DX変革事例

3Dモデル技術を活用した原子力発電所の設備管理高度化

  • 対象とする構造物等の形状を三次元で立体的に表現できるデジタル技術としてBIM*1モデルを導入

  • 原子力発電所の建屋を3Dモデル化することで、外面だけではなく、内面の壁面・貫通部等の構造を可視化

  • 貫通部保守の正確な計画・実施により安全設計を確実に維持するとともに、原子力発電所運営の更なる高度化を目指す

取り組みのポイント

  • 建屋細部を3Dモデル化

    • 様々な設計要求をデータ化し、一元的に統合管理

    • 要求事項を網羅的・俯瞰的に確認可能

    • 膨大な平面図情報や形状情報を効率的に確認可能

  • 多様な関係者間の情報共有を容易に

    • 設計段階の要求の織り込み漏れを防止

    • 組織・会社間での意思疎通の漏れを防止
      ➡設計から現場まで一貫して施工ミスを防止

取り組みの展望

  • 更なる安全性の追求

    • 外部とのモデル共有で設計・施工の正確さを向上

    • システム間の情報齟齬を防止し、現場業務を効率化

図
  • *1:BIM = Building Information Modeling

  • 担当者の声

    業務面からのニーズとデジタル技術のシーズとを掛け合わせて、業務品質と効率に寄与できる成果物とすることに苦労しました。また、BIMモデル作成後の大きな手戻りを防ぐため、最初に小規模モデルを作成し、業務への適合性やモデル作成手順の確認を実施しています。
    DXを通じて、発電所員が業務品質確保を効率的に達成できること、ひいては原子力安全レベルを高めることに寄与したいと考えております。

    東京電力ホールディングス原子力・立地本部コンフィグレーション管理・設計管理CFAM
    齋藤 朗

  • 柏崎刈羽原子力発電所に初めて導入するシステムであり、管理するためにどの情報が必要か、その情報を収集する方法は何かの検討が必要でした。更に、ユーザが簡単な操作で感覚的に使用できるシステムとするためのインターフェースの構築にも注力しました。
    また、発電所内の貫通孔を管理するために必要な情報は相当数になり、データを正確に入力することが重要なため、手順通りにできているか、メンバーが丁寧に確認し、作業を進めました。
    機能性の高いシステムを作っても、使用する発電所員が使いにくいものであれば、意味を持ちません。このシステムを社員が使っていくのもとなるため、「情報は正確に」「システム操作は簡単に」を実現するためにメンバー共々取り組んでいます。

    東京電力ホールディングス
    柏崎刈羽原子力発電所
    第二保全部
    コンフィグレーションマネジメントグループ
    大泉 篤史

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