廃炉プロジェクト > 実施作業と計画 > 燃料取り出し > 3号機燃料取り出し
2011年3月11日津波の影響により大半の電源と注水・除熱機能を喪失しました。これにより3月14日、1号機に続き、3号機も水素爆発し、建物が損傷しました。現在、使用済燃料プールには、566体の燃料があります。廃炉に向けて燃料を取り出すことは、ひとつの大きなリスクを取り除くことであり、損傷した建物から健全な建物へ燃料を移すことで、より安全な場所での保管・管理を行うことができます。
<除染・遮へい>
燃料取扱機のある建物最上階は、放射線量が高いため、除染や遮へいが必要となりました。燃料取り出しに向けて、除染・遮へいをはじめ、前例のない取り組みへの挑戦となりました。作業にあたっては、人による現場作業が難しいことから、遠隔操作できるようクレーン車を改造し、除染作業や遮へい体の設置を実現しました。
<ガレキ撤去(使用済燃料プール内)>
使用済燃料プール内は、大型のガレキや様々なものが散乱しているため、水中カメラによる事前調査や3Dモデルのシミュレーションを用いた綿密な撤去作業計画を作成しました。また、新たな撤去治具の開発など万全の対策を実施してまいりました。8月2日には、最も大きなガレキ(燃料交換機)の撤去作業を完了しました。
<燃料取り出し用カバー・燃料取扱機の設置>
新たに設置が必要となった燃料取り出し用カバーは、建設時の安全性向上と作業員の被ばく低減を最大限重視し、福島第一原子力発電所から約60km離れたいわき市小名浜で一部の組み立てを実施しました。ガレキ撤去後、燃料取り出し用カバーの設置作業を2017年1月より開始し、2017年11月に燃料取扱機の設置、2018年2月に全ドーム屋根の設置が完了しました。
<燃料取り出し>
新たな燃料取扱機を設置後、566体の燃料を取り出します。慎重に作業を進めるために、ガレキ撤去や燃料取り出しなど実際に現場で使用する機器を使用して繰り返し訓練を実施してまいります。2018年度中頃からの使用済燃料プールから燃料の取り出し開始を目指しています。
2013年8月に放射能濃度が高いことを示す警報が発生しました。原因は、3号機原子炉建屋上部ガレキ撤去工事の可能性が高いと判断したため、9月に3号機原子炉建屋上部にダストモニタと周辺に連続ダストモニタを設置し、周辺環境への影響の監視を強化しました。引き続き、日々のモニタリング状況などは、皆さまにお知らせしてまいります。
オペフロ上のダストモニタで監視※(1,3号機各6箇所※) :警報値 5.0X103(Bq/cm3) |
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構内ノーマスクエリアのダストモニタ(10か所):警報値 1.0X10-4(Bq/cm3) | |
敷地境界ダストモニタ(8箇所)による監視 :警報値 1.0X10-5(Bq/cm3) | |
敷地境界モニタリングポスト(8箇所) |
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