尾瀬を知る

尾瀬だより

第16回 「だんだんと冬らしく・・・」

平成22年11月21日

朝晩が一層冷え込む季節となってきましたね。鳩待峠や大清水へ通じる道路は冬期閉鎖となり、また、雪がちらほらと降るようになりました。今年のシーズンは終了となり、いよいよ冬の到来!が近づいてきています。

さて、今回は、東京電力環境保全スタッフたちが見つけた尾瀬の様子、東京にある国営昭和記念公園で行われたイベント、そして、年に1度行う森の手入れ「尾瀬戸倉山林の森林管理」の様子を辰井・桑原がお届けします。ぜひ、ご覧ください。

【新しい木道】
ここからは、東京電力環境保全スタッフたちが見つけた尾瀬の様子をお届けします。10月中旬から行われていた鳩待峠からオヤマ沢田代間の木道工事が終了となりました。今年も皆さまのご協力により、無事に終了することができました。ありがとうございました。ところで、ぴかぴかの木道に雪が積もっていますね。東京電力環境保全スタッフたちの話によると、工事終盤の頃には、雪が降る中での作業となったそうです。尾瀬の寒さがいかに厳しいのかを物語っているような1枚です。

(10月29日 鳩待峠からオヤマ沢田代間)

【熊の足跡】
東京電力環境保全スタッフたちが鳩待峠から至仏山への巡視をしている道中で、クマの足跡を発見しました。登山道には雪が積もっていたこともあり、足跡がくっきりと残っていました。雪が積もると、動物の足跡、「フィールドサイン」を見ることができるそうです。クマさんは、冬眠の準備を始めていたのかな・・・。

(10月29日 至仏山)

【2重の虹】
東京電力自然学校スタッフが貴重なショットを収めてくれました!夕方頃、戸倉から大清水の方を見ると、2重の虹がかかっていたそうです。私は一瞬、「虹だ!」と見えたのですが、よく見てみると、上にうっすらともう一つの虹が架かっていました。天高く、鮮やかな色をした虹はとてもきれいですよね。2重の虹だから、いいことが2倍あるといいな!!と願う私でした。

(11月1日 戸倉)

【フユシャクガの仲間】
「冬尺蛾」と書き、名前のとおり、冬に中心に活動するそうです。ちょうど雪の上を飛んでいるところを撮った一枚です。春から秋にかけては、幼虫となり広葉樹の葉を食べて暮らし、秋の終わりから冬にかけて成長し、活動が活発になるそうです。また、夜行性で昼間は落ち葉の下や木々の隙間などにうまく隠れているそうで、あまり人目に付かないそうです。なんだか、『かくれんぼの達人』のようですね!

(11月4日 富士見峠)

【アヤメ平も・・・】
10月の終わり頃に初冠雪をしてから、湿原がところどころ雪に隠れ始めました。アヤメ平にも雪が積もったのですが、この日はスタッフの話によると、「昨日の天気が嘘のように、からっとした秋晴れ」だったそうで、雪が融け、秋に逆戻りしたそうです・・・。

(11月4日 アヤメ平)

【雪化粧の至仏山】
横田代から眺めた至仏山は、尾瀬ヶ原から眺める至仏山とは違った顔を見せてくれます。前日に雪が降ったそうで、雄大な至仏山は、まるで粉砂糖をかけたようなデコレーションでした。これからどんな姿になっていくのか、楽しみですね。

(11月4日 横田代)

【池塘も冬モードへ】
横田代にある池塘の表面がじわりと凍り始めていました。本当に季節の移り変わりは早いもので、新緑や草紅葉の時期が懐かしく感じられます。

(11月4日 横田代)

【シカの足跡】
この日もまた、東京電力環境保全スタッフたちがフィールドサインを発見!シカの足跡を発見したそうです。シカの蹄(ひづめ)は、人間の指のように開いたり閉じたりするそうで、柔らかい地盤や滑りやすい場所になると、蹄を大きく開いて安定をとろうとするそうです。足あとは、7~8cmほどの大きさがあり、前足をついた場所に、後ろ足を重ねて歩くのが特徴だそうです。フィールドサインっておもしろいですね!

