国立大学法人福島大学と東京電力ホールディングス株式会社との「廃炉技術開発研究拠点」の設置について
2020年4月17日
国立大学法人福島大学 研究推進機構
廃炉等基盤研究・人材育成推進室
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー
国立大学法人福島大学研究推進機構廃炉等基盤研究・人材育成推進室と東京電力ホールディングス株式会社福島第一廃炉推進カンパニーは、東日本大震災からの復興と新生に寄与することを目的として、本日(4月17日)共同研究契約を締結し、福島第一原子力発電所および福島大学に「廃炉技術開発研究拠点」を設置します。
福島大学は、福島県における唯一の国立大学として福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉の推進に資するため、基礎・基盤的な研究と技術開発ならびに人材育成に努めてきました。この間、数日かかっていたストロンチウムの分析を約30分程度に大幅短縮した「ストロンチウム迅速分析法の開発」をはじめとする研究活動を通じて廃炉に貢献してきているほか、文部科学省『英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 廃止措置研究・人材育成等強化プログラム』に2015年から5年間取り組み、成果を挙げることができました。福島大学はこのプログラム等を通じて確立された基盤を活用し、継続して廃炉研究と人材育成を推進しています。
そのような中、福島大学と東京電力は、福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉の推進に向け、現場に即した新規技術開発と人材育成をより効果的に推進するため、2020年4月17日から5年間にわたり、福島第一原子力発電所および福島大学に「廃炉技術開発研究拠点」を設置します。同拠点では、福島第一原子力発電所の廃炉現場で直面する様々な技術的課題の解決に資する研究を実施します。
≪廃炉技術開発研究拠点の概要≫
- 研究題目:
福島第一原子力発電所の廃炉に資する研究
- 場 所:
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所および国立大学法人福島大学
- 設置期間:
2020年4月17日~2025年3月31日
- 概 要:
福島大学は分野横断的な幅広い教員が、機械・物理・数理・化学などの専門分野を生かし廃炉に役立つ様々な研究に取り組んでいる。これらを活用しつつ、廃炉技術へと転換し、福島第一原子力発電所の廃炉を安全かつ着実に推進するための新規技術開発の実現を目指す。現場において、福島第一原子力発電所の技術者とともに現場での適応や課題を調査・分析しながら取り組む。特に、化学吸着材、測定計測、ロボットの触覚センサー、コンピューター解析、人工知能(AI)の分野を起点として研究を開始する。
研究テーマ(代表例):
・難分析核種の化学的挙動と除去に関する研究
・汚染水中の難分析核種の迅速分析法の開発 など
福島大学の技術シーズを活用し、双方のマッチングを図りながら徐々に研究テーマを拡大していく。
- プロジェクトリーダー:
高貝慶隆 共生システム理工学類 教授
- 分担研究者(2020年度):
大山大 教授(化学)、高橋隆行 教授(機械)、
藤本勝成 教授(情報)、山口克彦 教授(物理)
以 上