トップページ > 福島復興へ向けた取り組み > 福島第一・第二原子力発電所の状況 > 福島第一原子力発電所事故の経過と教訓 > 3号機はなぜ過酷事故に至ったか
地震発生時、3号機は直ちに制御棒が挿入され、設計通り自動で原子炉が停止しました。3号機は地震により外部電源をすべて失い、復水器などは使用できない状況でしたが、非常用ディーゼル発電機が自動起動し、原子炉隔離時冷却系も運転することができました。その後津波の襲来とこれに伴う浸水によって交流電源を全て失ったものの、直流電源設備は1号機、2号機と異なり、少し高い位置にあったことから浸水を免れました。このため、原子炉隔離時冷却系や高圧注水系の運転・制御を継続できただけでなく、計器類による原子炉の状態監視も続けることができました。
1日半程度注水を続けた後、低圧(ディーゼル駆動消火ポンプ)での注水に切り替えるために高圧注水系を停止しましたが、この後の減圧に時間がかかり、水位が低下、水素が発生するとともに炉心損傷に至りました。
減圧を確認した後、消防車による注水を開始しましたが、格納容器から漏れ出した水素によって、3月14日午前11時1分に水素爆発が発生しました。
事故の教訓 | 発生した問題点 |
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1:津波からの防護 |
●津波の襲来により、建屋内外が浸水した。 |
2:電源/注水手段の確保 |
●全ての交流電源を喪失したことにより、交流駆動の注水・除熱機能を失った。
●高圧注水系の停止後、圧力容器の減圧に時間がかかり、水位が低下、炉心損傷に至った。 |
3:炉心損傷後の影響緩和 |
●炉心損傷によって発生した水素が、圧力容器・格納容器から原子炉建屋内に漏れ出し、水素爆発が起こった。 |
4:プラントの状態把握 |
●交流電源が失われたことにより、照明や通信手段が限られた他、全号機同時に危機的状況に陥ったことにより、初動対応の混乱が生じた。 |
5:復旧作業環境の改善 |
●大きな余震やそれに伴う津波の恐れ、瓦礫の散乱等により、現場のアクセス性・作業性が低下した。
●放射線量の上昇や放射線管理等に対応するための資機材の不足、事故対応が数日間に亘るなど著しく作業環境が悪化した。 |
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