平成20年11月26日
東京電力株式会社
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<概要>
(事象の発生状況)
・平成20年11月25日、定期検査中の当社・福島第一原子力発電所1号機におい
て原子炉圧力容器等の漏えい検査を実施していたところ、制御棒駆動水圧系
の弁の弁箱表面より水のにじみがあることを発見いたしました。
・また、本日別の制御棒駆動水圧系の弁の弁箱表面より水のにじみがあること
を発見いたしました。
(今後の対応)
・原因について調査いたします。
(安全性、外部への影響)
・制御棒は全挿入状態にあり、原子炉の安全性に問題はありません。
・にじんだ水を分析した結果、放射能は確認されず、本事象による外部への放
射能の影響はありません。
(公表区分)
・本事象は公表区分I(法律に基づく重要な事象など)としてお知らせするも
のです。
詳細は以下のとおりです。
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1.事象の発生状況
当社・福島第一原子力発電所1号機(沸騰水型、定格出力46万キロワット)
は、平成20年10月18日より第25回定期検査を実施しておりますが、11月25日午
後7時頃、原子炉圧力容器等の漏えい検査(原子炉冷却材圧力バウンダリ漏え
い検査*1)を実施していたところ、当社社員が制御棒駆動水圧系*2の弁の
弁箱表面に水がにじんでいること(2、3秒でにじむ程度)を発見いたしまし
た。
また、本日午前10時30分頃、制御棒駆動水圧系機能検査の準備のため、原子
炉圧力を上昇させ、現場確認を行ったところ、別の制御棒駆動水圧系の弁の弁
箱表面より水のにじみがあることを当社社員が発見いたしました。
なお、にじんだ水を分析した結果、放射能は確認されませんでした。
本事象については、本日、安全上重要な機器等の不具合に該当すると判断し、
公表区分Iとして公表するものです。
2.今後の対応
今後、原因について調査いたします。
3.安全性、外部への影響
制御棒は全挿入状態にあり、原子炉の安全性に問題はありません。
また、にじんだ水を分析した結果、放射能は確認されず、本事象による外部へ
の放射能の影響はありません。
以 上
*1 原子炉冷却材圧力バウンダリ漏えい検査
原子炉冷却材圧力バウンダリを加圧し、漏えいを確認する検査。
なお、原子炉冷却材圧力バウンダリとは、原子炉の通常運転時に原子炉冷却
材を内包して原子炉と同じ圧力条件となり、異常状態において圧力障壁を形成
するもので、それが破壊すると原子炉冷却材喪失となる範囲の施設。
*2 制御棒駆動水圧系
復水系統などから制御棒駆動機構に通常操作のための駆動水、スクラム時の
高圧水などを供給する系統。
添付資料
・制御棒駆動水圧系 概略図(PDF 17.6KB) |