2020年4月30日
東京電力ホールディングス株式会社
取締役会長 川村 隆

 本日の指名委員会及び取締役会において、本年6月に開催予定の第96回定時株主総会後の取締役候補者を内定し、私は同株主総会をもって取締役会長を退任することといたしました。

 2017年に社外取締役・取締役会長(非常勤、代表権無)に就任して以来3年、取締役会長として、最高経営責任者である執行役社長以下の経営執行陣とともに、賠償、復興、廃炉といった福島事業に懸命に取り組むとともに、国内の電力需要の減少や電力・ガス小売全面自由化の下での業種・地域を超えた競争といった、厳しい事業環境の中においても企業価値向上を実現させるべく、既存事業の強化と事業領域の拡大に取り組んでまいりました。
 また、約60回に及ぶ事業所訪問や意見交換会などを通じ、現場第一線の声をしっかりと受け止めながら、「稼ぐ力」や「カイゼン活動」の重要性といった私の考えを直接社員に伝えてまいりました。
 こうした結果、まだ取り組みは道半ばであり、引き続きの努力も必要であるものの、着実に良い方向に向かっていると実感しております。

 取締役会の役割は、経営戦略の方向づけや経営執行陣の監督、指導、支援にあり、この3年間の経営執行陣との関係も、適度の緊張感を保ちながらも緻密な情報交流を保つという形で進めることができ、指名委員会等設置会社方式による当社の企業統治をほぼ固めることができたと考えています。
 私は、2016年の「東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)」の委員に選任されてから当社の経営に関わるようになり、東電委員会による提言を踏まえて策定された新々・総合特別事業計画に基づく経営改革に取り組んでまいりました。
 現在、新たな総合特別事業計画の策定に向けて検討を進めていること、また、社外取締役就任当時から、80歳となるまでの「2~3年」を目途としていたことから、一つの大きな節目を迎えており、これを機に私は退任し、新議長に取締役会の舵取りをお願いすることが望ましいと考えました。

 新議長に内定した槍田松瑩氏は、三井物産株式会社の社長をはじめ、経営者として大変豊富な経験をお持ちであり、これまでも社外取締役として3年間に亘って当社の経営改革に関わっていただいております。取締役会議長として、取締役会が一丸となって小早川社長以下の経営執行陣とともに、新たな総合特別事業計画の下、非連続の経営改革に取り組んでいく上で、最も相応しい方であると確信しております。
 私自身の任期は残り約2ヶ月となりますが、その間、引き続き全力で職責を全うしてまいる所存です。

以 上