引越し時に行う車にまつわる手続き。
運転免許証や車庫証明書、車検証に関する住所変更を忘れずに
運転免許証の住所変更。必要な書類・持ち物、手続きの場所を解説
引越しの際に行う運転免許証の住所変更。手続きを済ませていないと、「道路交通法違反になる」といった問題が生じてしまうことも。
住所変更の手続きを行う場所は、引越し先の住所を管轄する警察署の他、運転免許試験場や運転免許更新センターなど。必要な書類や持ち物が揃わないと手続きが完了しないので、下記の表でチェックしておきましょう。とくに混雑している場合などを除き、手続きにかかる時間は1時間程度で済みます。
なお、運転免許証の住所変更は、いつまでに手続きを終えなければならない、といった明確な期限は設けられていません。しかし万が一にも忘れてしまわないよう、できれば引越し後14日以内に、他の手続きと合わせて済ませておくことをおすすめします。
運転免許証の住所変更に必要な書類・持ち物をチェック
運転免許証の住所変更を行うには、以下の書類と持ち物が必要です。
<運転免許証の住所変更に必要な書類と持ち物>
必要な書類と持ち物 | 備考 |
---|---|
免許証 | 旧住所が記載された運転免許証 |
新住所が記載された書類 | 住民票の写し、マイナンバーカード、健康保険証、在留カード(外国人の場合)、公共料金の領収証や消印付き郵便物の原本以上のいずれ |
印鑑 | 認印も使用可能 |
顔写真 | 基本的に不要 |
運転免許証記載事項変更届 | 警察署や運転免許センターで入手可能 |
顔写真は基本的に不要ですが、都道府県が変わる場合は必要になることもあります。詳しくは管轄する警察署や運転免許試験場などに確認してください。
また、代理人に手続きを依頼する場合は、上記の書類や持ち物に加え、代理人と申請者が併記された住民票の写し、代理人の本人確認書類が必要です。なお、都道府県によっては必要なものが異なることもあるため、事前に管轄する警察署や運転免許試験場などに確認しましょう。
なお、運転免許証の記載事項の変更に関する手続きは無料です。また住所変更の場合、新住所は運転免許証の裏面に記載され、表面は旧住所のまま。表面が新住所に変わるのは、次回の免許更新時です。
運転免許証の住所変更を行える場所は?
手続きは警察署や運転免許試験場、運転免許更新センターで行えますが、それぞれの受付日や受付時間には違いがあります。基本的に、受付日はいずれも土曜日曜と祝休日、年末年始を除いた平日のみ。ただし、一部の運転免許試験場と運転免許更新センターでは日曜でも手続きを受け付けています。こうした受付場所と受付日時は、都道府県によっても異なりますので、事前にホームページや電話などで確認しましょう。
運転免許証の住所変更をしないとどうなる?
引越し後も住所変更の手続きを行わず、旧住所が記載されたままの運転免許証を使用していると、道路交通法違反となります。また、運転免許証の更新通知は、免許証に登録されている住所に送られます。郵便局が実施している「転居・転送サービス」の利用期間内であれば新住所に転送されてきますが、その期間を過ぎてしまうと通知は届かなくなります。
旧住所のままでは本人確認書類として使えなくなってしまうことがあります。また、住所変更をしなかった場合は道路交通法で罰則規定が設けられています。不要なトラブルを避けるためにも、早めに手続きを済ませましょう。
車庫証明の住所変更。普通自動車・軽自動車で異なるポイントをチェック
車庫証明の正式名称は、自動車保管場所証明書。車を所有している場合に必要となる、「車を保管する場所に関しての証明」です。取得条件のひとつが、車の保管場所(駐車場所)が自宅から直線距離で2km以内にあること。そのため、引越しによって保管場所が変わったら、住所変更の手続きが必要なので確実に行いましょう。
