プレスリリース 2009年

定期検査中の福島第一原子力発電所1号機における制御棒駆動水圧系の弁の弁箱からの水のにじみの発見に関する調査結果について

                            平成21年2月10日
                            東京電力株式会社

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<概要>
(事象の発生状況)
 ・平成20年11月25日、定期検査中の当社・福島第一原子力発電所1号機におい
  て原子炉圧力容器等の漏えい検査を実施していたところ、制御棒駆動水圧系
  の弁の弁箱表面に水のにじみがあることを発見いたしました。
 ・また、翌11月26日、別の検査の準備のために原子炉の圧力を上げて現場の確
  認を行っていたところ、他の制御棒駆動水圧系の弁の弁箱表面より水のにじ
  みがあることを発見いたしました。
 ・いずれの場合も、原子炉の圧力を下げたところ、にじみは止まりました。
(調査結果・推定原因)
 ・弁箱の製造時から、内側から外側までほぼ貫通したきずがあったものと推定
  いたしました。
 ・そのきずは弁箱の表面においては圧着していましたが、前々回(第23回)の
  定期検査時に弁箱の表面を磨いたことで圧着していた表面がめくれ、高い圧
  力をかけた場合にきずが開き、水がにじむようになったものと推定いたしま
  した。
(対策)
 ・漏えいのあった弁2台は新しい弁に取り替え、残りの弁(192台)もあわせ
  て、これまでの漏えい検査よりも高い圧力で弁箱のにじみ部に着目した漏え
  い確認を実施し、弁ににじみ等の漏えいがないことを確認いたしました。
 ・今後、残りの制御棒駆動水圧系の弁も、計画的に交換いたします。
詳細は以下のとおりです。
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1.事象の発生状況
  定期検査中の福島第一原子力発電所1号機において、平成20年11月25日午後
 7時頃、原子炉圧力容器等の漏えい検査(原子炉冷却材圧力バウンダリ漏えい
 検査*1)を実施していたところ、制御棒駆動水圧系*2の弁の弁箱表面に水
 のにじみ(2、3秒でにじむ程度)があることを当社社員が発見いたしました。
  また、翌11月26日午前10時30分頃、制御棒駆動水圧系機能検査の準備のため、
 原子炉圧力を上昇させ、現場確認を行ったところ、別の制御棒駆動水圧系の弁
 の弁箱表面より水のにじみがあることを当社社員が発見いたしました。
  なお、にじんだ水を分析した結果、放射能は確認されませんでした。
              (平成20年11月26日お知らせ済み・公表区分I)

2.調査結果
  調査した結果、以下のことがわかりました。
  ・にじみのあった2つの弁箱を詳細に調査したところ、弁箱の内側から外側
   までほぼ貫通したきずが確認されたこと。
  ・この貫通したきずは、弁箱の製造時より存在していたもので、製造時の表
   面加工等により、表面近傍で曲げられ、圧着されていたこと。
  ・前々回(第23回)の定期検査(平成14年11月20日〜平成17年11月30日)に
   おいて、原子炉圧力容器等の漏えい検査の後に弁箱表面の磨きを行った際、
   きずの圧着面がめくれるなど、表面の状態を変化させたこと。
  ・今回(第25回)の定期検査(平成20年10月18日〜)において、前回(第24
   回)の定期検査(平成18年12月28日〜平成19年12月5日)より高い圧力を
   かけて原子炉圧力容器等の漏えい検査を実施した際、弁箱表面に水のにじ
   みが確認されたこと。また、原子炉の圧力を下げたところ、にじみは止ま
   ったこと。
  ・前々回の定期検査で弁箱表面の磨きを行った後、今回の定期検査でにじみ
   が発見されるまでに4回、原子炉の圧力を高くした漏えい検査等を実施し
   ていたが、当該部の漏えい確認については、前回定期検査の原子炉圧力容
   器等の漏えい検査時のみ行われており、その際には水のにじみは確認され
   なかったこと。

3.推定原因
  弁箱の製造時から弁箱の内側から外側までほぼ貫通したきずがあり、このき
 ずが、第23回定期検査における弁箱表面の磨きによってめくれ、高い圧力をか
 けた場合にきずが開き、水がにじむようになったものと推定いたしました。
  第24回定期検査の原子炉圧力容器等の漏えい検査時には、当該部での水のに
 じみは確認されませんでしたが、今回の定期検査は第24回定期検査よりも高い
 圧力をかけたことから、弁箱の表面に水のにじみが確認されたものと推定いた
 しました。

4.対策
  にじみが発生した2台の弁については新しい弁に取り替えるとともに、取り
 付け後、新しい弁(2台)および残りの制御棒駆動水圧系の弁(192台)につ
 いて、これまでの漏えい検査よりも高い圧力で弁箱のにじみ部に着目した漏え
 い確認を実施し、弁の健全性に問題がないことを確認いたしました。
  残りの制御棒駆動水圧系の弁(192台)については、今後、計画的に取り替
 えることといたします。

                                 以 上

*1 原子炉冷却材圧力バウンダリ漏えい検査
   原子炉冷却材圧力バウンダリを加圧し、漏えいを確認する検査。
   なお、原子炉冷却材圧力バウンダリとは、原子炉の通常運転時に原子炉冷
  却材を内包して原子炉と同じ圧力条件となり、異常状態において圧力障壁を
  形成するもので、それが破壊すると原子炉冷却材喪失となる範囲の施設。

*2 制御棒駆動水圧系
   復水系統などから制御棒駆動機構に通常操作のための駆動水、スクラム時
  の高圧水などを供給する系統。

添付資料
・福島第一1号機の制御棒駆動水圧系(概略図)(PDF 43.2KB)今回(第25回定期検査時)の弁箱のにじみ発生メカニズム(イメージ)(PDF 95.7KB)

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