複数の店舗を保有する法人のお客さま向け省エネ分析サービスの提供開始について
~IoT技術とデータ分析によるエネルギーのトータル管理を実現~
2017年10月2日
東京電力エナジーパートナー株式会社
当社は、IoT技術を活用した法人のお客さま向けサービスの第一弾として、本日から、複数の店舗を保有する法人のお客さま向け省エネ分析サービス(以下、本サービス)の提供を開始いたしますので、お知らせいたします。
<サービス開発の背景>
当社は、これまで、法人のお客さまの「省エネ・省CO2」を達成するための効果的なエネルギー運用の改善や、エネルギー管理におけるコスト低減等、エネルギーに関する問題・課題を解決するため、IoT技術を活用したサービスを検討してまいりました。
また、省エネ法※1では、法人のお客さまを対象に、企業単位でのエネルギーの有効利用に向けた取り組みを促すため、省エネ状況を評価する制度(ベンチマーク制度※2)が導入されており、エネルギーの使用量だけでなく、効率面に着目した省エネルギーの基準が設定されています。近年、ベンチマーク制度の対象となる分野や業種が順次拡大され、コンビニエンスストア、ホテル、百貨店等、複数の店舗を保有する企業についても、新たに対象となったため、本サービスの提供を開始することといたしました。
<サービスの特長>
本サービスは、IoT技術と当社が保有する電力使用に関する膨大なデータを活用することにより、お客さまの店舗ごとのエネルギー管理を一層きめ細かくご提供できるサービスです。具体的には以下の3つの特長があります。
【特長1:複数の店舗をトータル管理】
高圧のスマートメーターや自己給電型無線電流センサ※3等から取得される各種データをIoT技術と組み合わせることにより、店舗や設備単位のエネルギーの利用状況を“見える化”し、定量的に分析することで、複数の店舗を保有するお客さまがトータルでエネルギー管理を行えるようサポートいたします。
IoTとの連携イメージ
【特長2:当社独自の省エネ分析】
当社が保有する電力使用に関する膨大なデータをもとに、これまでお客さまが知り得なかった同業他社との省エネ効果の比較等、多面的に効果測定を行うことができます。お客さまのエネルギー管理におけるポイント(エネルギーのムダ・ロス要因)を早期に発見し、設備の運用改善や更新等、具体的な計画策定に活用することができます。
省エネ分析のイメージ
【特長3:他サービスとの併用で、さらなるサポートを実現】
ベンチマーク制度に沿った本サービスと、当社の100%出資子会社である日本ファシリティ・ソリューション株式会社が提供するサービス「@エナジー※4」を併せてご活用いただくことで、定期報告書や中長期計画書の作成等、省エネ法に基づく管理業務も、包括的にサポートいたします。
<IoTサービスに関する今後の展開>
なお、当社は、法人のお客さま向けIoTサービスを開発・構築するプロジェクト「グリーンI(アイ)プロジェクト※5」を立ち上げました。今後も、変容するエネルギー市場を見据え、技術革新に対応したIoTサービスのさらなる高度化を目指すとともに、お客さまのお役に立つ、新たな付加価値を提供してまいります。
当社は、総合エネルギーサービス企業として、引き続き、お客さまの暮らしと企業の成長を強く支えるとともに、社会の多様なニーズにお応えする新しい価値の創造に挑戦し続けてまいります。
以 上
※1 「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の通称。燃料資源を有効に利用するため、工場、事務所や店舗等におけるエネルギー使用の合理化を目的に定められた法律。
※2 特定の業種・分野について、当該業種等に属する事業者が、中長期的に達成すべき省エネルギーの基準(ベンチマーク)を設けた制度。省エネルギーが他社と比較して進んでいるか遅れているかを明確にし、進んでいる事業者を評価するとともに、優良事業者(Sクラス)として公表し、遅れている事業者(Cクラス)には更なる努力を促すため、省エネ法第6条に基づく指導が実施される。
※3 無線通信かつ自立電源(計測する電流から電源を取得する自己給電式を採用)であるため、設置が容易な電流センサ。2011年度から2014年度まで4年間実施されたNEDO共同研究事業「グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト(実施者:技術研究組合NMEMS技術研究機構 )」において、当社と株式会社東光高岳が共同で開発・実証し、商品化したもの(特許出願中)。
※4 お客さまのエネルギーデータ(使用量やコスト、CO2排出量等)をインターネット上で一元管理し、集計数値等を省エネ法や各自治体温暖化対策条例の報告書に反映、出力できるサービス。自動車の走行距離や燃費、廃棄物排出量、フロン類漏えい量等の管理も可能。
※5 法人のお客さまのエネルギーに関するあらゆる課題・問題を解決するため、IoT技術を活用したサービスを開発・構築していくために発足した社内プロジェクト。