2021年6月3日
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー

福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項)

【主な作業実績と至近の作業予定等】
・6月3日午前7時15分、1号機残置カバー解体工事にて使用しているバックホウの油圧シリンダーより油が漏えいしていることを協力企業作業員が発見。
 状況は以下のとおり。
  ・発生場所     発電所構内 1号機周辺
  ・漏えい範囲    約3m×10m
  ・拡大防止処置   吸着マットの設置および吸着材の散布
  ・漏えい継続の有無 なし
  ・双葉消防本部への連絡時刻 午前7時23分(119番通報)
 漏れた油については、吸着マットおよび吸着材の散布により処理を完了。
 本件については、午前8時51分に富岡消防署により、「油漏れ事象」と判断された。
・5月20日午後2時3分頃、発電所構内2号機南側エリアにおいて、作業中に負傷者が発生し、入退域管理棟救急医療室の医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると診断されたため、午後2時38分、救急車を要請。
 状況は以下のとおり。
  ・負傷者の所属  協力企業作業員
  ・身体汚染の有無 なし
  ・発生状況    作業中、右足の小指を敷鉄板に挟まれ負傷した。
 当該負傷者を、救急車でふたば医療センター附属病院に搬送。
  ・出発時刻 午後3時5分
  ・到着時刻 午後3時18分
 なお、当該負傷者については、入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受けた結果、「右第5足趾骨折」と診断された。
 その後、いわき市医療センターにて診察の結果、右第5趾末節骨、中節骨、基節骨粉砕開放骨折と診断された。
 また,詳細を確認した結果、負傷者の発生時刻を午後2時3分頃から午後1時45分頃に訂正する。

【サブドレン他水処理施設の状況】
サブドレン他水処理施設の状況

【地下水バイパスの状況】
地下水バイパスの状況

【構内および海洋のサンプリング調査の状況】
・海水(港湾内、港湾外近傍、1~4号機取水口内)、地下水(1~4号機護岸、H4・H6タンクエリア周辺、地下貯水槽周辺、地下水バイパス)、排水路等の水質調査を実施した結果、至近の分析値と比較して有意な変動なし。
※サンプリング結果の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/analysis/
<福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/daily_analysis/

