郵便局へ引越しの申請をするには?住所変更や転居・転送サービスの手続き方法
郵便局の転居・転送サービス。利用方法や注意点
郵便局の「転居・転送サービス」を利用するには、前もって郵便局に転居届を提出する必要があります。
引越し時のタイムラグで、公共料金の振り込み用紙などが旧住所に送られたら、支払いが滞ってしまう可能性もあります。そうしたリスクやトラブルを避けるためにも、引越しをするときには必ずこのサービスの手続きを行いましょう。
郵便局の転居・転送サービスとは?
「転居・転送サービス」の対象になる郵便物は、手紙やはがき、ゆうパック、ゆうメールなど。郵便局に転居届を出すことにより、届出日から1年間に渡って、旧住所宛の郵便物を無料で転送してくれます。
なお、このサービスは住民票を移していなくても利用可能。それに個人の引越しだけでなく、法人や団体が移転する場合にも利用でき、長期の入院で郵便物が受け取れないときには、その病院に転送してもらうこともできます。
「転居・転送サービス」は郵便物に限られますが、一部の宅配業者でも同じようなサービスを実施しています。各事業者のホームページをチェックしてみましょう。
郵便局の転居・転送サービスの申請方法。「郵便局窓口」「郵送(ポストイン)」「e転居」の3パターンをチェック
郵便局の「転居・転送サービス」は、最寄りの郵便局の窓口で申込む以外に、「郵送(ポストイン)」「e転居(インターネット)」でも可能。全部で3種類の申請方法があります。
なお、世帯単位の引越しで家族の分も申込む場合、一度の申込みは6人まで。家族が7人以上なら、2枚目以降の転居届に記入をして提出します。一方で家族の場合は、進学や就職、単身赴任などで1人だけが転居するケースもあるでしょう。そういった場合は、その1人分だけの手続きを行うことも可能です。
郵便局の転居・転送サービスの申請方法 :郵便局の窓口での手続き
郵便局の窓口で行う申し込みは、転居先の市区町村だけに限らず、どこの郵便局からでも可能です。局内に用意されている転居届に必要事項を記入して、本人確認書類や旧住所が確認できる書類と合わせて、窓口に提出しましょう。
なお、運転免許証に旧住所が記載されている場合は、本人確認書類としてだけでなく、旧住所が確認できる書類としても使用可能。2種類の確認書類の提出を、運転免許証1枚で済ませることができます。
▼郵便局窓口での手続き
手続きの場所 | 郵便局の窓口 |
必要な書類 | 本人確認書類、旧住所の確認書類 |
手数料 | 無料 |
その他 | 法人や団体の場合は、窓口に来た人と会社・団体の関係がわかるもの(例:社員証、各種健康保険証など)が必要 |
郵便局の転居・転送サービスの申請方法 :郵便局に出す転居届をポストに投函
最寄りの郵便局で転居届をもらって持ち帰り、自宅などで必要事項の記入を済ませてから、ポストに投函して申し込むという方法もあります。
この「郵送(ポストイン)」のメリットは、本人確認書類や旧住所が確認できる書類の同封が不要であること。書類がすぐに用意できないという場合にはとても便利です。また、切手を貼る必要もありません。
郵便局の転居・転送サービスの申請方法 :インターネットでe転居を利用して手続きする
「e転居(インターネット)」とは、オンライン上で転居届を受け付けてくれる無料のサービス。パソコンやスマートフォン、携帯電話などを使って、郵便局まで足を運ばずに申請することができます。
手続きの方法は、まず日本郵便のウェブサイトにアクセスして「ゆうびんID」を取得することから始めます。「e転居」のサイトに進み、「ゆうびんID」でログインし、ガイダンスに沿って必要事項を記入します。その後、登録したメールアドレスに確認番号と確認作業手順書が送信されてきたら、記載されている「転居届受付確認センター」に電話。自動音声案内に従って、確認番号や旧住所、新住所、転送開始希望日などを入力したら申し込み完了です。
>>e転居/ https://welcometown.post.japanpost.jp/etn/
▼インターネットでe転居を利用しての手続き
手続きの場所 | 日本郵便のウェブサイト「e転居」 |
必要な書類 | パソコンやスマートフォン、メールアドレス |
手数料 | 無料(転居届受付確認センターへの通話は有料) |
その他 | パソコンから申し込む場合、携帯電話のメールアドレスは使用不可 |
郵便局の転居・転送サービスを申請する際の注意点
続いて、「転居・転送サービス」の適用期間や延長方法、転送状況の確認方法など、いくつかの注意点について解説します。
郵便局の転居・転送サービスの適用期間は?
