新潟で働く私たちの思い
~若い世代の目標となるような「人財」を育てていく

2018/03/16

柏崎刈羽原子力発電所では、福島第一原子力発電所の事故の反省をふまえて、設備の強化・新設に取り組んでいます。今回は発電所で人材育成に携わっている社員に、仕事に対する思いを聞いてみました。

福島第一原子力発電所の事故を経験して

私は、平成6年に入社し、初めての勤務地が福島第一原子力発電所でした。そこでは主に福島第一の1,2号機のタービン設備をメンテナンスする業務に携わっていました。私の入社当時の上司だった吉田昌郎さんは、普段とても気さくですが、トラブル対応時には一転、真剣な表情で的確な指示を飛ばしてリーダーシップを発揮する方で、人望も厚く、強い憧れを抱いたのを今でも鮮明に覚えています。

それからおよそ17年経ち、私が東京の本社に勤務していた平成23年に福島第一の事故が起こりました。その頃の私は、平成19年の新潟県中越沖地震後に設立された「中越沖地震対策センター」で、柏崎刈羽原子力発電所における設備の点検・復旧、耐震強化等に関わる業務に携わっていました。テレビ会議モニター越しに、入社当時の上司だった吉田さんが所長として陣頭指揮を執る様子、そして、深刻化していく現場の状況を目にしました。福島第一の事故で、「絶対の安全はなく、事故は起こりうる」ということを思い知らされました。事故のリスクを正しく理解し、一人ひとりが真摯に向き合うこと、また拡大させないためにどのようなことをしていく必要があるのか考えることが私たちの責務であると、改めて強く感じました。

発電所で働くことに誇りを持ってもらいたい

私は現在、一昨年12月に発足した原子力人財育成センターで、柏崎刈羽原子力発電所の所員の研修管理や講師をしています。組織を束ねるリーダーシップは、人間性に加えて、幅広い知識と確かな技術力が必要です。そのため、資格取得に向けた勉強会や、管理職向けの研修など、発電所のこれからを支えていく若い世代の目標になるような「人財」の育成に力を入れています。現在ではより良い研修内容とするために、「運転」「保全」「放射線」「燃料」「安全」などさまざまな部門と連携し、教育訓練プログラムの開発や改善を目的とした会議体を計画的に開催しています。

また、災害防止に向けては、机上のみでなく自ら体験することで、日常業務における危険を予知する力を身につけるべく、本年4月から危険の潜む現場での作業を想定した体験型の総合訓練施設も運用していきます。なによりも、大切な人財が安全に作業することが第一であるため、この施設の活用を通じてひとりひとりが安全に作業できる能力を養い、高めていきたいと考えています。

今年度は発電所に42名の新入社員を迎えました。中には、「将来的に廃炉作業に携わりたいので、まずは原子力発電所で学びたい」といった思いの社員がいることをとても頼もしく思います。自分の息子と同じくらいの年齢の彼らに、私たち先輩社員が成長し続ける姿を示すことで、発電所で働くことに誇りを持ってもらいたい、そして安全を最優先に業務に取り組んでほしい。そんな思いで、これからも「人財」育成に取り組んでいきます。

東京電力ホールディングス株式会社
今井 賢樹 (いまい さかき)

原子力人財育成センター
柏崎刈羽人財育成グループマネージャー
平成6年入社

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