コロナ禍に負けず福島の魅力を発信!
ふくしま流通促進室の「ニューノーマル」な取り組み

2021/03/18

コロナ禍に負けず福島の魅力を発信!ふくしま流通促進室の「ニューノーマル」な取り組み

東京電力ホールディングスのふくしま流通促進室は、2018年2月に設置された組織で、福島第一原子力発電所事故の当事者として、風評払拭に向けた福島県産品の取り扱い促進を図る活動を行っています。2020年度からは新型コロナウイルス感染症の影響で従来型のイベント開催が難しくなる中、「ニューノーマル」に対応して福島県産品を皆さまに広められるような新しい取り組みにチャレンジしています。企画・運営を担当した社員へ話を聞きました。

東京電力ホールディングス株式会社
ふくしま流通促進室 ふくしま県産品販売促進第二グループ

松田 洋和

1998年入社。東扇島火力発電所などを経て、現職へ。飲食店を対象にした、福島県産品のメニューへの導入促進などを担当。

松田 洋和

東京電力ホールディングス株式会社
ふくしま流通促進室 ふくしま県産品販売促進第二グループ

大川 千晴

2004年入社。2020年より現職にて、飲食店を対象にした、福島県産品のメニューへの導入促進などを担当。

大川 千晴

東京電力ホールディングス株式会社
ふくしま流通促進室 ふくしま県産品購入促進グループ

秋積 大地

2000年入社。2019年より現職。『ふくしま応援企業ネットワーク』の事務局として、企業を通じた福島県産品消費の促進に向けた活動を担当。

秋積 大地

コロナ禍で従来型の活動がストップ。そのとき…

秋積「ふくしま流通促進室では、農産物・肉・魚と多様な福島県産品を多くの方に広めることを通じて、福島第一原子力発電所事故以降の風評払拭を目指しています。私の所属するふくしま県産品購入促進グループは、福島の復興を応援する企業が集まり、福島県産品の積極的な購入や県内施設の利用促進を進める『ふくしま応援企業ネットワーク』の事務局を務めています。会員企業が開く販売会や、社員食堂での福島県産品取り扱いなどのサポート、さらに会員企業と合同のイベントも開催していました」

松田「私と大川さんはふくしま県産品販売促進第二グループに所属しています。飲食店さまに福島県産品を食材としてご提案し、メニューやフェアなどに取り入れていただくことで、そのお店のお客さまにも福島県産品の良さを知っていただけるような活動を続けてきました」

大川「どちらのグループでも、実際にお店を訪問して福島県産品のメニュー化をお願いしたり、福島フェアを開催していただいたり、あるいはふくしま応援企業ネットワークの皆さんにマルシェを実施していただいたりというWebとは直接繋がらない、いわば“オフライン”の活動が主体でした。しかし、2020年に入って新型コロナウイルス感染症の流行が始まると、外出自粛や店舗の営業時間短縮などによって、従来私たちが取り組んできた活動が難しい状況になってしまいました」

秋積「ただ、私たちの目的は多くの方に福島県産品を手にとって、福島の魅力を知っていただき、多くの方に福島へ思いを馳せていただくことです。その目的を果たすための活動は、形を変えてもできる。そう考え、新しいやり方を模索しました」

「ニューノーマル」に合わせた新しいイベント

松田「外食需要が冷え込む中で、従来のような店舗での飲食からテイクアウトやデリバリーの需要が高まっていることに着目し始めていたところ、ちょうどそこに、例年日比谷公園や代々木公園で魚介料理の食フェス『ジャパン フィッシャーマンズフェスティバル(以下、『魚フェス』)』を開催している産経新聞社から相談をいただき、新しい形の食フェスを共催することにしました」

大川「実施したのは『ジャパン フィッシャーマンズ フェスティバル 発見!ふくしまお魚まつりby デリバリー&テイクアウト(以下、『お魚まつり』)』というイベントです。都内5カ所に期間限定店舗を設置し、『常磐もの』といわれる福島県産の水産物を使ったメニューを特別価格で提供しました。店舗で購入してテイクアウトしていただくほか、デリバリーサービスも利用いただけるようにしました」

