福島第二原子力発電所3・4号機サービス建屋(非管理区域)における放射性物質による汚染に関する報告について
平成24年4月20日
東京電力株式会社
平成24年3月27日午後0時42分頃、福島第一原子力発電所から多核種除去設備の性能確認試験のために搬入された試料(水)の受け入れ作業を行っていたところ、福島第二原子力発電所3・4号機サービス建屋において、管理区域から退域する際に物品の汚染確認を行うチェックポイントにある小物モニタ脇の机上(非管理区域*1)に放射性物質による汚染があることを、当社社員が確認しました。
同日、経済産業省原子力安全・保安院より、「福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所への分析用の水の運搬に係る報告の徴収について」の報告徴収の指示*2を受領し、この指示文書に基づき、福島第一原子力発電所から多核種除去設備の性能確認試験のために搬入された試料(水)および運搬について調査を行い、その結果を取りまとめ、3月30日、経済産業省原子力安全・保安院に提出しました。
その後、4月3日に同院より、「福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所への試験用水の運搬に係る技術上の基準の不適合を踏まえた対応について(指示)」の指示文書*3を、また、国土交通省より、「福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所への分析用水の運搬に係る報告の徴収について」の報告徴収の指示*4をそれぞれ受領し、これらの指示に基づき、福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所への試験用水の運搬に関して調査を行い、その結果を取りまとめ、4月13日、同院ならびに同省へ提出いたしました。
本事象については、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第19条の17に基づく報告対象に該当することから、非管理区域における汚染に関する調査結果を別途とりまとめ、本日、経済産業省原子力安全・保安院へ報告いたしましたのでお知らせいたします。
以 上
<添付資料>
・福島第二原子力発電所3・4号機サービス建屋非管理区域における核燃料物質等の漏えいに伴う汚染について(PDF 1.59MB)
*1 非管理区域
管理区域は放射線による無用な被ばくを防止するため、また、放射性物質による放射能汚染の拡大防止をはかるため管理を必要とする区域で、非管理区域は管理区域外の区域。
*2 報告徴収の指示
「福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所への分析用の水の運搬に係る報告の徴収について」
(平成24・03・27原第13号)
本日、貴社福島第二原子力発電所構内の非管理区域において、貴社福島第一原子力発電所から運搬した分析用の水が入ったタンクから、放射性物質を含む水が漏えいしていることが確認された。
本タンクを貴社福島第一原子力発電所から貴社福島第二原子力発電所に運搬するに当たり、輸送物の運搬に係る措置が技術上の基準に適合していない可能性があることから、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第67条第1項の規定に基づき、下記の事項について、速やかに報告するよう命ずる。
この処分について不服がある場合には、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定に基づき、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、書面により経済産業大臣に対して異議申立てをすることができる。ただし、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると、処分の異議申立てをすることができなくなる。
この処分の取消しの訴えは、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定により、上記の異議申立てに対する決定を経た後に、当該異議申立てに対する決定があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に、国(代表者法務大臣)を被告として提起することができる。ただし、当該異議申立てに対する決定があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内であっても、当該異議申立てに対する決定の日の翌日から起算して1年を経過したときは、処分の取消しの訴えを提起することができなくなる。
なお、次の(1)から(3)までのいずれかに該当するときは、当該異議申立てに対する決定を経ないで、この処分の取消しの訴えを提起することができる。(1)異議申立てがあった日の翌日から起算して3か月を経過しても決定がないとき。(2)処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害をさけるため緊急の必要があるとき。(3)その他決定を経ないことにつき正当な理由があるとき。
記
○今回運搬した水の量並びに含まれる放射性物質の種類及び量
○今回の輸送物の運搬に係る措置の核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(昭和53年12月28日総理府令第57号)に規定する技術上の基準への適合状況
○今回の運搬に係る輸送物の放射線量当量率、表面汚染密度、外観その他運搬時の状況(発送前の点検に関する状況を含む。)
○今回の運搬に携わった者の被ばく等の状況
○福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所までの運搬経路における放射性物質による汚染の有無及び汚染のある場合はその程度
*3 指示文書
「福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所への試験用水の運搬に係る技術上の基準の不適合を踏まえた対応について(指示)」
(平成24・04・02原院第5号)
平成24年3月30日に、貴社から、貴社福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所への試験用水の運搬に係る報告があり、その内容を確認したところ、当該輸送物の運搬に係る措置が核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(昭和53年総理府令第57号)に規定する技術上の基準(以下「技術上の基準」という。)に適合していないことを確認しました。これを踏まえ、原子力安全・保安院は、貴社に対し、下記の措置を講じるとともに、その結果について、平成24年4月13日までに報告することを求めます。
記
1.今回の技術上の基準への不適合について、原因を究明し、その結果を踏まえた再発防止対策を講ずること。
2.今回の運搬以外に、福島第一原子力発電所の事業所外への運搬に係る措置について、技術上の基準への適合性に係る問題がないか確認すること。
*4 報告徴収の指示
「福島第一原子力発電所から福島第二原子力発電所への分析用水の運搬に係る報告の徴収について」
(国自環第1号)
平成24年3月27日、貴社福島第二原子力発電所構内の非管理区域において、貴社福島第一原子力発電所から運搬した分析用の水が入ったタンクから、放射性物質を含む水が漏えいしていることが確認された件については、同月30日付けにて、経済産業大臣あて報告されたと承知しているが、係る事案における工場等の外の運搬に係る措置が核燃料物質等車両運搬規則(昭和53年運輸省令第72号。)で定める技術上の基準に適合しない可能性があることから、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第67条第1項の規定に基づき、下記の事項について、速やかに報告するよう命ずる。
記
1.今回の事案について
(1)運搬の状況の詳細(発送前の点検、委託の有無、使用車両の車種・状況、固縛の状況等を含む)
(2)核燃料物質等車両運搬規則に基づく車両に係る線量当量率及び汚染の測定又は評価内容
(3)その他同規則に基づく技術上の基準への適合状況
2.その他の運搬について
福島第一原子力発電所の施設から外への運搬における同規則に基づく技術上の基準への適合状況
3.原因究明及び再発防止策について
1.(2)及び(3)並びに2.において同規則に基づく技術上の基準に適合していない場合、その原因及び再発防止策