トップページ > 福島復興へ向けた取り組み > 福島第一・第二原子力発電所の状況 > 福島第一原子力発電所事故の経過と教訓 > 1~4号機同時事故による被害の拡大
津波後の状況は、注水・除熱の途絶えた1号機が最も切迫していました。1号機へは消火ラインや消防車による注水の準備が進められましたが、注水が間に合わず原子炉の水位が低下、水素が発生するとともに炉心損傷に至りました。また発生した水素が原子炉建屋に漏洩し、津波から約1日後の3月12日午後3時36分に水素爆発が発生しました。1号機の水素爆発により、2号機では敷設していた電源ケーブルが損傷、3号機でも準備していた電源ケーブルが損傷し、2、3号機共に電源の復旧作業に大きな影響を受けました。
3号機は高圧注水系の停止後、減圧に時間がかかり、水位が低下、水素が発生するとともに炉心損傷に至りました。また発生した水素が原子炉建屋に漏洩し、津波から約67時間後の3月14日午前11時1分に水素爆発が発生しました。
2号機では準備していた消防車及びホースが3号機の水素爆発によって損傷し、使用不能となりました。また、3号機の水素爆発から約2時間後に原子炉隔離時冷却系が停止、この後の減圧に時間がかかり、水位が低下、炉心損傷に至りました。
4号機では3号機の格納容器ベントに伴って放出された水素が原子炉建屋内に流れ込み、水素爆発を引き起こしました。このように、ある号機の事故の進展が他の号機の復旧作業等に大きな影響を与えたことも今回得られた教訓のひとつです。
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