プレスリリース 2011年

柏崎刈羽原子力発電所における緊急安全対策に関する実施状況報告書の補正について

                             平成23年5月2日
                             東京電力株式会社

 当社柏崎刈羽原子力発電所では、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖
地震にともなう津波の影響による福島第一原子力発電所の事故をふまえ、地震発生
後に、津波により3つの機能(交流電源を供給する全ての設備の機能、海水を使用
して原子炉施設を冷却する全ての設備の機能及び使用済燃料プールを冷却する全て
の設備の機能)を同時に全て喪失した場合においても、炉心や使用済燃料の損傷を
防止し、放射性物質の放出を抑制しつつ冷却機能の速やかな回復を図るため、緊急
安全対策を講じてまいりました。

 当社は、3月30日に経済産業大臣から原子力発電所の緊急安全対策に関する指示
文書を受領し、これに基づき、柏崎刈羽原子力発電所の緊急安全対策に加え、津
波による浸水を防止し、更なる安全性を確保するために計画している今後の対策に
ついてとりまとめて、4月21日に経済産業大臣へ報告したところです。
                     (平成23年4月21日お知らせ済み)

 その後、原子力安全・保安院からご指摘をいただき、柏崎刈羽原子力発電所にお
ける緊急安全対策の実施状況報告書について、一部に誤りが確認されたことから補
正を行い、本日、経済産業大臣へ提出いたしましたのでお知らせいたします。

<補正箇所>
 「柏崎刈羽原子力発電所における緊急安全対策について(実施状況報告)」
   添付資料4−(3)1.a.原子炉、使用済燃料プールへの代替注水機能の
  表における6号機、7号機の最大負荷欄の記載値等を変更。(詳細は、別添資
  参照)

 当社は、引き続き、福島第一原子力発電所の事故の収束に向けて、政府・関係各
省庁、自治体のご支援とご協力を仰ぎながら、緊密に連携をはかりつつ、事態の一
日も早い収束に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。

 また、今後、事故の原因の分析や評価を行う過程で、柏崎刈羽原子力発電所の津
波対策へ反映すべき事項が確認された場合には、速やかに必要な対策を講じてまい
ります。

                                  以 上

添付資料1:添付資料4−(3)
        1.a.原子炉、使用済燃料プールへの代替注水機能(補正後)
                              (PDF 1.24KB)
添付資料2:添付資料4−(3)
        1.a.原子炉、使用済燃料プールへの代替注水機能(補正前)
                              (PDF 1.24KB)

* 指示文書
 「平成23年福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対
 策の実施について(指示)」
                         (平成23・03・28原 第7号)

 今般の平成23年東北地方太平洋沖地震による津波に起因する福島第一原子力発電
所事故は、我が国において未曾有の原子力災害をもたらしており、現在、同発電所
等において、事業者である東京電力株式会社はもちろんのこと、国、地方公共団体
等の関係機関が一体となって、この原子力災害の拡大の防止及び復旧のために懸命
に努力しているところである。
 原子力安全・保安院においては、当該事故対策に引き続き全力で対応しつつ、今
後、今般の津波の発生メカニズムを含め、当該事故の全体像の把握及びその分析・
評価を行い、当該事故に係る原因究明及び抜本的な対策を講じることとする。
 他方、今回のような巨大地震による極めて大きな津波については、その発生頻度
は相当に小さいと考えられるものの、それによる原子力発電所への被害は極めて甚
大となる可能性がある。これに鑑み、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発
電所以外の原子力発電所に対して、まずは現在判明している知見に基づき、津波に
よる電源機能等喪失時においても放射性物質の放出を抑制しつつ原子炉施設の冷却
機能を回復することを可能とするための緊急安全対策を講じることとし、緊急安全
対策に電気事業者等が適切に取り組み、原子力安全・保安院がこれを検査等により
確認することにより、津波による電源機能等喪失時における炉心損傷等を防止し、
原子力災害の発生を防止することとする。
 ついては、津波が発生した場合における原子炉施設の保全のための活動を行う体
制の整備及びこれに伴う保安規定の整備を要求事項とする改正後の実用発電用原子
炉の設置、運転等に関する規則等に従い、下記の緊急安全対策に直ちに取り組むと
ともに、これらの緊急安全対策の実施状況を早急に報告することを求める。

                  記

 津波により3つの機能(交流電源を供給する全ての設備の機能、海水を使用して
原子炉施設を冷却する全ての設備の機能及び使用済燃料貯蔵槽を冷却する全ての設
備の機能)を喪失したとしても、炉心損傷及び使用済燃料の損傷を防止し、放射性
物質の放出を抑制しつつ原子炉施設の冷却機能の回復を図るために、緊急安全対策
として、以下の対策を講じるとともに、今般の実用発電用原子炉の設置、運転等に
関する規則等の改正に従い保安規定を整備し、保安規定の変更の認可を申請するこ
と。
 (1)緊急点検の実施
    津波に起因する緊急時対応のための機器及び設備の緊急点検の実施
 (2)緊急時対応計画の点検及び訓練の実施
    交流電源を供給する全ての設備の機能、海水により原子炉施設を冷却する
    全ての設備の機能及び使用済燃料貯蔵槽を冷却する全ての設備の機能の喪
    失を想定した緊急時対応計画の点検及び訓練の実施
 (3)緊急時の電源確保
    原子力発電所内の電源が喪失し、緊急時の電源が確保できない場合に、必
    要な電力を機動的に供給する代替電源の確保
 (4)緊急時の最終的な除熱機能の確保
    海水系施設又はその機能が喪失した場合を想定した機動的な除熱機能の復
    旧対策の準備
 (5)緊急時の使用済燃料貯蔵槽の冷却確保
    使用済燃料貯蔵槽の冷却及び使用済燃料貯蔵槽への通常の原子力発電所内
    の水供給が停止した際に、機動的に冷却水を供給する対策の実施
 (6)各原子力発電所における構造等を踏まえた当面必要となる対応策の実施




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