福島第一原子力発電所構内における防護装備品着用の運用変更について
平成24年2月23日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所においては、平成23年3月11日の東日本太平洋沖地震によ
る事故以降、免震重要棟や休憩所等を除く同発電所構内全域において、全面マスク
(半面型のマスクを含む)の着用を義務づけてまいりましたが、収束に向けた対策
に全力で取り組んできた結果、同発電所構内における空気中の放射性物質濃度は低
下傾向を示してきており、全面マスク着用に伴う作業員への負荷を軽減するため、
免震重要棟への車両による移動等に伴う一部の区域で全面マスク着用を省略可能と
する運用に変更することとし、平成23年11月8日より、その運用を開始しました。
(平成23年11月1日お知らせ済み)
福島第一原子力発電所においては、平成23年3月11日の東日本太平洋沖地震によ
る事故当初、同発電所構内で検出された放射性物質について、ヨウ素が支配的であ
ったことから、ヨウ素および粒子捕集能力を持つチャコールフィルタ装着マスクの
着用を義務づけてまいりました。
また、事故以降、免震重要棟や休憩所等を除く同発電所構内全域において、放射
性物質の付着による被ばくの防止や汚染拡大防止を目的として、不織布カバーオー
ル(タイベック等)の着用を義務づけてまいりました。
現状、同発電所構内における空気中の放射性物質濃度は安定して低下傾向を示し
ていることから(昨年9月以降、ヨウ素は検出限界濃度を下回っている状況)、さ
らなる作業員の負荷軽減および廃棄物低減を目的に、チャコールフィルタ装着マス
クならびに不織布カバーオール着用に係る運用について、以下の通り、変更するこ
ととしました。
・チャコールフィルタ装着マスク
特定エリアにおいては、マスクに装着するフィルタをチャコールフィルタか
ら粒子捕集能力を持つダストフィルタに変更する。
・不織布カバーオール
全面マスク着用の省略化と同じ対象範囲で、不織布カバーオールから一般作
業服に保護衣を変更する。
今回の運用の変更については、経済産業省原子力安全・保安院に説明するととも
に、その内容について妥当である旨確認をいただいたことから、本年3月1日より、
本運用を開始することとします。
引き続き、プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、作業環境の改善に向
けた取り組みを進めてまいります。
<チャコールフィルタ装着マスク着用の運用変更の内容>
(1)チャコールフィルタからダストフィルタへ変更する対象
・1~4号機付近の建屋内以外
(2)チャコールフィルタからダストフィルタへ変更する際の運用事項
・保安規定第140条(使用済燃料プールの水位及び水温)および第143条(未臨
界監視)の規定に基づく監視により、異常兆候が見られないことを確認
・マスク貸出箇所において、作業場所により着用するマスクのフィルタが異な
ることの掲示等による明確化
・不測の事態に備え、免震重要棟・各休憩所にチャコールフィルタを必要数配
備
・事前教育の実施等による周知
<不織布カバーオール着用の運用変更の内容>
(1)不織布カバーオールから一般作業服へ変更する対象
・福島第一原子力発電所構外と同発電所免震重要棟等の間を直行する移動車両
内、免震重要棟と5/6号機サービス建屋の間を直行する移動車両内および
移動車両から免震重要棟前または5/6号機サービス建屋休憩所出入口まで
の間の移動
・正門において入構時の手続き等を行う際の移動
(2)不織布カバーオールから一般作業服へ変更する際の運用事項
・移動用車両の車内汚染測定の実施(スクリーニングレベル未満であることを
確認)およびシート養生
・一般作業服着用者が乗車する移動用車両を識別するための標識掲示
・移動用車両の定期的な車内汚染確認およびシート養生の状況確認ならびに必
要となる措置の実施
・事前教育の実施等による周知
以 上
○添付資料
(1)チャコールフィルタ装着マスク着用エリア(PDF 437KB)
(2)チャコールフィルタとダストフィルタの仕様比較(PDF 120KB)
(3)一般作業服着用の運用変更のイメージ(PDF 103KB)
○参考資料
・1F構内の空気中放射性物質濃度測定結果(PDF 113KB)
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