尾瀬を知る

尾瀬だより

第10回 「尾瀬サミット2010」

平成22年9月11日

9月を迎え、尾瀬では、秋の気配が近づいてきました。花から実へ、また緑から紅葉へと移り変わっていく時期でもあります。とはいえ、日中はまだまだ日射しが強い日々が続いています。尾瀬に行くときは、こまめな水分補給と帽子が欠かせません。もちろん、お肌のためにも日焼け止めをバッチリ塗らなきゃ!ですね。

9月初旬、群馬・福島・新潟の3県知事と関係者が、年に一度、尾瀬に一堂に集まって行われる「尾瀬サミット」が開かれました。当社からは社長の清水が出席しました。今回は尾瀬サミットの様子、尾瀬ヶ原での木道工事などを中心に、桑原がお届けします。

【東京電力自然学校「尾瀬・戸倉教室」へ】
翌日に行われる尾瀬サミットの前に、尾瀬の麓・戸倉にある「東京電力自然学校 尾瀬・戸倉教室」へ立ち寄りました。尾瀬・戸倉に生きる動植物を学ぶことができるように、動物や植物の写真、昆虫の標本などを展示しています。清水社長は、渓流釣りが趣味のようで、イワナが元気に泳ぐ水槽のところではとても楽しんでいました。

(9月2日 東京電力自然学校 尾瀬・戸倉教室)

【鳩待峠の看板前で】
念入りに準備体操をし、準備が整ったところで、山ノ鼻に向けて出発。今回、竹内も同行しました。尾瀬は、もともと昭和9年より日光国立公園の一部として登録され、平成19年8月に分離・独立して、「尾瀬国立公園」として誕生しました。これを機に、群馬県側にある看板も変え、早3年が経ちました。今ではすっかり「尾瀬国立公園」の“顔”として定着してきています。

(9月2日 鳩待峠)

【早朝の自然観察会】
サミットの前には、尾瀬保護財団による「自然観察会」が行われます。朝から天気がよく、清々しい空気の中で行われました。ここは山ノ鼻研究見本園にある池塘。ヒツジグサの芽がところどころに顔を出していました。ヒツジグサは未の刻(午後二時)に咲く花から名付けられたと言われるように“朝寝坊さん”なので、この時はまだ咲いていませんでした。(向かって左から尾瀬保護財団・安類さん、大澤群馬県知事、泉田新潟県知事、当社社長の清水、鈴木環境省自然観察局長)

(9月3日 山ノ鼻)

【エコキュートをご説明】
自然観察会の後、山ノ鼻にある山小屋・至仏山荘に設置しているエコキュートや自然をまもる取り組みについて、説明をさせていただきました。大澤群馬県知事、佐藤福島県知事、泉田新潟県知事、鈴木環境省自然観察局長がお話を聞いてくださいました。そして当社社長の清水も横で聞いていました。昨日から真剣に説明メモを暗記していた辰井の話によれば、多くの関係者が見ている中での説明は、「本当に緊張した!」ようです。私は説明用のパネル持ちだけだったのですが、この時、カメラのフラッシュがあまりにも多かったせいか、手に汗をかいていました・・・。

(9月3日 山ノ鼻)

【尾瀬サミット2010】
この尾瀬サミットは、毎年群馬県・福島県・新潟県と持ち回りでの開催となり、今年は群馬県で行われました。「みんなの尾瀬をみんなで守り、みんなで楽しむ」をテーマに、3県(群馬・福島・新潟)の知事、各関係者の方々と『尾瀬の保護と利用のバランス』について、活発な意見交換を行いました。

(9月3日 尾瀬ロッジ)

【登山家・田部井さんと】
尾瀬サミットに出席していた田部井さんとお会いしました。田部井さんは、このホームページのコンテンツ『TEPCOのECO対談』に登場してくださったことがあります。私は初めてお会いしたのですが、とてもエネルギッシュあふれる元気な方でした。竹内、辰井と一緒に写真を撮らせていただきました。以上、尾瀬サミットでした。

(9月3日 至仏山荘)

【今までありがとう。お世話になりました!】
ここからは、木道工事のお話をさせていただきます。牛首からヨッピ吊橋間で8月から9月にかけて木道工事を行いました。この木道が設置されたのは、平成11年の頃だそうです。約12年間、雨にも耐え、雪の重みにも耐え、ハイカーが安全に、尾瀬の自然に触れながら通れるようにと、1年1年頑張ってくれました。しかしながら、木道はカラマツという木材を使っているため、徐々に老朽化してきていることから、10年に1度の架け替えが必要となります。本当に12年間、お疲れ様でした!!

