2018年2月20日
東京電力ホールディングス株式会社

 当社は、2017年12月27日に原子力発電環境整備機構(以下、「NUMO」)から公表された「科学的特性マップに関する意見交換会(以下、「意見交換会」)」への参加者募集に関する調査結果(以下、「報告書」)において、NUMO職員による当社関係者への関与に係る記載がされていたこと、また、本件に関連して「NUMO職員から当社グループ会社への参加要請の働きかけおよびそれを受けた当社関係者の参加について問題視する」との内部通報があったことから、これらの事実関係について社内調査を進めてまいりました。(2017年12月27日お知らせ済み

 このたび、社内で調査したところ、NUMOの意見交換会についての開催の趣旨・目的や参加者の範囲、募集の方法が曖昧であったことから、東京電力パワーグリッドの一部総支社において、社内外に対して、一般的な開催案内に加えて参加要請を行った事実が確認されました。また、NUMOの報告書にあるとおり、意見交換会への当社社員の参加が確認されました。ただし、NUMOの報告書では、推進的意見の発言は確認されていません。なお、今後は、当社はNUMO の定める開催ルールに則って、対応いたします。
 概要は以下のとおりです。

1.調査概要および結果
(1)NUMOから当社へのメールに関する調査
 当社への内部通報において、NUMO 職員による意見交換会への参加呼びかけメールの存在が示唆されていたことから、当該メールの存在と伝達の流れを把握するためにメール調査を行いました。
 (1)調査方法 意見交換会開催日付近のメールの抽出および内容確認
 (2)調査対象 当社および3基幹事業会社に所属する全社員
 ※東京電力フュエル&パワー(株)、東京電力パワーグリッド(株)、東京電力エナジーパートナー(株)
 (3)調査結果
  ・当社および3基幹事業会社社員のメール記録から、メール本文に「NUMO」等のキーワードが含まれているメール(約8,800件)を抽出し、内容を確認しましたが、NUMO職員から意見交換会への当社社員の参加を要請する内容のメールは確認されませんでした。
  ・なお、NUMOからの要請により、NUMO職員から当社グループ会社の社員11名宛に発信された意見交換会の参加呼びかけメールの当該会社内での転送状況について、当該会社の協力を得て調査した結果、11名のうち2名が、同僚に当該メールを転送したことが確認されております(NUMOの報告書の通り)。

(2)意見交換会に関する当社の対応に係る調査
 (1)調査方法 関係者へのヒアリング
 (2)調査対象 当社立地地域部および当社エリア内で開催された意見交換会6会場の都県に所在する東京電力パワーグリッド総支社(6総支社)の総支社長、副総支社長、広報・渉外担当、渉外担当
 (3)調査結果
  <当社立地地域部の対応>
  ・全社員向けイントラネットに意見交換会の開催案内を掲載し、「興味のある方は是非ご参加下さい」と呼びかけたほか、東京電力パワーグリッドに地域諸団体等への開催案内の依頼を行っておりましたが、社員や地域諸団体への参加を要請した事実は確認されませんでした。
  ・なお、意見交換会の趣旨・目的や参加者の範囲、募集の方法についての説明が曖昧でありました。
  <東京電力パワーグリッド各総支社の対応>
  ・栃木、群馬、山梨、神奈川総支社にはNUMO職員が訪問し、意見交換会の概要説明と協力依頼を行っておりましたが、当該職員が社員や地域諸団体への参加を要請した事実は確認されませんでした。
  ・東京電力パワーグリッドの各総支社では、NUMO職員および当社立地地域部から上記の依頼を受けたことを踏まえ、地域対応のためにNUMOの活動内容について理解しておく必要がある社員をはじめ、所属社員に対し広く開催案内をするとともに、地域の諸団体等(グループ会社・協力会社等も含む)への開催案内を行いました。
  ・当社立地地域部から総支社に対し、意見交換会の趣旨・目的や参加者の範囲、募集の方法についての説明が曖昧だったことに加え、総支社の担当者は、電力関係者としてNUMOの活動内容を知るべきであるという強い思いから、栃木総支社ではエリア内の各支社に対して、埼玉総支社では地域のグループ会社・協力会社等に対し、一般的な開催案内に加えて参加要請を実施していました。

(3)当社社員の意見交換会への参加の実態について
 (1)調査方法 アンケート調査
 (2)調査対象 当社および3基幹事業会社全社員
 (3)調査結果 
  ・当社エリア内で開催された意見交換会6会場において、一般席で参加した社員が少なくとも81名(総来場者の約17%)いたものと考えております。参加した社員の多くは、業務上の必要性、研修目的、個人的な興味等によって意見交換会の申込みを行っていたものの、NUMOでは電力関係者の参加方法に関するルール(一般席への参加可否、関係者席への申込み方法等)が定められていなかったことから、関係者席ではなく一般席で参加したものです。ただし、NUMOの報告書では、第一部(地層処分の説明)の質疑応答においては電力関係者からの推進的意見の発言は確認されていません。

2.調査結果の評価
 アンケートやヒアリングの結果、以下のことがわかりました。
 ・NUMOの開催案内では、「地層処分をどのように実現していくか、皆さまと一緒に考えていきたい」と記載されており、意見交換会は、広く一般に説明し情報提供を行い、意見を伺うという趣旨・目的でしたが、NUMOからの依頼においても、当社立地地域部の認識においても趣旨・目的が曖昧なまま社内に周知したため、社員ならびに地域諸団体等への開催案内において、参加者の範囲や募集方法が不明確になったと考えられます。

3.今後の対応
 ・NUMOが再発防止に向けて説明会等の開催ルールを整備することを踏まえ、今後、NUMO が開催する意見交換会や説明会について社内へ開催案内を行う際は、当社立地地域部から、意見交換会や説明会の趣旨・目的やNUMOが定めるルール(「電力関係者が参加する場合は関係者席への傍聴とする」等)を明確にして、周知してまいります。
 ・NUMOが意見交換会や説明会を開催する場合に限らず、当社が一般の方を対象とした意見交換会や説明会を開催する場合においても、社員に対し、趣旨・目的や告知内容・対象範囲および方法などを明確にして対応してまいります。

以 上

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