「転居・転送サービス」の適用は、転居届に記入する「転送開始希望日」から始まります。ただしデータに登録されるまでには、申請を行ってから3~7営業日ほど要することがほとんど。提出日から開始希望日までの期間が短い場合は、必ずしも希望どおりになるわけではありません。大切な郵便物の転送をスムーズに行うためにも、引越し日が決まったら、できるだけ早めに申し込んでおくことをおすすめします。
そして適用期間は、前述したとおり、届出日から1年間です。仮に8月1日に届出をした場合、翌年の7月31日まで、旧住所の郵便物が新しい住所に転送されます。1年間の起算は「転送開始希望日」からではなく、あくまでも届出日からのカウントになりますので、間違えないように気をつけましょう。
転送期間は更新すれば延長できる
「転居・転送サービス」は、更新手続きを行うことで、さらに1年間の延長が可能です。手続きの方法は、最初の申請と同じ。「郵便局窓口」「郵送(ポストイン)」「e転居(インターネット)」の3種類のうち、お好きな方法を選べます。
なお、このサービスで転送されてくる郵便物には、転送期間が終了する日付を記したラベルが貼られています。その送り元から、今後も継続的に郵便物が送られてくる場合は、更新の手続きと並行して、送り元に転居先を伝えることも忘れないようにしましょう。
郵便物が転送されないケースは?
先述したとおり、この「転居・転送サービス」は郵便物が対象です。ただし一部のケースでは、郵便物であっても転送されず、差出人に返還されてしまうことがあります。その代表的なものが、「転送不要」や「転送不可」などと記載された郵便物。わかりやすい例としては、新たに発行されたクレジットカードやキャッシュカード、税金や保険に関する納付書類、健康保険証やパスポートなどが挙げられます。
上記の郵便物に共通する点は、個人情報の保護や防犯上の理由といった観点から、一般的に書留郵便などで送付されること。差出人による住所確認の意味や、第三者による転送届を利用した悪用を防ぐためといった理由があります。
新しい住所に引越した後にこれらの郵便物が届かない場合は、差出人に問い合わせ、必要な場合は住所登録の変更などを行うようにしましょう。
その他サービス対象外のもの
「転送不要」や「転送不可」と記載された郵便物以外に、以下のようなケースも「転居・転送サービス」の対象外になります。
・海外への転送
・届出人が入院した場合の親族への転送
・届出人が死亡した場合の家族への転送
これらの郵便物も差出人に返還されます。
郵便物の転送状況は自分で確認できる
日本郵便は、郵便物の転送状況をインターネット上で24時間いつでも確認できるサービスを行っています。まずは下記のリンクから「転居届受付状況確認サービス」のページにアクセス。転居届受付番号を入力することで、簡単に転居届の受付状況を確認できます。
>>転居届受付状況確認サービス/ https://welcometown.post.japanpost.jp/etn/ETN10S10MMC.html
なお、転居届受付番号とは、受付時に発行される10桁の英数番号のこと。最初の申請方法によって変わってくるので注意が必要です。
転居届受付番号の確認方法
・「郵便局窓口」と「郵送(ポストイン)」の場合…お客様控・記入要領の右上に記載されている番号。ただし、転居届を提出してから6ヶ月以上が経過したデータは確認ができません
・「e転居(インターネット)」の場合…登録時の受付完了メールに記載されている番号
「転居・転送サービス」は申請から転送が実際に開始されるまでには3~7営業日ほど要します。「正確にはいつから転送が始まっているのだろう?」「あの荷物はちゃんと転送されてくるのだろうか?」といった心配があるときは、このサービスを使って確認してみると良いでしょう。
郵便局の転居・転送サービス中にさらに引越した場合
「転居・転送サービス」の適用期間は届出日から1年間。もしかしたら、その期間内にまた別の新しい住所に転居したり、旧住所に戻ったりすることもあるでしょう。しかし、このサービスは期間内に停止することができません。
そのため、上記のようなケースが起こる場合は、あらためて郵便局に転居届を提出する必要があります。そうすることで、旧住所から新しい住所に転送されてきた荷物が、さらに次の新しい住所へ転送されます。旧住所に戻る場合は、旧住所から新しい住所に転送されてきた荷物が、もう一度旧住所へと転送されるようになります。
引越しの際は手続きを忘れずに
郵便局の「転居・転送サービス」の申請の仕方や注意点などをご紹介してきました。
引越し時には郵便局のほかにも、電気やガス、住民票や国民健康保険など、住所変更しなければならない手続きは複数あります。
申請が遅れるとデメリットも大きいので、なるべく早めに対応するようにしましょう。
※掲載している情報は2024年2月現在の情報です。