(8月23日 尾瀬ヶ原)

【新しい木材が来た!!】
木道に使う材は、ヘリコプターで運ばれてきます。ヘリコプターが木材を運んでくる瞬間に立ち会いました。近づいてくるとともに、風がとても強くなり、飛ばされそうになりました。その一連の作業は、迫力感がありました!!ヘリコプターでものを運ぶとき、なるべくハイカーの上を通らないように、確認しながら運んでいるそうです。

(8月23日 尾瀬ヶ原)

【1番乗り!】
新しく設置された木道は、9月中旬には完成する予定です。いつ見ても思うのですが、新しい木道の色がピカピカに輝いて、まるで小学1年生のようでした。誰もいないのを見計らって、1番乗りを狙い、座ってみました!新しい木道は、やさしいぬくもりがしました。以上、木道工事でした。

(8月23日 尾瀬ヶ原)

【試験的に実施しています】
雨が降ったとき、特に傾斜のある木道は濡れて滑りやすくなります。この度、環境省の許可を得て、鳩待峠から山ノ鼻区間において、雨に濡れても滑りにくい新素材の木道を試験的に敷設しました。国立公園特別保護地区内にあるため、今後、周辺の自然景観との調和や利用者の反応を聞きながら、環境省と検討を重ねていく予定です。通る機会がありましたら、ぜひ自分の足で確かめてみてくださいね。

 

【アヤメ平湿原回復作業に向けて】
アヤメ平では、昭和44年頃から荒れ果てた湿原の回復作業を行っています。今では約9割に緑が戻ってきていますが、残りの1割については、昨年度より試験的に方法を変えて取り組んでいます。今年も回復していないところを中心に作業を行う予定ですが、緑を取り戻すためには、湿原に生育するミタケスゲやヤチスゲの種子が必要となってきます。このとき、種子を採っていた東京電力環境保全スタッフたちに遭遇。パチリ。

(8月23日 尾瀬ヶ原)

【スタッフたちの背中のひ・み・つ】
種を採っていたスタッフたちの背中をよく見てみると、ある紙を付けていました。主に、木道がある場所は国立公園の中でも「特別保護地区」と呼ばれる地域であり、植物を採ったり、折ったりすることが禁止されています。環境省に申請をし、許可をいただいてから、決められた場所で決められた植物の種子を採っています。「勝手に種を採っている」と誤解されることのないよう、『アヤメ平植生回復作業に使用する植物の種子を採取しています』と背中に付けて作業をしています。 以上、アヤメ平回復作業情報でした。

(8月23日 尾瀬ヶ原)

【アケボノソウ】
尾瀬に咲く植物のお話をしたいと思います。この花を見ると、「尾瀬の短い夏が終わったな」という気になると言われるそうです。尾瀬では、一色の花びらが咲いているのを多く見かけるような気がしますが、このアケボノソウは花びらに斑点模様のついたおしゃれ(!?)な植物です。これらの斑点が星、黄色い丸が月と夜空の星に見立てたことから名付けられたそうです。

(9月3日 尾瀬ヶ原)

【オオマルバノホロシの実】
秋になると、実をつけた植物をところどころに見かけるようになります。ナスに似た実がなることから「尾瀬ナス」の名を持つと言われているそうです。このときは、葉っぱの繁みに隠れていて一瞬分からなかったのですが、スタッフが見つけて、教えてくれました。ナスより、まるでトマトのようにも見えました。

(9月2日 尾瀬ケ原)

【ウメバチソウ】
尾瀬ケ原でよく見ることのできる植物です。茎が細くて長く、白い花びらをつけて風にゆれる姿はとても可憐な雰囲気を醸し出していました。バレリーナーがくるくると舞うようなかわいらしい花で、私のお気に入りの1つです。

(9月2日 尾瀬ケ原)

【みどり色からこがね色へ】
少しずつではありますが、尾瀬ケ原の湿原がだんだん紅葉シーズンへ変化していく姿をカメラに収めました!日ごとに「こがね色」が増しているそうです。尾瀬の紅葉はとてもきれいですので、ぜひ足を運んでみてくださいね。以上、植物情報でした。

(9月8日 下田代)

次回は、9月7日~8日にかけて尾瀬で実施した「テプコのエコ先生」の研修会の様子を中心に、9月中旬頃に桑原よりお伝えします。

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