ALPS処理水の海洋放出に伴う影響に対する当社の取り組みについて
2023年9月4日
東京電力ホールディングス株式会社
当社福島第一原子力発電所の事故により、今なお、福島県および広く社会の皆さまに多大なるご心配とご負担をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申し上げます。
当社は、本年8月24日のALPS処理水の海洋放出開始に先立ち、「ALPS処理水影響対策チーム」を立ち上げ、正確かつわかりやすい情報発信による風評を起こさない取り組み、福島の皆さまをはじめ全国の様々な地域に目配りした流通対策、賠償対応などを一体的に進めるための体制強化を行いました。
このたび、水産事業者の方を中心としたなりわいの継続についての切実なご不安の声や、外国政府による輸入停止措置などを踏まえて、当社が取り組む当面の対策をとりまとめましたので、お知らせいたします。
1.海洋放出の安全性に関する国内・国際社会への情報発信強化
- これまでも、国内外のメディア向けの報道発表や当社ホームページ内の「処理水ポータルサイト」、様々な媒体を通じ、ALPS処理水の海洋放出に係る安全性について、科学的根拠に基づく情報発信を行ってまいりました。
- 今後は、「処理水ポータルサイト」の内容を、多言語版を含めてさらに充実させるとともに、様々な媒体も活用しながら、国内外にALPS処理水の海洋放出の安全性や放出の実績・計画に関する情報をタイムリーかつわかりやすく発信いたします。
- 透明性の確保に向けて、当社および他機関による海域モニタリングの測定結果も含めて包括的に確認できるWebサイト「包括的海域モニタリング閲覧システム」の充実を図ってまいります。
2.グループ総力を挙げた国産水産品の消費拡大
- 当社は、震災直後より、社員食堂や企業内販売会などで福島県産品の取り扱いを進め、こうした取り組みをさらに加速させるため、2018年2月に「ふくしま流通促進室」を設置いたしました。以降、5年半余りにわたり、多くの関係者さまのご理解・ご協力の下、大都市圏や福島県内などにおける販売会や大規模イベントなどを多数開催してまいりました。これまで多くの皆さまに支えていただき心より感謝申し上げます。
- また、昨年12月には、国が設立した「魅力発見!三陸・常磐ものネットワーク」に当社もグループ各社とともに参画し、三陸常磐ものの消費拡大にも積極的に取り組んでいるところです。
- このたびの外国政府による輸入停止措置などを踏まえ、当社は国産ホタテなど措置の影響を受け得る水産品を流通促進活動の対象品目に加え、上記の活動をより一層拡大・強化していくことといたしました。当社グループの総力をあげて、さらなる国内水産品の利用・消費拡大に機動的に取り組むことで風評影響を抑制してまいります。
- 具体的には、当社グループでの利用・消費拡大に取り組むことはもとより、当社役員が先頭に立ち、当社グループや電気事業のお客さま、お取引先の方などに消費拡大のご協力をお願いしてまいります。また、生産・加工・流通・消費の関係者の方々に販路開拓についてご相談申し上げるなど、国産水産品の一層の利用・消費拡大に取り組んでまいります。
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至近の取り組みとして、社員向け販売会において国産ホタテの加工品を取扱(次回9月13日の開催を皮切りに、冷凍品など扱う商品の範囲を順次拡大)
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これまでも三陸常磐ものを提供してきた当社社員食堂において、10月目途で国産ホタテもメニューに追加し、今年度の国産水産品の取り扱いを倍増
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今秋以降に予定しているキャンペーン活動の中で、首都圏を中心とする小売・飲食店における国内水産品の販売フェアや消費拡大に資する大規模集客イベントでの取扱を順次企画・開催(11月下旬にお台場で開催予定の「お魚まつり」など)
3.お困りの事業者さまのご事情を伺い、きめ細やかに対応する体制の強化
- 各事業者さまからのお困りごとに対しては、ご事情やご要望を丁寧にお伺いし、販売できなくなった商品の販路拡大の解決策を一緒に検討するなど、きめ細やかに対応してまいります。
- 影響が生じた全国の事業者さまのご事情を迅速かつ丁寧にお伺いできるよう、今後、地域の実情などをふまえ、宮城県内をはじめとした地域にご相談対応の拠点を新たに設置してまいります。
- ALPS処理水の海洋放出に伴う被害が発生していることが確認できた場合には、迅速かつ適切に賠償いたします。
- 上記の対応を進めるため、既に予定している400名規模の体制から、さらに数百名規模で増員し、1,000名規模の体制といたします。
当社といたしましては、福島での取り組みはもとより、水産事業者さまをはじめとした皆さまのご懸念やご関心に真摯に向き合い、これらの対策を速やかに実行してまいります。
以 上
<参考>ALPS処理水の海洋放出に関する社内体制の強化について(2023年8月23日お知らせ済み)
- (1)
ALPS処理水統合対策プロジェクトチーム
経営陣がALPS処理水の放出に関連する情報を適時に把握し、速やかに社内に指示を出せるよう、福島第一原子力発電所、賠償・風評対応、地域対応などの関係部署を横断的に統括する社長直轄のプロジェクトチーム - (2)
ALPS処理水影響対策チーム
ALPS処理水放出に伴う影響は、福島にとどまらず、全国の様々な地域に目配りした流通対策・賠償対応が必要になると想定され、また、正確かつわかりやすい情報を内外に発信し、風評を起こさない取り組みも一体的に進めることが必要なことから、これらを一元的に取りまとめ、全国的に対応するため新たに設置した専任チーム(担当役員:吉田 貴彦常務執行役)