カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、佐久発電所由来の実質CO2フリー電力の活用を開始します
2022年8月22日
渋川市
東京電力エナジーパートナー株式会社
1 内容
政府は、2020(令和2)年に2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量の実質ゼロ)を宣言し、その目標のひとつとして、2030(令和12)年度に2013(平成25)年度比で温室効果ガスを46%削減する目標を掲げました。これに伴い、地域脱炭素ロードマップの策定及びエネルギー基本計画の改定等、日本全体がカーボンニュートラルの実現に向けて大きく舵を切っている状況下にあります。
渋川市においても、カーボンニュートラルに向けた取り組みの一環として、東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、「東京電力EP」という。)と連携し、一部の市有施設について、東京電力リニューアブルパワー株式会社(以下、「東京電力RP」という。)が保有する、佐久発電所(水力電源)由来の環境価値※1を活用して実質的にCO2排出量がゼロとなる電力を調達することとしました。これにより、調達するエネルギーの実質再エネ化及び電気部門における温室効果ガス排出の削減を図ります。
渋川市北橘町にあり、市民にとって工業都市渋川発祥のシンボルである、佐久発電所で生み出された環境価値を活用することで、「環境価値の地産地消」を実現します。
地域にある民間企業保有の既存水力発電所を特定した形で、市有施設に環境価値を届ける取り組みは、東京電力管内において渋川市が第1号案件となります。
- ※1 環境価値:
再生可能エネルギー等によって発電された電力に含まれる、エネルギーとしての電気そのものの価値以外に有する、CO2を排出していないという付加価値
2 導入する電力について
東京電力RPが保有する佐久発電所由来の非FIT非化石証書を東京電力EPが調達し、非FIT非化石証書(佐久発電所由来の環境価値)付き電力を、渋川市の一部市有施設へ供給する環境価値の地産地消モデルとなります。
【メニュー概要図】
3 非FIT非化石証書(再エネ指定)とは
FIT制度※2を活用していない再エネ電源由来の環境価値を証明するものが「非FIT非化石証書」です。この証書を活用した電力を調達することで、使用電力の実質再エネ化及び実質CO2フリー化が可能となります。
- ※2 FIT制度:
Feed in Tariffの略で、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が保証する制度
4 佐久発電所について
佐久発電所は、渋川市北橘町地内にある東京電力RPの水力発電所です。利根川と吾妻川からの取水による水路式発電所で、1928(昭和3)年に運転を開始しました。最大出力は78,200kWで、建設時には東洋一の発電所といわれていました。
佐久発電所の高さ約80メートルの塔は、渋川市のシンボルのひとつです。水圧調整用のタンクは2代目で、1987(昭和62)年に建て替えられ、すっきりとしたシルエットになりました。ずんぐりボディに円錐型の笠をかぶった初代のタンクも約60年もの間、地域のランドマークとして親しまれてきました。
導水管周辺には約100本の桜が植えられ、花見のシーズンには花見客で賑わいます。
【昭和初期の様子】
【令和4年4月現在の様子】
5 契約について
(1)契約施設 市有施設65口(別紙のとおり)
(2)契約期間 令和4年9月1日(木)から令和5年8月31日(木)
(3)購入量(概算) 693万9,400kWh
6 CO2の削減効果について
今回契約する市有施設65口にて実質CO2フリーの電力を調達すると、年間で市の事務・事業全体から排出されるCO2のうち約21%分の削減が見込まれます。
【CO2削減量(見込み)】
65口の排出量2,704(t-CO2)÷渋川市有施設の総排出量12,716(t-CO2)=約21%
※令和3年度実績に基づく
7 合同記者会見
8月22日(月)13時より、渋川市役所において共同記者会見を行いました。
8 カーボンニュートラル等に向けた今後の渋川市の方針
本件は、渋川市と東京電力EP、東京電力パワーグリッド株式会社(以下、「東京電力PG」という。)のエネルギー・環境分野において連携して行う取り組みです。渋川市として、電力会社との連携による温室効果ガス削減に向けた取り組みは初の試みとなります。
渋川市が策定している「第2次渋川市環境基本計画」では、「持続可能な低炭素化を進めるまち」を基本方針のひとつとしており、その目標として「気候変動対策を推進し快適に暮らせるまち」、「地球温暖化対策を進める市役所」を掲げています。今回の取り組みを皮切りにして、東京電力EP、東京電力PG等と多面的に連携しながら、市役所及び地域全体におけるカーボンニュートラルの取り組みを主体的・計画的に推進していきます。
また、地域におけるカーボンニュートラルの実現には、市民や市内事業者の連携が不可欠と考えます。渋川市として、市民・事業者・行政の協働によるアプローチも推進していきます。
以 上
【別紙】