福島第一原子力発電所における淡水化装置濃縮水貯槽からの放射性物質を含む水の漏えいを踏まえた対応に関する経済産業省原子力安全・保安院への報告について
平成24年4月5日
東京電力株式会社
平成24年1月10日午前10時28分頃、福島第一原子力発電所の淡水化装置(逆浸透膜式)の濃縮水貯槽(タンク)において、タンク付け根部のパッキンから水が1秒に1滴程度で滴下し、当該タンクを設置しているコンクリート上に水溜まりがあることを当社社員が発見いたしました。
漏えいした水の量は約10リットルであり、当該タンク接合部のボルトの増し締めを実施し、同日午後0時35分頃、水の滴下が停止したことを確認しております。また、漏えい拡大防止のために、水溜まりの周囲に土のうを積んでおります。
本件について、当社は、1月10日、経済産業省原子力安全・保安院より、「福島第一原子力発電所における淡水化装置濃縮水貯槽からの放射性物質を含む水の漏えいを踏まえた対応について(指示)」の指示文書*1を受領いたしました。
また、2月3日午後0時30分頃、淡水化装置(逆浸透膜式)の濃縮水貯槽(タンク)において、タンク接合部に、にじみが発生していることを確認いたしました。その後、当該タンク接合部のボルトの増し締めを実施し、同日午後2時44分頃、にじみが停止したことを確認しております。
なお、当該タンクを設置しているコンクリート上は水溜まりになっておらず、海洋への流出はありませんでしたが、念のため、当該タンク下部の周囲に土のうを積んでおります。
本件について、当社は、2月3日、同院より、「福島第一原子力発電所における淡水化装置濃縮水貯槽からの放射性物質を含む水の漏えいを踏まえた対応について(追加指示)」の指示文書*2を受領いたしました。
その後、当社は、2月3日に受領した指示のうち、屋外の貯槽の点検及び処置結果について、2月8日に、同院へ報告いたしました。
(平成24年1月11日、2月4日、2月8日お知らせ済み)
当社は、本年1月10日および2月3日に経済産業省原子力安全・保安院より受領した指示について、その後の対応を取りまとめたことから、本日、同院へ報告いたしましたのでお知らせいたします。
以 上
添付資料
・福島第一原子力発電所における淡水化装置濃縮水貯槽からの放射性物質を含む水の漏えいを踏まえた対応について(報告)(PDF 1.49MB)
*1 指示文書
「福島第一原子力発電所における淡水化装置濃縮水貯槽からの放射性物質を含む水の漏えいを踏まえた対応について(指示)」
(平成24・01・10原院第2号)
原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、本日、貴社から、福島第一原子力発電所の淡水化装置濃縮水貯槽から放射性物質を含む水が漏えいしていることを発見した旨の報告を受けました。
今回、漏えいした放射性物質を含む水は当該貯槽近傍のコンクリート上に留まり発電所敷地外への漏えいは確認されなかったものの、当該貯槽から屋外に放射性物質を含む水が漏えいしたことに鑑み、当院としては、貴社に対し、下記の措置を講じるとともに、その結果について対応を実施したものから速やかに当院に対し報告することを求めます。
記
1.漏えいした放射性物質を含む水は、拭き取り等により回収を行うこと。また、漏えいした放射性物質を含む水による周辺環境への影響評価を実施すること。
2.淡水化装置濃縮水貯槽の巡視点検の強化及び監視カメラの設置等の監視強化を行うこと。
3.今回発生した淡水化装置濃縮水貯槽付け根のパッキン部からの漏えいについて、原因を究明し、再発防止対策を講ずること。また、中長期的な観点から設備の信頼性向上のための対策を講じること。
4.淡水化装置濃縮水貯槽に貯蔵する滞留水処理装置で処理を行った水に含まれる放射性物質の量を低減するため、多核種除去設備を前倒して設置する等の対応を検討すること。
*2 指示文書
「福島第一原子力発電所における淡水化装置濃縮水貯槽からの放射性物質を含む水の漏えいを踏まえた対応について(追加指示)」
(平成24・02・03原院第4号)
原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、本日、貴社から、貴社福島第一原子力発電所の淡水化装置濃縮水貯槽から放射性物質を含む水が漏えいしていることを発見した旨の報告を受けました。
当院は、貴社に対し、平成24年1月10日に発生した淡水化装置濃縮水貯槽からの放射性物質を含む水の漏えいを踏まえ、原因の究明、再発防止対策の実施等について指示しているところです。
しかしながら、同発電所では、同月28日以降の厳しい冷え込みによる凍結が主たる原因と思われる水の漏えいが多数発生していることを踏まえ、淡水化装置濃縮水貯槽等からの漏えい防止への対応に万全を期す必要があることから、これまでの指示に加え、下記の対応を実施することを求めます。
記
1.本日発生した漏えいについて、原因を究明し、再発防止対策を講じるとともに、平成24年1月10日に発生した漏えいとの関係性について整理し、当院に対し速やかに報告すること。
2.淡水化装置濃縮水貯槽、濃縮廃液貯槽等の放射性物質を含む水を保管している屋外の貯槽について、継ぎ目部を含め、被ばく管理に注意しつつ漏えいの有無を点検し、漏えい等が確認された場合は、直ちに漏えい防止対策を講じ、これらの結果について、平成24年2月8日までに当院に対し報告すること。