2022年11月2日
Sacramento Municipal Utility District
東京電力ホールディングス株式会社

 Sacramento Municipal Utility District(サクラメント電力公社、以下、「SMUD」)と、東京電力ホールディングス株式会社(以下、「東電HD」)は、本日、交通セクターの電化とカーボンニュートラルに向けた取り組みの加速に向けたV2X※1技術の活用について、協働合意書(以下、「MOU」)を締結しました。

 本MOUは、弾力性と信頼性のある電力系統を維持しながら、電気自動車(以下、「EV」)導入拡大やV2X技術の支援に関する共同研究および相互協力を行うことを定めています。これに基づき、太陽光発電の更なる導入、電気使用ピーク時の負荷低減、送配電設備における負荷低減、お客さま電気料金の節約、これらサービスから創出される価値の、お客さまへの還元などを目指してまいります。

 具体的には、EVと電力系統を制御する技術・システムを開発し、試験運用を通じて、電力系統の計画・運用やお客さまへの財務的な影響を見極めてまいります。EVを活用した系統電力負荷の自動調整、EV充電管理、EVの双方向充電などの先進的な技術を用いることで、お客さまの自宅や会社において、停電時に電源として利用可能になります。また、VPP※2技術により、系統安定性の強化とカーボンニュートラル化を実現してまいります。

 SMUDは、EV-電力系統間の充放電技術を、効率的な設備形成・系統運用に有効なツールの一つと位置付け、具体的な検討を行います。東電HDは、2020年度までのV2X技術に関する実証で得た知見を活かし、V2X技術の導入を支援します。本MOUは、今後、カーボンニュートラルと経済性の両立達成を目指す試みの中で、EV-電力系統間の充放電技術におけるリーダーシップ獲得への強い意思を示すものとなります。

 SMUDのCEO兼本部長のポール・ローと東電HD常務執行役の関 知道はそれぞれ、以下の通り述べています。

 ポール氏:「米国内で初のカーボンニュートラルな電力供給を行う事業者になるため、今回の東電HDのように、世界のイノベーティブなエネルギー企業、テクノロジー企業との重要なパートナーシップをSMUDは歓迎します。地域レベルであれ世界レベルであれ、SMUDの全てのパートナーシップは2030年のカーボンプランの遂行に不可欠です。ゼロカーボン技術へのイノベーションに注力することで、より多くのクリーンな車両の導入を促進し、大気の質の改善につなげるとともに、好待遇の雇用を創出し、皆さまが喜ぶエネルギーの未来の先駆けたる企業となるため、SMUDは熱心に取り組んでおります。」

 関氏:「再生可能エネルギーの有効利用と交通セクターの電化は、カーボンニュートラル実現に向けて重要な取り組みです。東電HDはこれまで、急速充電規格(CHAdeMO)の開発・運営に携わるなど、EVの普及に積極的に取り組んできました。2030年にカーボンニュートラルを達成するという高い目標を掲げ、DER※3プログラムをはじめとする数多くの先進的な取り組みを行っているイノベーティブなSMUDは、実フィールドにおけるV2X技術実証の協働先として理想的なパートナーであると確信しています。実フィールドでの実証で得られる運用上の貴重な経験は、将来の日本の状況を先取りしたものであり、系統課題の解決、エネルギー需要の電化を促進するとともに、米国・日本、ひいては世界におけるEVと電力系統を統合した新たな価値を創造する一助になると考えています。」

※1 V2X(Vehicle to X):
  Vehicle to X の略で、自動車からX(対象物)へ給電するという意味
※2 VPP(バーチャルパワープラント):
  情報通信技術等により、分散型エネルギーリソースを統合的に制御し、あたかも一つの発電設備のように機能する仮想発電所
※3 DER (Distributed Energy Resources):
  需要家が所有するエネルギーの供給、消費、需給調整に関連した制御対象機器の総称。

以 上

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