福島第二原子力発電所の核物質防護規定の遵守に係る厳重注意文書の受領について
2016年9月12日
東京電力ホールディングス株式会社
当社は、本日、原子力規制委員会から、福島第二原子力発電所の核物質防護規定※1の遵守に係る厳重注意文書*を受領しました。
注意を受けることとなった事案の概要は以下のとおりです。当社は、今後、同様の事案を発生させることのないよう、再発防止に取り組んでまいります。
1.事案の概要
核物質防護規定では、核物質及び原子炉施設の防護に係る管理方法などを定めていますが、2015年10月7日に原子力規制庁による核物質防護検査において、警備上の監視業務の一部が適切に行われていなかったことが確認されました。具体的には、周辺環境の影響から侵入検知器の不要警報が多発するため、一時的に警報表示機能を停止していたものであり、本件については、本日、原子力規制委員会にて、核物質防護規定の遵守義務違反に当たると判断されました。
2.原因
本事案の根本的な原因としては、核物質防護管理者※2を含む核物質防護担当者の関係法令の理解および核セキュリティに対する意識の不足、本社および上位職者を含めた組織的管理体制の不備との結論に至っております。
3.再発防止策
原子力規制庁の指摘を踏まえ、同様の事案を発生させることのないよう、以下の再発防止策を講じております。
(1) 法令の理解および核セキュリティに対する意識向上
核物質防護管理者および核物質防護担当者に対して、核物質防護関連の教育指導を徹底し、核セキュリティに対する意識向上を図る。
(2)核物質防護業務に係る組織的なチェック機能の強化
社内の核物質防護業務に係る関係部署間で、相互の業務監査の実施基盤を強化し、より一層の改善に努める。
(3) 監視業務に係る環境整備の強化
周辺環境の整備を徹底し、確実な侵入検知及び監視機能の確保を図る。
なお、核物質防護に関する情報は、施設に対して妨害破壊行為を企てようとする者に知られることで、公共の安全を害するおそれがありますので、詳細については控えさせていただきます。
※1 核物質防護規定:
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の規定に基づき、原子力事業者が発電所毎に定めており、核物質及び原子炉施設の防護に係る管理方法などを記載し、国に申請し許可を受けている。
※2 核物質防護管理者:
特定核燃料物質の防護に関する業務を統一的に管理するため、核原料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき、特定核燃料物質の取り扱い等の知識を有する者のうちから選任している。
* 核物質防護規定の遵守について(厳重注意):
貴社福島第二原子力発電所において、監視業務の不徹底により、核物質防護上、重大事案に発展するおそれのある核物質防護規定遵守義務違反が認められました。
根本的な原因として、核物質防護管理者を含む核物質防護担当者の法令遵守及び核セキュリティに対する意識の不足並びに本社及び上位職者を含めた核物質防護に対する組織的管理体制の不備が挙げられます
核物質防護規定を遵守することは、法令で定められた事項であり、核物質防護措置を講ずる上で、最も基本となる事項です。これを適切に行わなかったことは重大な問題であり、当委員会としても極めて遺憾であるため、貴社に対し厳重に注意します。
今後、同様の事案が生じるこのとのないよう、再発防止対策を確実に実施することを強く求めます。
なお、当委員会としては今後、核物質防護規定の遵守状況の検査等を通じ、各種対策の実施状況を確認していくこととします。
以 上