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私が、お応えします。
福島第一廃炉推進カンパニー
福島第一原子力発電所 機械設備部 機械第三グループ
1・4号燃料管理チームリーダー(取材当時)
松本 信吾

廃炉の「今」と「これから」 4号機燃料取り出し

「今」の取り組み

Q.4号機から燃料を取り出した方法は?

A.燃料は次のような手順で取り出しました。 1.建屋上部のガレキを撤去 2.燃料を取り出すためのカバーを建設し、大型機器を設置 3.使用済燃料プール内で、「キャスク」と呼ばれる専用の容器に燃料を収納 4.容器ごと燃料をつり上げ、専用エリアで除染・点検 5.燃料の入った容器を専用車両に乗せ、発電所敷地内の共用プールや6号機の使用済燃料プールへ移送 6.移送先の共用プール内で容器から燃料を取り出し、水中に保管 燃料取り出し作業の流れ

Q.燃料取り出し作業の安全対策は?

A.それぞれの手順で行った主な安全対策をご説明します。 1.ガレキを撤去する際は、ガレキが落ちても大丈夫なように、使用済燃料プールに鉄板などによるフタをしました。 2.燃料を取り出す大型機器を据え付けた建屋のカバーの鋼材は、東京タワーとほぼ同じ量を使用しており、東北地方太平洋沖地震と同程度の震度6強にも耐える非常に頑丈なつくりとなっています。
日本の技術を駆使した、世界に類を見ない構築物です。 3.使用済燃料プール内の作業は水中カメラで確認し、小さなガレキは水中掃除機などで撤去しました。 4.燃料を扱うアームは、燃料をつり上げた状態ではフックが開かないしくみです。
燃料を扱うのは資格のある作業員で、特別な訓練も行いました。 5.燃料の入った容器をつり上げるクレーンは二重ワイヤー構造です。万が一、一方のワイヤーが切れても落下しません。 6.燃料を移送する共用プールは安定的に冷却されており、非常用電源の多重化などで、もしもの場合の安全も確保しています。 7.燃料を直接扱う作業はすべて、放射線を遮へいする効果のある水中で行いました。

Q.放射線が出ている燃料は、安全に移送されたの?

A.燃料は、水中で「キャスク」と呼ばれる専用の容器に入れてから取り出し、移送されました。「キャスク」は、直径約2.1メートル、全長約5.5メートル、重さ約82トンで、茶筒のような円筒形です。22体の燃料を収納できます。除熱、密封、臨界防止、遮へいの機能があり、国の認可を受けた鋼鉄製の大変頑丈な容器です。 キャスク

Q.燃料の取り出しで大変だったことは?

A.水素爆発により建屋が破損し、多くのガレキが使用済燃料プールに散乱していました。こうした状況下で行う一連の燃料の取り出し作業は、これまでだれも経験したことのない作業への挑戦でした。 積み重なる建屋内のガレキを一つひとつ慎重に撤去していくことから始まり、使用済燃料プール内のガレキも一つひとつ取り除きます。また、ラックと燃料の隙間に挟まった小さなガレキは水中掃除機で取り除き、慎重に撤去していきました。
燃料を引き上げる際は、隙間に入り込んだ小さなガレキが燃料に影響しないよう、水中カメラで監視しながら慎重に実施しました。防護服やマスクを装着しての長期作業であり、被ばく量をできるだけ低くするために、大変神経を使いました。 関係する企業のみなさまや国内外の専門家の方々のご協力により、実現できた作業です。

2017年3月現在



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