に運ぶのかを箱に大きく書いておきましょう。
余裕を持って準備を進めたい人は、入居の2ヶ月前に物件探しを始めることがポイント。1ヶ月前ごろまでに引越しの予約をすると、料金が安くなる場合もあります。
学校や勤務先の都合による引越しも多いので、必ずしも希望の時期に引越しを行えるわけではありませんが、引越し時はできる限り複数の業者に見積りを依頼するなどし、「比較する」ことを行えば費用の節約はできそうです。
<出典・参考>
- ・全日本トラック協会/令和5年 引越繁忙期 ~分散引越にご協力をお願いします~/https://www.mlit.go.jp/common/001447111.pdf
- ・国土交通省/令和4年度における大手引越事業者の月別引越件数/https://www.mlit.go.jp/common/001447101.pdf
- ・主婦の友社/ひとり暮らしで知りたいことが全部のってる本
※掲載している情報は2024年2月現在の情報です。
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