車庫証明の住所変更は、引越しをしてから15日以内に行わなければならないと、法律で定められています。手続きを行う場所は、保管場所がある地域を管轄している警察署。期限内に手続きを済ませておかないと、10万円以下の罰金刑に処されます。
旧住所と新住所が近接しており、引越しをした後も車の保管場所が引越し前と変わらないケースでも、所有者の住所が変更になった場合は、車庫証明の住所変更を行わなければなりませんので、覚えておきましょう。
なお、自動車を保管する住所を管轄する警察署に「自動車保管場所届出書」を提出する軽自動車の場合は、対応が異なります。
警察署に「自動車保管場所届出書」を提出する軽自動車の場合
まず前提として軽自動車の場合は車庫証明ではなく、「自動車保管場所届出書」が必要です。保管場所を管轄する警察署に申請する必要がありますが、自動車保管場所届出書は「必要な自治体」と「不要な自治体」があります。
各都道府県の県庁所在地、人口10万人以上の大都市、都市部から30km圏内という3つの条件がひとつでも当てはまる自治体は、基本的には自動車保管場所届出書が必要とされています。しかし、同じ自治体内でも一部では不要な地域があったりするなど、例外も多く、複雑になっているので、軽自動車を所有している人は管轄の警察署に問い合わせましょう。
転居先も変わらず自動車保管場所届出書が必要な地域であれば、管轄の警察署で住所変更を進めましょう。自動車保管場所届出書の不要な地域から必要な地域に引っ越す場合は、新たに届け出を行いましょう。
<引越し時の自動車保管場所届出書に関する手続き>
- ・「自動車保管場所届出書が必要な自治体」から「自動車保管場所届出書が不要な自治体」に引っ越すケース
- 自動車保管場所届出書の抹消手続きなどは不要ですが、念のため保管場所を管轄する警察署に確認をしておきましょう。
- ・「自動車保管場所届出書が不要な自治体」から「自動車保管場所届出書が必要な自治体」に引っ越すケース
- 管轄の警察署で新たに自動車保管場所届出書の申請をします。
- ・「自動車保管場所届出書が必要な自治体」から「自動車保管場所届出書が必要な自治体」に引っ越すケース
- 管轄の警察署で自動車保管場所届出書の変更手続きをします。
- ・「自動車保管場所届出書が不要な自治体」から「自動車保管場所届出書が不要な自治体」に引っ越すケース
- とくに手続きを行う必要はありません。
車庫証明の住所変更に必要な書類・持ち物をチェック
車庫証明の住所変更を行うには、以下の書類と持ち物が必要です。
<車庫証明の住所変更に必要な書類と持ち物>
必要な書類と持ち物 | 備考 |
保管場所証明申請書 | 軽自動車の場合は保管場所届出書 |
保管場所標章交付申請書 | ステッカー形式の標章を申請する書類 |
車庫の所在図・配置図 | 地図の写しでも可能 |
自認書または保管場所使用承諾証明書 | 車の保管場所によって異なる |
駐車場の賃貸契約書のコピー | 賃貸の保管場所を利用する場合に必要 |
使用の本拠の位置が確認できるもの | 新住所が記載された住民票など |
収入証紙 | 警察署で購入可能 |
認印 | 認印も使用可能 |
車庫の所在図は、自宅から車の保管場所(駐車場所)までの道のり、直線距離、その間にある目標物や通り名などを記載したもの。配置図は、保管場所の周囲にある建物や道路状況、出入り口などを記載したものを指します。
自認書は、自分の所有する土地を車の保管場所(駐車場所)とする際に提出するものです。同居する親族の土地である場合も提出します。保管場所使用承諾証明書は、保管場所を借りる場合に提出するもの。書類には保管場所の大家もしくは管理会社の署名と捺印が必要です。
また、代理人に手続きを依頼する場合は委任状が必要。ただし、申請者本人が申請書の記載を行い、提出と受け取りのみを代理人に依頼する場合は不要です。
車庫証明の住所変更の手続きができる場所は?
