平成20年12月12日
東京電力株式会社
当社は、平成20年11月22日に柏崎刈羽原子力発電所7号機タービン建屋におい
て発生した火災について、11月28日、経済産業省原子力安全・保安院より徹底し
た原因究明と再発防止対策の検討等を行うよう指示文書*を受領いたしました。
(平成20年11月28日お知らせ済み)
本日、この結果につきまして、同院へ報告いたしましたのでお知らせいたしま
す。
1.火災の原因
調査の結果、火災が発生した要因は、以下の通りです。
・タービンの洗浄に使用していた洗浄液が危険物であったにもかかわらず、
危険物として扱う意識が不足していたこと。
・そのため防爆構造を採用していない洗浄機を使用していたこと。
・当該洗浄機本体をビニールで養生しており、ビニール内に洗浄液が溜まっ
ていたこと。
これらの要因により、火災の原因は、当該洗浄機の電源を投入した際にモー
タ付近から火花が発生し、洗浄機本体を養生したビニール内に溜まった洗浄液
に引火し、発火したものと推定いたしました。
2.今回の火災への対策
今回の対策として、定められた火災発生防止のためのルールが守られるよう
に、当社および協力企業において以下の対策を実施いたします。
(安全管理体制評価プロセス)
・元請となる協力企業に対し、当社が工事施行時の安全管理ができる体制と
なっているかどうかを確実に評価する。
(施行要領書)
・危険物を取り扱う場合には、使用目的・種別・使用方法を工事施行要領書
に記載し、確認する。
(ルールの再徹底)
・防火管理者が当社の監理員に対して防火教育を実施するとともに、協力企
業における防火教育実施状況を定期的に確認し、必要に応じて改善を指示
することを通じて工事共通仕様書などの遵守を徹底する。
(ルールの改善)
・危険物第四類特殊引火物、第一石油類、アルコール類および第二石油類の
ポンプを用いた噴霧・噴射の禁止(塗装作業を除く)をルール化する。
・多量(消防法に定める指定数量の5分の1以上)の危険物を取り扱う際に
は、危険物の使用目的・種別・使用方法・使用量・場所および3H(初め
て、変更、久しぶり)作業に該当するかを協力企業から当社へ事前申請す
ることをルール化し、多量の危険物を取扱う3H作業であればすべて安全
事前評価を実施する。
(現場管理の改善)
・防護指示書に危険物の種別・量を記載、TBM−KY(作業前に行う危険
予知活動)で危険物予知の確実な実施をはかるなど現場管理を改善する。
3.火災の影響を受けた可能性のある機器の健全性確認
火災の影響を受けた可能性のある機器の健全性を確認した結果、7号機ター
ビン建屋内において発生した火災による影響は一部に限られ、低圧タービン(
A)ロータを含めタービン建屋内の機器の性能等への影響は無く、健全性が確
保されていることを確認いたしました。
当社・柏崎刈羽原子力発電所における火災の発生について、地域の皆さまに大
変ご心配をおかけしており、心よりお詫び申しあげます。
当社は、安全意識をより一層高めるとともに、協力企業各社も含め一丸となっ
て災害発生の未然防止に努めてまいります。
以 上
○添付資料
添付1:火災発生場所図(PDF 203KB)
添付2:火災発生時の作業状況(PDF 37.3KB)
添付3:低圧タービン(A)ロータ下部の状況、作業機材の状況(PDF 81.6KB)
添付4:火災により影響を受けた可能性のある機器(PDF 84.2KB)
添付5:柏崎刈羽原子力発電所 7号機 タービン建屋1階大物搬入口付近
(管理区域)での火災発生にかかる原因および再発防止対策について
(PDF 3.20MB)
* 指示文書
「柏崎刈羽原子力発電所7号機タービン建屋における火災について」
(平成20・11・27原院第16号)
平成20年11月22日、原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、貴
社から、柏崎刈羽原子力発電所7号機タービン建屋において火災が発生し、
負傷者を生じた旨の連絡を受けました。
貴社においては、新潟県中越沖地震において発生した変圧器火災以降、同
発電所における火災対策の充実を進めていたにも関わらず、本件事案の発生
を防止できなかったことは遺憾であり、当院は、貴社に対し、本件火災が発
生した原因及び再発防止対策について徹底した検討を行い、速やかに報告す
ることを求めます。
併せて、本件火災の影響を受けた可能性のある機器について、性能等への
影響の有無、健全性の確認を行い、報告することを求めます。
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