(11月5日 至仏山)

【本物の尾瀬?!】
ここからは、国営昭和記念公園花のみどり文化センターで行われたイベントの様子をお届けします。約半世紀にわたって取り組んでいる尾瀬の自然保護活動を来場された多くの人たちに知っていただきたいと思い、尾瀬の湿原を再現したコーナー、パネルを使っての説明をしました。中でも尾瀬の湿原を再現したコーナーは、大人気で、尾瀬のことを知らない人も、林間学校で尾瀬に行ったことがある子たちにも興味を持っていただけました。「まるで尾瀬にいるみたい」と、木道のベンチに座って記念撮影を楽しんでいる家族連れもいました。(でも、記念撮影の様子ではなくて、ごめんなさい)

(11月7日 国営昭和記念公園)

【メダカの学校】
尾瀬の自然保護活動を紹介するコーナーだけではなく、「東京電力自然学校」の関するコーナーも用意しました。東京電力自然学校は、主に発電所・当間・尾瀬をフィールドに、自然にふれてもらおうと様々なプログラムをご用意しています。この日は環境部の星野が担当でした。ここでは、発電所で行っているプログラム「メダカの観察会」を開催し、メダカのオスやメスの違いを調べてみよう!という内容でした。子どもたちだけではなく、お父さんやお母さんも真剣!めだかに詳しくなれたかな・・・。

(11月7日 国営昭和記念公園)

【落ち葉のプール】
子どもたちに人気があった「落ち葉プール」。ふかふかの落ち葉にふれることが楽しくて、帰りたがらない子どもたちがたくさんいるぐらい、にぎわっていました。また、落ち葉の下にはどんぐりやまつぼっくりも隠れていたこともあり、どんぐりなどの「宝」さがしに夢中になっている子たちもいました。私も子どもたちと一緒に遊んでいたら、小さな男の子が私に向かってたくさんの落ち葉を「えいっ!」とかけられました。トホホ・・・。わんぱくな子どもたちには参りました。以上、イベント紹介でした。

(11月7日 国営昭和記念公園)

【カラマツの美林】
ここからは戸倉山林の森林施業について、辰井よりお届けします。戸倉から大清水に向かう、国道401号線沿いのカラマツ林です。木々の鮮やかな黄色がとても美しく、きれいでした。11月8日、戸倉から大清水に向かう道路は冬期閉鎖となったのですが、作業の安全を確保することから、例年、道路が閉鎖された後のこの時期に森林施業を行っています。

(11月9日 尾瀬戸倉山林)

【年に1度の手入れ・尾瀬戸倉山林の森林管理】
東京電力環境保全スタッフは木道アヤメ平の湿原回復作業だけではなく、尾瀬国立公園の南側に位置する、尾瀬戸倉山林の森林管理も行っています。森林が持つCO2吸収の機能、緑のダムとしての水源かん養機能を高めるために、例年この秋の季節に間伐を中心とした手入れを行っています。間伐をすることで、樹木の生長が促すことができます。今回は、樹木医の笛木とともに、現場の安全確認に行ってきました!

(11月9日 戸倉~大清水間)

【軽作業道敷設】
昨年度に続いて、間伐した材を外へスムーズに運び出すことができるように軽作業道を敷設しています。今年はなかなか手入れをすることができなかった部分、特に道路から深奥部に入った箇所を中心に間伐を行っています。雪もちらつきはじめた尾瀬ですが、東京電力環境保全スタッフたちは、日々安全には留意しながら、作業を行っています。

(11月9日 尾瀬戸倉山林)

【モノレール敷設】
今年度、初めての試みとして、軽作業道に加えて、間伐材の搬出用に「モノレール」を設置しました。これまでは、傾斜地や深奥部の材を運び出すことは時間もかかり、大変な作業だったそうです。このモノレールを設置したことで、間伐した材をスムーズに道路沿いまで運び出すことができるような仕組みとなっています。間伐した材は、木道や軽作業道の材料などに有効に活用していきたいと考えています。

(11月9日 尾瀬戸倉山林にて)

次回は、いよいよ本格的な冬を迎えた尾瀬戸倉の様子を、辰井よりご紹介します。

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