尾瀬を知る

尾瀬だより

第21回 「増してきた冬の厳しさ」

平成23年2月1日

 本格的な冬の到来で、冬の厳しさが増してきたような気がします。また、戸倉付近にあるスキー場では、先月に比べて、車の上にスキー板やスノーボードを積んだ車や他県ナンバーの車を多く見られるようになったそうです。尾瀬の地元である片品村には7つのスキー場があり、スキーやスノーボードを楽しめます。また、温泉も楽しめるので、ぜひ行ってみてはいかがですか。

 今回は、尾瀬の地元・片品村や東京電力自然学校尾瀬・戸倉教室の様子を桑原よりお届けします。ぜひ、ご覧下さい。

【年に一度・・・】
毎年、尾瀬のシーズンが終わると、東京電力環境保全スタッフ・自然学校スタッフ全員と一緒に、昨年を振り返っての意見交換を行っています。今年は、意見交換の他、視野を広げるための勉強会もしました。樹木医・笛木に先生となっていただき、スタッフたちも真剣な顔つきで取り組んでいました。ミズナラなど木の多くが枯れてしまうという「ナラ枯れ」について丁寧に教えて頂きました。分かりやすい説明だったので、終わったあとは『物知り』になった気分でした。

(1月14日 戸倉支社)

【金井沢のアカマツ】
戸倉から鳩待峠に行く途中に金井沢という場所があり、昔は金山の発掘場所だったそうです。現在でも坑口跡(こうぐちあと)が見られ、また、樹齢350年と言われているアカマツがどっしりと根を下ろしているそうです。金山が盛んだった頃、山の守護神である十二山神社を祀(まつ)った時に植えられたと伝えられています。なんだか、壮大な歴史を感じさせる場所ですね。

(1月12日 片品村)

【どんどん焼き】
尾瀬の地元・片品村では、毎年1月14日に恒例のどんどん焼きが行われるそうです。今年も各家の人々がお正月の松飾り、注連縄(しめなわ)を持ち寄り、一年の無病息災(むびょうそくさい)、五穀豊穣(ごこくほうじょう)をお祈りしたそうです。今年1年も素晴らしい年となりますように。

(1月14日 片品村)

【植林地巡視】
尾瀬のシーズン時には、尾瀬ヶ原や至仏山での巡視、アヤメ平での湿原回復作業、木道工事を行っていますが、冬には厳しい寒さの中で尾瀬戸倉山林の植林地巡視を行っています。冬は、木の周りに生える笹が雪の重みでつぶれ、歩きやすくなることから、この時期に行うそうです。でも、東京電力環境保全スタッフの話によれば、膝の上よりもある雪の中を毎日歩きまわる仕事だそうで、日々、体力勝負だそうです。私だったら、1日でヘトヘトになりそうです・・・。

(1月20日 尾瀬戸倉山林)

【かんじき】
植林地巡視を行うのにあたって欠かすことのできない“アイテム“があります。それは、「かんじき」だそうです。特に、雪が降ってまだまもないところを長靴で歩くより、かんじきの方がスムーズに歩けるそうです。雪の中に足がもぐらないようにするために設計されているそうで、作業が効率よくできそうですね!

(1月20日 尾瀬戸倉山林)

【カモシカに遭遇】
東京電力環境保全スタッフの話によれば、植林地巡視中、新雪の中を必死になって歩いているカモシカを見かけたそうです。カモシカはめったに出会うことがないため、すぐにカメラを出そうと思ったものの、シャッターを押すまでの間に逃げられてしまったそうです。よく見たら、後ろ姿がちらりと写っているだけでした。動物を撮る瞬間って、本当に難しいですよね・・・。

(1月12日 尾瀬戸倉山林)

【雪景色に染まる尾瀬ぷらり館】
日本列島に強い寒波が押し寄せてきた影響で、尾瀬の麓・戸倉では久しぶりに1m以上の積雪となったそうです。前日までは、ところどころに見えていた道路も真っ白になり、すっかり白銀の世界と移り変わりました。やっと、厳しい冬がやってきましたね。

(1月20日 片品村)

【大きな滑り台?!】
久しぶりの大雪に見舞われた片品村では、朝早くから除雪作業に追われていました。尾瀬ぷらり館の目の前には「スノーシューター」と呼ばれる雪捨て場があります。除雪作業で集めた雪をトラックに積み込み、ここで捨てるそうです。捨てた先は片品川が流れているため、ゆくゆくは流れる川の一部になります。除雪作業とはいえ、雪を捨てる場所も決まっているのですね。

(1月20日 片品村戸倉)

【戸倉見た尾瀬沼方面】
尾瀬ぷらり館の横に架かっている「想い出橋」から尾瀬沼方面を見た景色です。雪をかぶった山々の真ん中を片品川が流れ、この川の上流には尾瀬沼があります。戸倉には、今年初めて雪が多く積もったそうですが、尾瀬沼や尾瀬ヶ原の方では毎年約2~3mほど積もると言われています。今年はどれほどの雪が積もっているのでしょうね。

(1月20日 片品村戸倉)

【ご紹介!展示品(1)種子落としマットで取れた種】
東京電力自然学校尾瀬・戸倉教室の入口には、群馬県側の入山口にも設置してある「種子落としマット」を敷いています。尾瀬・戸倉教室に入る際、マットの上で、靴底についた泥をしっかりと落として、中に入っていただいています。東京電力自然学校スタッフが調べてみたところ、マットには種がついていました。種からどんな植物が生えてくるのか、調査している最中なのですが、最近、芽が出たそうです。いったい、どんな植物が生えてくるのでしょうね。

(1月20日 東京電力自然学校尾瀬・戸倉教室)

【紹介!展示品(1)キノコや木の実の展示】
尾瀬・戸倉教室では、スノーシュー体験プログラムを体験することができます。この他に、尾瀬・戸倉で見つけたキノコの展示コーナーをやっており、来館者の目を楽しませています。これらのキノコは、フリーズドライという真空冷凍乾燥を行って、展示し、普段なかなか見ることのできない色々な種類がたくさんご紹介されているので、ぜひ、足を運びに来てみてくださいね。
※水曜は休館日です。

(1月20日 東京電力自然学校尾瀬・戸倉教室)

【紹介!展示品(3)季節の移り変わりの展示】
尾瀬・戸倉教室周辺から戸倉地区全景を昨年の4月より毎月、同じ場所から撮影したものを紹介するコーナーができました。四季の移り変わりがはっきりと分かる内容となっています。四季の情景はそれぞれ異なっているからこそ「魅力的」だと感じました。春・夏・秋・冬とそれぞれの季節を楽しめるってとても楽しいなと思いました。でも、今年の冬はとても寒いですね!

(1月20日 東京電力自然学校尾瀬・戸倉教室)

次回は、2月中旬頃、尾瀬の冬景色を中心にご紹介したいと思います。

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