1本の木で葉の集まった所全体を樹冠といいます。樹木が成長を続けているのは、この樹冠の1枚1枚の葉の光合成によるからです。樹冠の光合成で作られた糖は、葉、幹、枝、根の成長に使われます。ですからさらに大きくなっていきます。成長を続けることは、二酸化炭素を吸収して酸素を出し続けることです。
それでは、日本の森林では、この二酸化炭素の吸収と酸素の放出がどれくらいになるのでしょうか。日本の森林面積は2,510万ヘクタール[※1]あり、国土面積のおよそ66%です。この森林で一年間に吸収される二酸化炭素の量は8,033万トン[※2]放出される酸素は5,847万トン[※3]になります。数字が大きすぎてよく分かりませんね。5,847万トンの酸素というと、日本に住む人全員が1年間の呼吸で必要とする酸素の量のおよそ2倍です。吸収された二酸化炭素8,033万トンは、向上や発電所などで使われた石油や石炭などから出てくる日本全体の二酸化炭素の排出量13億7430万トン(2007年で)[※4]のおよそ6%[※5]です。
わたしたちの生活から出るこのようにたくさんの二酸化炭素を森林が吸収してくれます。森林を守り育てることが、地球の温暖化を防ぐことになるのです。でも、わたしたちの努力はそれだけでしょうか。温暖化を防ぐには、もっと二酸化炭素を出す量を減らす必要がありますね。そのためには、石油、石炭をなるべく使わないような、わたしたちみんなの努力が大切です。どのような努力か、一人一人ができることをみんなで考えてみましょう。