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プレスリリース 2013年

当社原子力発電所における燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりに係る調査状況に関する原子力規制委員会への報告について(中間報告)

平成25年1月7日
東京電力株式会社

 当社は、平成24年10月16日、定期検査中の柏崎刈羽原子力発電所5号機において、燃料集合体チャンネルボックス*1上部(クリップ部)の点検作業を実施していた際に、外観点検中の使用済燃料集合体2体でウォータ・ロッド*2の一部に曲がりがあることを確認しました。
 このことを踏まえ当該号機において、これまでに65体の外観点検を実施し、18体においてウォータ・ロッドの曲がりを確認しており、この内曲がりが大きい代表的な燃料集合体2体について、ファイバースコープによる点検を実施した結果、ウォータ・ロッドの下部にある通水孔付近の変形や、ウォータ・ロッドの曲がりに伴い隣接する燃料棒同士の接触および接近している状況等を確認しております。
 本件については、平成24年10月19日ならびに11月28日に原子力規制委員会から指示文書*3を受領しており、これに基づき他号機についても順次点検を進めておりますが、2号機の燃料集合体2体においてもウォータ・ロッドの一部に曲がりを確認しております。

平成24年12月21日までにお知らせ済み)

 当社は、原子力規制委員会からの指示文書に基づき、燃料集合体のチャンネルボックスの装着履歴等のデータ、現時点における使用済燃料プール内および原子炉内の燃料集合体を対象とした外観点検の結果、原因究明の進捗状況、ならびに今後の調査スケジュール等を中間報告書として取りまとめ、本日、原子力規制委員会へ報告いたしましたのでお知らせいたします。

 なお、これまでに柏崎刈羽原子力発電所2号機において60体、5号機において65体の合計125体の外観点検を実施し、2号機において2体、5号機において18体の合計20体についてウォータ・ロッドに曲がりを確認しており、最大の曲がりは約2㎝でした。これらの燃料集合体は、平成6年から平成15年までに使用していたもので、いずれも使用済燃料であり、新燃料時に水中でチャンネルボックスを装着した履歴のあるものです。ウォータ・ロッドの曲がりの原因については、水中でチャンネルボックスを装着する作業の際にウォータ・ロッドに過大な力が加わったことによるものと推定しております。

 ウォータ・ロッドの曲がりに関する調査として、モックアップ試験を実施した結果、平成10年の作業方法の見直し前のチャンネルボックス装着作業時に発生する荷重によって、ウォータ・ロッドが曲がる可能性があることを確認しました。一方、見直し後の現在の作業方法においては、ウォータ・ロッドに過大な力を加えないよう荷重管理等を行っており、曲がりが発生しないことを確認しました。
 また、ウォータ・ロッドが曲がって燃料棒との位置関係が変化している状況や下部にある通水孔の変形により孔が狭くなっている状況が燃料集合体の炉心特性に与える影響について解析による評価を行った結果、炉心特性に大きな影響を与えるものではないものと評価しております。燃料棒同士の接触については、当該部はペレットのない非発熱部であることから、影響はないものと評価しております。
 今後、当社といたしましては、引き続き外観点検を行い状況把握および原因究明を進めるとともに、燃料集合体を模擬したモックアップ試験や安全解析への影響評価を進めてまいります。これらの結果については取りまとめ、原子力規制委員会に報告してまいります。

以 上

○別紙
チャンネルボックス着脱実績(記載例:柏崎刈羽原子力発電所5号機)(PDF 16.6KB)
外観点検サンプル数決定のためのカテゴリフロー(PDF 47.9KB)
燃料集合体の外観点検予定数と点検実施状況(PDF 117KB)
調査スケジュール(PDF 67.8KB)
○参考資料(報告書)
当社原子力発電所における燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりに係る調査状況について(中間報告)(PDF 44.0MB)

*1チャンネルボックス
燃料集合体に取り付ける四角い筒状の金属製の覆いのこと。チャンネルボックスを取り付けることにより、燃料集合体内の冷却材の流路を定めるとともに、制御棒作動の際のガイドや燃料集合体を保護する役割を持つ。

*2ウォータ・ロッド
 燃料集合体の中央部に燃料棒と並行して設けられている中空の管で、内部に水を通すことにより燃料集合体内部の出力の最適化を図るもの。

*3指示文書
<平成24年10月19日受領>
東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所第5号機の燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりについて(指示)

 原子力規制委員会(以下「当委員会」という。)は、平成24年10月16日に東京電力株式会社から東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所第5号機(以下「5号機」という。)使用済燃料プールに貯蔵されている燃料集合体2体のウォータ・ロッドに曲がりが確認された旨、連絡を受けたところです。
 本事象による外部への放射性物質の影響は確認されていないものの、これまでに例のない事象であることから、下記の対応を実施することを求めます。

1.5号機にて確認された2体の燃料集合体のウォータ・ロッドの曲がり及び燃料集合体のその他の構成要素についての状況を把握し、その原因を究明するための調査の方針及び具体的な調査計画を策定し、平成24年10月26日までに当委員会に報告すること。
2.その際、併せて、曲がりが確認された2体の燃料集合体の履歴とそれまでに把握した曲がりの詳細状況及び5号機におけるその他の燃料集合体の点検状況についても、平成24年10月26日までに報告すること。
3.1.で策定した計画に基づき曲がりの状況把握及び原因究明を行い、その結果について速やかに当委員会に報告すること。

以 上

<平成24年11月28日受領>
東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所第5号機の燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりについて(指示)

 原子力規制委員会(以下「当委員会」という。)は、東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所第5号機の燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりについて、沸騰水型原子炉を設置する事業者に対し、本事象の原因として燃料集合体のチャンネルボックスの装着に起因する可能性が高いため、以下のとおり対応することを求めることとする。

1. 原子力発電所の燃料集合体について以下の事項を確認の上、平成25年1月7日までに当委員会に報告すること。
 (1) 燃料集合体の取り替え回及び製造メーカー
 (2) チャンネルボックスの新品・再使用品等の区分とその数
 (3) 燃料集合体へのチャンネルボックスの取り付け方法
 (4) 再使用チャンネルボックスを装着した燃料集合体及び点検等によりチャンネルボックスを脱着した履歴のある燃料集合体の数及び所在場所
2. 再使用チャンネルボックスを装着した燃料集合体及びチャンネルボックスの脱着履歴のある燃料集合体の異常の有無等について、統計上十分なサンプル点検を実施し、その結果についても平成25年1月7日までに当委員会に報告すること。
3. 原子炉内に装荷している燃料集合体又は今後原子炉に装荷を予定している燃料集合体のうち、再使用チャンネルボックスを装着した燃料集合体又はチャンネルボックスの脱着履歴のある燃料集合体について、当該燃料集合体を装荷した原子炉を起動する前に点検を実施し、その結果について速やかに当委員会に報告すること。
4. 2.3.のそれぞれの点検において、燃料集合体の異常が確認された場合、その状況把握及び原因究明を行い、その結果について速やかに当委員会に報告すること。

以 上

本日お知らせした公表文について、一部訂正があります。お詫びして訂正させていただきます。
・公表文2ページ目
○参考資料(報告書)
 誤:・・・当社原子力発電所における燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりに係る調査状況に関する原子力規制委員会への報告ついて(中間報告)
 正:・・・当社原子力発電所における燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりに係る調査状況について(中間報告)
・別紙1および別紙2についても訂正がございますが、当該資料に記載しております。

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