【原子炉および使用済燃料プールの冷却状況】
<原子炉>
・1~3号機原子炉への注水を継続中(各号機ともに冷温停止状態を継続中)。
・原子炉格納容器水位、温度等のパラメータを監視していたところ、2月18日に1号機の原子炉格納容器水位に低下が見られたことから、他のパラメータを確認したところ、1号機において2月15日以降、3号機において2月17日以降に原子炉格納容器温度計の一部に低下傾向が見られた。このため、2月18日に関連パラメータを評価していたところ、1、3号機ともに原子炉格納容器水位が低下傾向にあると判断。
 原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能(希ガスモニタ含む)、敷地境界のモニタリングポスト及びダストモニタ、構内ダストモニタに有意な変動は認められていないことから、外部への影響はないと判断。
 地震後の点検において、原子炉注水設備のパラメータ及び目視点検では異常が確認されておらず、原子炉への注水は適切に行われていることを確認しており、原子炉格納容器水位低下の要因としては地震による原子炉格納容器損傷部の状況変化も考えられるが、今後もパラメータを注視して監視していく。
 原子炉建屋水位については現状では有意な変動は確認されていないが、パラメータの詳細評価及び監視を行っていく。
 2月18日に水位が低下傾向にあると判断して以降、水位計および関連パラメータについて慎重に監視を続けているが、1号機の原子炉格納容器内の水位は、緩やかな低下が続き、5月7日午前11時11分、水位計L2(T.P.+5,664mm)の設置位置を下回ったと判断。
 1号機原子炉格納容器内の水位については、水位計(接点式)による監視を確保するため、接点の最下端である水位計L1(T.P.+5,364mm)を下回らないよう、念のため、水位計L2(T.P.+5,664mm)を下回った段階で、原子炉注水量を増やすこととしている。これに伴い、午後0時43分、原子炉注水量を以下のとおり変更。
 [原子炉注水量変更]
  1号機原子炉注水量:3.0 m/h → 4.0 m/h
 その結果、原子炉格納容器内の水位が温度計T2(T.P.+5,964mm)と水位計L2(T.P.+5,664mm)の設置位置の間にあると評価。
 また、午後0時47分現在、原子炉格納容器温度、原子炉圧力容器底部温度、原子炉格納容器ガス管理システムの放射能濃度などのパラメータ、敷地境界モニタリングポストおよびダストモニタ、構内ダストモニタ等に有意な変動はなく、外部への影響がないことを確認。
 5月7日、水位監視確保の観点から実施した1号機の原子炉注水量の変更に伴い、原子炉格納容器内の水位が上昇し、5月11日午前10時5分、温度計T2(T.P.+5,964mm)の設置位置を上回ったと判断。
 これに伴い、5月11日午前11時25分、原子炉注水量を以下のとおり変更。
 [原子炉注水量変更]
  1号機原子炉注水量:4.0 m/h → 3.0 m/h
 また、5月11日午前11時27分現在、原子炉格納容器温度、原子炉圧力容器底部温度、原子炉格納容器ガス管理システムの放射能濃度などのパラメータ、敷地境界モニタリングポストおよびダストモニタ、構内ダストモニタ等に有意な変動はなく、外部への影響がないことを確認。
 5月30日午後1時、水位計L2(T.P.+5,664mm)の設置位置を下回ったと判断。
1号機原子炉格納容器内の水位については、水位計(接点式)による監視を確保するため、接点の最下端である水位計L1(T.P.+5,364mm)を下回らないよう、念のため、水位計L2(T.P.+5,664mm)を下回った段階で、原子炉注水量を増やすこととしている。これに伴い、午後2時2分、原子炉注水量を以下のとおり変更。
 [原子炉注水量変更]
  1号機原子炉注水量:3.1 m/h → 4.0 m/h
 また、午後2時14分現在、原子炉格納容器温度、原子炉圧力容器底部温度、原子炉格納容器ガス管理システムの放射能濃度などのパラメータ、敷地境界モニタリングポストおよびダストモニタ、構内ダストモニタ等に有意な変動はなく、外部への影響がないことを確認。
 5月30日の原子炉注水量の変更以降、水位計および関連パラメータについて慎重に監視を続けているが、1号機の原子炉格納容器内の水位は、6月1日午後2時30分、水位計L3(T.P.+6,264mm)と温度計T2(T.P.+5,964mm)の間にあると判断。
 なお、原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能および敷地境界モニタリングポスト等に有意な変動なし。
 [原子炉格納容器圧力の低下]
 1号機については原子炉格納容器内の水位上昇に伴い、原子炉注水量を4.0m/hから3.0m/hに変更し、監視強化を実施していたところ、原子炉格納容器圧力が、5月14日午後1時15分より低下傾向にあることを確認。
  1.16キロパスカル(5月14日午後1時15分) → 0.79キロパスカル(5月14日午後2時) → 0.12キロパスカルで安定(5月14日午後6時20分)
 過去の原子炉注水停止試験においても、今回同様に原子炉格納容器内の水位低下に伴う原子炉格納容器圧力の低下が確認されており、原子炉注水量を変更し、原子炉格納容器内の水位低下に伴い、漏えい箇所が露出したものと推定。原子炉格納容器温度、原子炉圧力容器底部温度、原子炉格納容器ガス管理システムの放射能濃度などのパラメータ、敷地境界モニタリングポストおよびダストモニタ、構内ダストモニタ等に有意な変動はなく、外部への影響がないことを確認。
 引き続き、水位および関連パラメータについて、慎重に監視してまいる。
・1号機原子炉格納容器内水位[6月3日午前11時現在]
 水位は、水位計L3(T.P.+6,264mm)の設置位置の付近にある。
 (原子炉格納容器底部はT.P.+4,744mm)
 ※原子炉への注水は安定して継続実施中(1号機原子炉格納容器から流出した水は、1号機の滞留水として建屋内で回収するため建屋外へ漏えいしておらず、再び原子炉へ循環注水している)
 ※原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能および敷地境界モニタリングポスト等に有意な変動なし
 ※1号機は、原子炉格納容器水位に応じた注水量の調整を継続しているため、監視強化を実施。なお、水位の変動に伴い格納容器圧力も変化するが、これまでの監視において外部への影響がないことを確認。
・5月10日に延期をお知らせした、1号機の原子炉注水設備における、炉心スプレイ系注水配管の点検に伴う原子炉注水量変更については、現状(5月17日時点)の水位が、水位計L3(T.P.+6,264mm)と温度計T2(T.P.+5,964mm)の設置位置の間にあり、原子炉への注水は安定して継続していることから、以下のとおり原子炉注水量を変更する。
 [原子炉注水量変更実績]
 (5月18日午後2時22分)
  炉心スプレイ系原子炉注水量 :1.5 m/h →   0 m/h
  給水系原子炉注水量     :1.5 m/h → 3.0 m/h
 [原子炉注水量変更予定]
 6月1日に実施する予定の原子炉注水量変更については、5月30日の原子炉注水量の増加操作後の監視において、原子炉注水量変更により、パラメータ監視に影響が出る可能性があることから、念のため6月4日に延期。
 (6月4日)
  炉心スプレイ系原子炉注水量 :  0 m/h → 1.5 m/h
  給水系原子炉注水量     :4.0 m/h → 2.5 m/h
<使用済燃料プール>
・1,2,3,5,6号機使用済燃料プールを冷却中(3,4号機は燃料取り出し済み)。
・1号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)循環冷却系においては、SFP循環冷却設備制御盤定例点検作業およびSFP二次系共用設備計装品定例点検作業等に伴い、6月1日午前10時から6月25日午後3時までの期間、当該設備の運転を停止予定。
 5月31日午前5時現在のSFP水温度は、26.7℃であり、放熱を考慮し、停止期間終了時点で約45.9℃と評価。
 [実績]
 6月1日午前10時58分、SFP循環冷却系の運転を停止。
 冷却停止時のSFP水温度は、26.9℃。
・2号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)循環冷却系においては、SFP循環冷却設備計装品定例点検および事務本館光ケーブル移設作業等に伴い、6月1日午前10時から6月25日午後3時までの期間、当該設備の運転を停止予定。
 5月31日午前5時現在のSFP水温度は、25.7℃であり、放熱を考慮し、停止期間終了時点で約46.5℃と評価。
 [実績]
 6月1日午前10時44分、SFP循環冷却系の運転を停止。
 冷却停止時のSFP水温度は、25.8℃。
・3号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)循環冷却系においては、SFP循環冷却設備電動弁他点検等に伴い、6月1日午前10時から7月1日午後3時までの期間、当該設備の運転を停止予定。
 5月31日午前5時現在のSFP水温度は、21.8℃であり、放熱を考慮し、停止期間終了時点で約19.5℃と評価。
 [実績]
 6月1日午前10時31分、SFP循環冷却系の運転を停止。
 冷却停止時のSFP水温度は、21.6℃。

【1~6号機の状況】
 ※プラント関連パラメータ等の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<水位・圧力・温度など>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/plant_data/

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2020年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2019年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2018年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2017年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。