生産者熱血ドキュメント 福島牛を、ブランド牛の最高峰に!ふくしま会津牛 第一話 誕生!福島牛のブランド『ふくしま会津牛』

【掲載年月日:2019年4月24日】

「それまではライバル同士だった地域の畜産農家たちが、心をひとつにして会津のブランド力で戦うことを決めたんです」
湯浅卓也さんは当時を振り返って、熱く語り始めた。

福島牛を、ブランド牛の最高峰に!第一話

東日本大震災に見舞われる3年ほど前。
後継者不足の波は、ここ会津地区でも例外なく押し寄せていた。
一軒、二軒と同業者が廃業。牛の出荷頭数も減っていった。

若い世代が畜産に夢や希望を持てず担い手が減れば、経営が不安定になり悪循環となっていく。これではいけない!と感じた湯浅さんは、当時畜産団体の会長だった義父とともに、同業者に呼びかけた。
「いい肉をつくらないと生き残れない。卸売市場で “あの肉を買いたい” と言われるように品質を磨いて、頭数が少なくても、高く買ってもらえる肉をみんなでつくろう!」と。

福島牛を、ブランド牛の最高峰に!第一話

折しもこの地区に3つあった農協がひとつに合併。想いに賛同した畜産農家が集まった。
どうしたら良い牛を育てられるか知恵を出し合い、研究し合い、地域で一緒にレベルアップして、最高のブランド牛『ふくしま会津牛』をつくるチャレンジが始まった。

まず行ったのが、エサの内容を決める会議。みんなで集まって、穀物の配合や稲わらとの組み合わせを検討して、みんなで同じものを使う。そして、そのエサで育った牛が売れた販売先から肉を買い戻して、みんなで食べてみる。肉質を自分たちで評価して、次にどうするかまた意見を出し合う、ということを繰り返した。

福島牛を、ブランド牛の最高峰に!第一話

“なんでサシが入っていない?” “ビタミンが足りずに、肉質のきめ細やかさに影響したんじゃないのか?” “もっと配合を変えた方がいいんじゃないか?” 会議では、いつも議論が白熱し、時には喧嘩になることもあった。

福島牛を、ブランド牛の最高峰に!第一話

いい肉をつくろうとすれば、当然エサの値段も高くなる。それでも誰も妥協しなかった。
「飼料代が高くなってでも良い牛をつくろう。その分、肉を高く買ってもらえるようになろう。」
品質を上げて誰もが認める牛をつくればお客さんを逃すことはない、と仲間たちは信じて一心不乱に進んでいった。
仔牛の血統にもこだわった。

福島牛を、ブランド牛の最高峰に!第一話

選ぶのは、良い肉質を生み出す特別な血統の仔牛。
普通、仔牛の値段は平均80万円程度なのだが、上質な肉牛を育てるためには、さらに10〜20万ほど高い仔牛を買わなければならない。

「だからこそ、よりいい肉に育てて高く売らないと元が取れません」

福島牛を、ブランド牛の最高峰に!第一話

ライバルだった畜産農家が力を合わせてエサにこだわり、仔牛にこだわり、優れた肉を生み出すためのチャレンジを繰り返す。
寒暖差が大きく牛の肥育に適する会津盆地の気候と風土を生かし、品質向上を第一に考えていった結果、首都圏での引き合いも増えた。出荷先の多くを東京の卸売市場に出せるようになっていた。

「次第に評価されるようになっていきました。東京卸売市場の買参人からは“こんないい肉ならもっとほしい”とまで言われるようになっていました」

福島牛を、ブランド牛の最高峰に!第一話

口溶けが良くサラっとした脂と赤身のうま味が凝縮したおいしさ。重量(一頭からとれる肉の量)も品質も申し分なく、買参人からの指名も増え、福島県産牛の中でも高値で取引されるようになった。
こうして『ふくしま会津牛』は、誰もが認める日本を代表する牛としての階段を一歩一歩登っていった。

福島牛を、ブランド牛の最高峰に!第一話

そう、奈落の底へ突き落されるようなあの日が来るまでは…
(第2話に続く)

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株式会社 湯浅ファーム

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株式会社 湯浅ファーム
〒 969-3539 福島県喜多方市塩川町源太屋敷字前畑1572番地

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