『ジャパン フィッシャーマンズ フェスティバル 発見!ふくしまお魚まつりby デリバリー&テイクアウト』

  • ノドグロとヒラメの炙り丼

    ノドグロとヒラメの炙り丼

  • うに貝焼き かにみそ飯弁当

    うに貝焼き かにみそ飯弁当

  • 福島牛のカニまみれウニソース丼

    福島牛のカニまみれウニソース丼

秋積「私のグループでは、活動をオンラインに切り替えることにしました。家庭での食事の機会が増えることから、消費者の皆さまにとっても、福島の生産者の皆さまにとってもECサイトを活用することが有効だと考えたのです。

そこで、福島県の事業者様が多く登録する『ふくしま市場※』と連携して、昨年5月末~夏には福島県産品が抽選で当たるプレゼントキャンペーンや、割引セールを開催。さらに秋には、ふくしま応援企業ネットワークの協力のもと、同様の活動を『届け!ふくしま 秋の味覚キャンペーン』として実施しました」

※「ふくしま市場」
福島県産品を販売する大規模なECサイトで(株)スペースワン(本社:郡山市)が運営。
登録事業者数は約200社で約600点を販売。
https://fukushima-ichiba.com/

『届け!ふくしま 秋の味覚キャンペーン』

食べた方にも、福島にもメリットのあるイベントに

松田「デリバリーやテイクアウトのイベントは当社にとって初めてだったので、販売食数はどれくらいが適切なのか、プロモーション方法はどうすべきかなど、検討する事項が山積みでした。産経新聞社さんの『魚フェス』の事例も参考にしながら、何度も会議を繰り返しました」

大川「今回は1万食を用意し、告知は折込チラシやポスティング、Web上でも行いました。デリバリーやテイクアウトの食フェスは他にないイベントだったので、テレビや新聞、雑誌に取り上げられたことで注目していただくことができました。そのおかげもあって、用意した1万食は完売。『チラシを見て楽しみにして来ました』とうれしい声を聞くことができました」

松田「私は開催当日、店頭で購入してくださった方の声を聞く機会もあったのですが、『おいしかったのでもう一度来ました』『また開催してほしい』と好評をいただきました。また、福島の水産卸会社の売上に貢献でき、食べた方にも、福島にもメリットのある取り組みにすることができたと感じています」

秋積「『届け!ふくしま 秋の味覚キャンペーン』も、同様に告知に力を入れました。県産品をお買い上げいただいた方やプレゼントの当選者の方に、SNSでの発信をお願いすることで、福島県産品の魅力が多くの方に知っていただけたと思います。2度のキャンペーンは、お中元やお歳暮シーズンであったこともあり、サイトアクセス数や売上の目標も達成することができました」

社会の状況に合わせながら 福島県産品の流通拡大に貢献したい

秋積「ECサイトは実店舗での購入と異なり、全国どこからでも福島県産品を購入することができます。今回はECサイトを活用したことで、より多くの方に福島県産品の魅力を伝えることができたと感じています。また何より、コロナ禍でも福島の事業者の皆さまに喜んでいただける取り組みができたのが一番の手ごたえです。

『ニューノーマル』の世の中で、ECサイトは今後も生活の一部として発展していくでしょう。今後も継続的に活用し、持続性のある仕組みづくりに力を入れたいです」

松田「『お魚まつり』に関しては、まずはご好評にお応えして3月18日から22日までに第二弾を開催しています。前回よりも多い1万8千食をご用意し、新しいメニューもそろえて、より多くの方に『常磐もの』を楽しんでいただける機会としたいです」

大川「飲食店の時短営業要請がなくなっても、デリバリーやテイクアウトを続ける飲食店は少なくないと思います。またニュースを見ていると、今年は節分の恵方巻の売れ行きが良かったとのこと。消費者の皆さまの間では、『巣ごもり』でも特別なものを食べたいというニーズがあるようです。こうしたニーズを捉えながら、私たちは福島の生産者さまの手助けになるように、そしてコロナ禍でも多くの方に福島の魅力をお伝えしていけるように、これからもできることを探っていきます」

秋積「社会にはコロナ禍だけでなく、高齢化や地方創生など、多くの課題があります。私たちはその時々の情勢にかんがみて、福島県産品の流通拡大に貢献するには何が必要か、これからも考え続けていくつもりです」

社会の状況に合わせながら 福島県産品の流通拡大に貢献したい

社会の状況に合わせながら 福島県産品の流通拡大に貢献したい

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