福島第一原子力発電所2号機汚染水の止水対策と海洋への流出量について
平成23年4月21日
東京電力株式会社
平成23年4月2日午前9時30分頃、2号機取水口付近の電源ケーブルを収納する
立坑(コンクリート製)内に水が溜まっており、空間線量で1,000mSv/hを超えてい
ること、およびその水が立坑側面の亀裂(約20cm)より海に流出していることを確
認いたしました。
(4月2日お知らせ済み)
2号機の取水口付近からの流水については薬液注入を実施し、4月6日に止水に
至っております。 (4月6日お知らせ済み)
その後、グラウト施工※1による、流出箇所の止水のさらなる強化を図ってまい
りましたが、本日(4月21日)までに、その工事が完了いたしました。
引き続き、海水配管トレンチの滞留水溢水防止のため、立坑の閉塞作業を行うな
ど、さらなる流出防止対策を講じる予定です。
2号機のタービン建屋側スクリーン口から流出した高い濃度の汚染水の流出量は、
流出が確認された4月2日の前日である4月1日から6日の止水時まで、一定量で
流出したと仮定した場合、約520m3と想定され、その放射能量は約4.7×1015ベク
レルと推定されます。
この流出に対し、放射性物質を含む液体の拡散防止対策として、2号機スクリー
ン室に鉄板を設置、1〜4号機スクリーン室前面にシルトフェンスを設置、発電所
南側防波堤付近に大型土のう62袋を積み込み、また、1〜4号機スクリーン室前面
に放射性物質吸着剤(ゼオライト)を入れた土のう10袋を投入するなど、沖合への
流出を最小限に抑制しております。更に、今後、発電所南側防波堤付近への鋼矢板※2
や、放射性物質吸着装置などの設置も検討してまいります。
また、タ―ビン建屋等に滞留している放射性物質に汚染された水の外部への流出
を確実に防止するため、集中廃棄物処理施設やタンクへの滞留水の保管や汚染水の
処理を着実に進めてまいります。
今後とも、沿岸・沖合における海水サンプリングにより、放射性物質の監視を実
施することにより経過観察を続けてまいります。
以 上
※1 グラウト施工:水ガラスやセメント系材料を注入し、水の流れを止める工法
※2 鋼矢板:土のもれだしや水の流出を防ぐために地盤内に設置する鋼製の板
添付資料
・別紙:福島第一原子力発電所2号機の取水口スクリーン付近のコンクリート亀裂
部からの流出量について(PDF 10.6KB)
・参考1:放出流量の評価方法(PDF 20.5KB)
・参考2:写真(平成23年4月5日14時20分頃撮影)(PDF 27.3KB)
・参考3:放射性物質を含む液体の拡散防止対策(PDF 142KB)
・参考4:沖合3km、8km、15km調査位置図(PDF 80.8KB)
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