プレスリリース 2009年

調整運転中の福島第一原子力発電所3号機の点検停止について

                             平成21年8月6日
                             東京電力株式会社

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<概要>
(事象の発生状況・今後の対応)
 ・調整運転中の福島第一原子力発電所3号機において、原子炉格納容器内に設置
  されている非常時に原子炉に水を注入する設備の弁を動作させる電気系統で、
  地絡が発生している可能性が高いことが確認されたことから、今後の安全・安
  定運転に万全を期するため、8月8日午前4時30分頃にプラントを一旦停止し、
  弁を点検することとしました。
(安全性、外部への影響)
 ・弁の開閉機能および非常時に原子炉に水を注入する機能は維持されていること
  から、現状においてはプラントの運転に影響を及ぼすものではありません。
 ・本事象による外部への放射能の影響はありません。
(公表区分)
 ・計画的に停止して対応することから、公表区分III(信頼性向上のために公表す
  る事象)としてお知らせするものです。

詳細は以下のとおりです。
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1.事象の発生状況
  調整運転中の当社福島第一原子力発電所3号機(沸騰水型、定格出力78万4千
 キロワット)において、平成21年7月20日、高圧注水系*1の電動弁(原子炉格
 納容器内側弁。以下、当該弁)の開閉試験を行っていたところ、午後0時41分頃、
 当該弁の閉動作中に地絡警報*2が発生しました。その後、当該弁が完全に閉ま
 った時点で警報は解除されました。
  また、午後0時43分頃、同様に、当該弁の開動作中に地絡警報が発生し、当該
 弁が完全に開いた時点で警報は解除されました。
  その後の点検・調査の結果、当該弁の駆動用電動機内部あるいは電源ケーブル
 で、地絡が発生している可能性が高いことが確認されました。

2.今後の対応
  当該弁の開閉動作中に地絡警報が発生することは、現状においてはプラントの
 運転に影響を及ぼすものではありませんが、今後の安全・安定運転に万全を期す
 るため、8月7日午後6時頃より出力降下を開始し、8月8日午前4時30分頃に
 原子炉を停止して、当該弁の点検を行います。点検の結果を踏まえ、駆動用電動
 機の取り替え、または原子炉格納容器内の電源ケーブルの点検を行うこととしま
 す。
  その後、準備が整い次第、原子炉を起動する予定です。

3.安全性、外部への影響
  本事象は、当該弁の開閉動作中に地絡警報が発生するものの、当該弁に要求さ
 れる開閉機能に問題はありません。また当該弁は、通常時、完全に開いた状態で
 あり、高圧注水系は動作可能であることから、現状においてはプラントの運転に
 影響を及ぼすものではありません。
  なお、本事象による外部への放射能の影響はありません。

                                  以 上

*1 高圧注水系
    非常用炉心冷却系の一つで配管等の破断が比較的小さく、原子炉圧力が急
   激には下がらないような事故時に、原子炉の蒸気を駆動源にしてポンプを回
   し、原子炉に冷却水を注入することのできる系統。
*2 地絡警報
    電源ケーブル等から漏電し、接地線等を通じて大地に電気が流れたことを
   知らせる警報。

添付資料
・福島第一原子力発電所3号機 高圧注水系系統概略図(PDF 16.1KB)

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