車庫証明の住所変更は、車の保管場所(駐車場所)を管轄する警察署で行います。警察署でまず手数料分の収入印紙を購入し、手数料納付書に貼付します。車庫証明の住所変更で手数料が発生するのは、保管場所証明申請書と保管場所標章のふたつ。金額は自治体によって異なりますが、仮に東京都の場合は保管場所証明申請書が2,100円、保管場所標章が500円です。受付窓口で必要書類を提出し、内容に不備がなければ、その場で手続きが完了します。
ただし、すぐに証明書が交付されるわけではありません。発行までには3日~7日程度を要するため、後日あらためて受け取りに行く必要があります。ただし警察署によっては、自宅で受け取れる郵送サービスを行っていることもありますので、郵送が可能であるかを窓口で問い合わせてみましょう。
車検証の住所変更。ナンバープレートの変更方法についても解説
最後に車検証です。車検証の住所変更の期日は、車庫証明と同様に引越しをしてから15日以内。期限内に手続きを済ませなかった場合は、法律によって50万円以下の罰金刑に処されます。
さらに罰金だけでなく、自動車税の納付書やリコールの通知書などが届かなくなってしまうなど、さまざまな不都合が生じてくるため注意しましょう。
車検証の住所変更に必要な書類・持ち物をチェック
車検証の住所変更を行うには、以下の書類と持ち物が必要。なお、普通自動車と軽自動車では、一部の内容が異なります。
<車検証の住所変更に必要な書類と持ち物・普通自動車の場合>
必要な書類と持ち物 | 備考 |
車検証 | 旧住所が記載された車検証 |
車庫証明書(自動車保管場所証明書) | 発行から1ヶ月以内のもの |
住民票 | 発行から3ヶ月以内のもの |
手数料納付書 | 手数料を納めるための書類 |
自動車税(環境性能割・種別割)申告書 | 自動車税の内容を申告する書類 |
印鑑 | 個人は認印も使用可能 |
<車検証の住所変更に必要な書類と持ち物・軽自動車の場合>
必要な書類と持ち物 | 備考 |
車検証 | 旧住所が記載された車検証 |
住民票または印鑑登録証明書 | 軽自動車は住民票でなく印鑑登録証明書でも可能 |
自動車検査証記入申請書(軽第1号様式) | 新しい車検証を発行するために必要なOCR用紙 |
軽自動車税(種別割)申告書 | 軽自動車税の内容を申告する書類 |
印鑑 | 個人は認印も使用可能 |
使用者と所有者の名前が異なると、必要な書類と持ち物が変更になる場合もあります。事前に陸運局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)に確認しましょう。
また、代理人に手続きを依頼する場合は委任状が必要。ただし、申請者本人が申請書の記載を行い、提出と受け取りのみを代理人に依頼する場合は不要です。
車検証の住所変更の手続きができる場所は?
車検証の住所変更を行う場所は、普通自動車と軽自動車で異なります。普通自動車の場合は陸運局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会で手続きを行います。受付日は、陸運局、軽自動車検査協会とも基本的に平日のみ。受付時間は都道府県によっても異なりますので、事前にホームページや電話などで確認しましょう。
住所変更にかかる費用は、変更登録手数料の350円。また、住所変更によって管轄の陸運局が変わる場合はナンバープレートの変更も行うため、ナンバープレート代として1,500円程度が必要です。ナンバープレート代は地域によって異なるほか、希望ナンバーや図柄ナンバーにする場合は、さらに別途費用がかかります。ナンバープレートの変更が必要な場合は、付け替え作業が発生するため、車で陸運局(あるいは軽自動車検査協会)に向かいましょう。
ただ、2022年1月から、引越し時のナンバープレート交換に猶予期間が設けられ、条件を満たすことで、次回の車検時までナンバープレート交換までの猶予ができました。この特例を活用するのも一案です。
<引越し時のナンバープレート交換に猶予期間>
2022年1月より、引越し時の負担軽減の一環として、ナンバープレートの交換が次回の車検時まで猶予される特例が開始されました。
対象となるのは、車検証の住所変更に、車の各種手続きなどをインターネット上で受け付ける「自動車ワンストップサービス(OSS)」を利用した場合。旧登録番号の記載を削除した新しい車検証と登録事項等通知書を取り寄せ、次回の車検時にナンバープレート交付代行者の窓口に提出すると、新しいナンバープレートが交付されます。
OSSは、旧住所と新住所の車検証の交換が郵送で行えることも大きなメリットです。ただし、OSSの利用にはマイナンバーカードなどが必要。また、所有者と使用者が異なる場合などは特例の対象外になります。
引越しが決まったら車関連の手続きはスピーディに。
忘れているとデメリットもたくさん
引越しをする際の車にまつわる手続きは、どれも重要なものばかり。いずれも手続きが遅れたり、定められた期日を過ぎてしまったりした場合は、罰金刑や科料に処せられます。さらに重要な書類が届かなくなってしまうなど、他にも大きなトラブルに発展しかねません。
そのため、忙しくてなかなか手続きの時間がとれないという人は、代理人制度を利用するのも選択肢の1つです。また、「車庫証明」と「車検証」の住所変更は、代行手数料などはかかってしまいますが、車を購入したカーディーラーなどに依頼することも可能です。
いずれにしても、車関連の手続きは忘れずスピーディに済ませていくことが肝心。自分自身に合った方法を選択して、効率よく手続きを進めていきましょう。
※掲載している情報は2024年2月現在の情報です。
こちら 引越しのお役立ち情報へ戻る